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新保 礼子 院長の独自取材記事

レイ歯科・矯正歯科

(台東区/新御徒町駅)

最終更新日:2024/06/24

新保礼子院長 レイ歯科・矯正歯科 main

新御徒町駅から徒歩4分、下町情緒が残る台東区三筋に構える「レイ歯科・矯正歯科」を訪ねた。小児矯正や口腔筋機能療法(MFT)に力を注ぐ新保礼子院長が2014年に浅草橋で開業し、2023年3月に現在の場所に移転。新たに義歯専門の歯科医師が診療に加わったこともあり、現在は子どもからパパ・ママ世代、高齢者まで幅広い世代の診療に対応している。1児の母である新保院長をはじめ、子育て経験のあるスタッフがそろい、子連れでも通院しやすい温かな雰囲気の漂うクリニックだ。「お子さんからおじいちゃん、おばあちゃんまで、3世代で通っていただける『一家のかかりつけ歯科医』になれたらうれしいです」と語る新保院長に、同院の特徴や近年ニーズが高まる成人矯正などについて話を聞いた。

(取材日2024年2月29日)

口腔筋機能療法で口内環境に悪影響を及ぼす癖の改善を

移転から丸1年。患者さんの年齢層も広がったそうですね。

新保礼子院長 レイ歯科・矯正歯科1

以前は子ども専門の歯科のような雰囲気だったのですが、こちらに移転してからはお子さんだけでなく、近隣にお住まいのご高齢の方や働く世代の患者さんがかなり増えましたね。待合室も以前より広いスペースを確保できて、お子さんたちにとってはより居心地が良く、大人も他の患者さんと距離を保ってお待ちいただけるようになりました。一般歯科や予防歯科はもちろん、開業当初から力を入れている小児矯正と口腔筋機能療法、そして移転後から義歯治療の経験豊富な歯科医師が診療に加わったこともあり、ご高齢の方の義歯に関するご相談も多くなりました。

注力されている口腔筋機能療法について教えてください。

口腔筋機能療法とは、口周りの筋肉を鍛えることなどを通して、「口腔習癖」という適切でない舌の使い方や、食べ物を噛む時や飲み込む時の誤った癖の改善をめざすトレーニングです。歯は毎日約1.7gの力で押し続けると動くといわれます。舌が歯を押す力が約300~400gにも及ぶことを考えると、無意識に舌が前歯を常に押している、あるいは飲み込む時に舌が突き出しているといった癖があると、歯並びにも影響が出てしまう恐れがあるのです。こうした癖を残したまま矯正で歯並びの改善をめざしたとしても、期待するような結果は得られないでしょうから、当院では悪い歯並びの原因となり得る癖や、口周りの筋力不足にアプローチするトレーニングを並行して行っています。

健康的な口腔環境を維持する上で、有用なトレーニングなのですね。

新保礼子院長 レイ歯科・矯正歯科2

トレーニングを続けることによって口腔習癖の改善につながれば、ワイヤーによる矯正や抜歯矯正などの大がかりな治療の回避が期待できるケースもまれにあり、口腔筋機能療法には矯正に伴う心理的、経済的な負担軽減も見込めるともいえます。また、噛み方や舌の癖、口呼吸の癖にもアプローチするため、表情筋が鍛えられて明るく生き生きとした表情に変わるといったことも考えられます。18歳頃までの成長期はいわば「基礎工事」の時期。早期に誤った癖を取り除くよう働きかけ、正しい習慣の定着をめざすことで、美しく整った歯並びやケアのしやすい健康的な口内環境の維持につながると私は考えています。

ニーズの高まる成人矯正にも幅広く対応

患者さんと接する上で大事にしていることは?

新保礼子院長 レイ歯科・矯正歯科3

お子さんの診療では、「もし自分の子どもだったらどうするか」を基準に、現状で最も良いと考えられる治療をご提案するようにしています。とはいえ、嫌がらずに通院を続けてもらいたいので、お子さんたちが怖い思いや痛い思いをせずに帰ってもらえるように常に意識していますね。特に矯正や口腔筋機能療法ではお子さんの年齢、性格などに応じてアプローチを変えています。できるようになったこと、頑張っていることを思いっきり褒めてモチベーションを高めたり、場合によってはお子さん本人のやる気のスイッチが入るまで気長に待ったり、といった対応をお子さんに合わせて行っています。

口腔筋機能療法の進め方を少し教えていただけますか?

