寺田 由紀 院長、寺田 征彦 副院長の独自取材記事
寺田歯科クリニック
(北九州市小倉南区/徳力嵐山口駅)
最終更新日:2022/11/10

徳力嵐山口駅から徒歩6分の場所にある「寺田歯科クリニック」。寺田由紀先生が院長を、寺田征彦先生が副院長を務め、小児歯科から一般歯科、審美歯科、インプラント治療まで幅広く対応している。患者の多くは地域住民で、最近ではメンテナンスなどへの意識が高い患者も増えているという。「基本である歯磨きなどをしっかりと行うことで、虫歯・歯周病を防ぎ、健やかな歯を維持しながら生活していっていただきたい。そのためにも回数を重ねながら、丁寧に歯磨き指導などを行います」と語る。メリットだけではなくリスク・デメリットまでしっかり説明した上で患者に治療を選択してもらうという同院の診療に対するスタンスや、今後の展望などについて話を聞いた。
(取材日2021年6月22日)
地域患者の歯への意識を高めたい、という思いを貫く
まず、どんな患者さんがいらっしゃっていますか?

【由紀院長】地域の方が多いですね。年代に偏りがある、というわけでもなく、小児歯科のお子さんからご高齢の方まで足を運んでくださっています。それに伴い、主訴も幅広いです。通院のきっかけで多いのはやはり虫歯ですね。とはいえ、最近では「歯石を取りたいです」「一度お口の中に悪いところがないか、調べてみたくて」という方も増えてきました。開業したのは2013年ですが、それから地道にずっとメンテナンスや予防の大切さを、患者さんにはその都度説いてきたので、その結果がようやく現れ始めたのかな、という実感も得られるようになってきましたね。
院長と副院長で、役割分担などはされているのでしょうか?
【征彦副院長】特には分けておらず、小児からご年配の方まで、2人で満遍なく診ています。一点、インプラント治療は私が担当しているので、分担といえばそのくらいでしょうか。当院は予約制ではありますが、歯科衛生士の治療も含め、担当制ではないんです。ただ、患者さんから依頼があった場合は対応しています。院長が女性なので、それを知った方が「女性の先生にお願いしたいんです」と希望されることもありますからね。この周囲