口腔筋機能療法は小学校入学時を目安に、マウスピース型の訓練装置を使って始めます。あらかじめ舌圧測定器を用いて舌の力を調べたり、噛み合わせに関係する体の軸のゆがみの有無などもチェックしたりして課題を把握し、「舌の正しいポジションを覚える」「舌を持ち上げるエクササイズ」「口を閉じて行う鼻呼吸」「飲み込み方の訓練」などを段階的に進めます。まず、舌のポジションが正しく取れるようになることをめざし、その上で適切な飲み込みや鼻呼吸、そして口の周りの筋肉が鍛えられた状態という目標に向かって進めます。月1回の通院時だけでなく、家庭でも毎日続けることが大切で、1回あたり2分のトレーニングプログラムを行ってもらいます。毎日続けるには保護者のサポートが欠かせません。ご家庭の事情に合わせて日常生活に取り入れやすく、前向きに続けられる方法を一緒に考えながら、お子さんの意欲を後押しできればと思っています。

近年は成人矯正を希望される患者さんも増えているそうですね。

新保礼子院長 レイ歯科・矯正歯科4

中高生、大学生、40~50代の他、最近は70代で矯正を希望される方も増えました。マウスピース型装置による矯正が広く認知されるようになったことや、新型コロナウイルス感染症予防でマスク生活が長引いていたことがきっかけで、「マスクで口元が見えない今こそ、矯正を始めるチャンス」と捉える方が多くなったようです。矯正は高齢になると難しいイメージがあるかもしれませんが、若い方よりも加齢に伴って骨が硬くなっている分、矯正には時間がかかるものの、お年を召した方も歯列の改善をめざせます。矯正を専門に学んできたからこそ、どの装置を使うのが適切か、治療にあたって抜歯が必要か否かといった問題に対しても、これまでの経験値に基づいて見極めることができます。年齢に関係なく、矯正にご興味があればお気軽にご相談ください。

口腔筋機能療法の有意性を明らかにしたい

口腔筋機能療法に関連して、舌圧に関する研究も手がけられているそうですね。

新保礼子院長 レイ歯科・矯正歯科5

2020年にハーバード大学で行われた「舌圧と噛み合わせの関係性」に関する共同研究に参加する機会に恵まれました。以前から舌圧と噛み合わせには深い関わりがあると考えていましたので、約100例のサンプルを提出し、ハーバード大学側からの症例と併せて検証した論文を発表しました。また当院では2019年から、口腔筋機能療法を始める前と後で舌の力がどのように変化したかを数値化する取り組みを行っていて、現在も患者さんのご協力を得て舌圧のデータ収集を継続しています。舌圧と歯並びや噛み合わせ、顔の骨格との関連性などのメカニズムを明らかにできれば、口腔筋機能療法に取り組む患者さんのモチベーションアップにもつながると考えています。口腔筋機能療法の有意性を目に見える形でお示しすることを目標に、ライフワークとして今後も研究を継続していきます。

今後、さらに取り組みたいことはありますか?

口腔筋の機能を鍛えるというと、子どもが対象というイメージがあるかもしれませんが、矯正を行う大人の患者さん、あるいは飲み込みに不調を感じ始めたご年配の方にとっても重要です。矯正をするかしないかにかかわらず、人が生きている限り、歯並びや噛み合わせなど口の中の状態は絶えず変化し続けます。ちょっとした生活習慣の変化をきっかけに、口腔環境が一気に乱れて全身の健康状態に悪影響を及ぼしてしまうケースも珍しくありません。人生100年時代といわれる今だからこそ、ご年配の方にも口腔筋機能療法の考え方を応用した正しい噛み方、嚥下のポイントなどを折にふれてお伝えし、口から食事を取ることをできるだけ長く続けられるようなサポートをしていきたいと考えています。

ご自身の子育て経験も踏まえ、パパ・ママ世代の読者に向けてメッセージをお願いします。

新保礼子院長 レイ歯科・矯正歯科6

感染症の流行など、不安要素の多い中での最近の子育ては本当に大変だと思いますが、当院ではそうした状況下でもお子さんたちが健康的に成長できるよう、可能な限りバックアップしていければと考えています。小さい頃から通っていただく中で、虫歯にならないための生活習慣、歯並びや噛み合わせとも関連する体の姿勢を整えるための全身トレーニングなど、歯に関することにとどまらず、お伝えできることはたくさんあります。日々の食事や子育ての悩みなどもお気軽にご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

歯列矯正/永久歯列期:金属製装置使用時66万円~、小児矯正/33万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/片顎のみ55万円~、上下顎110万円~、口腔筋機能訓練指導料/3300円

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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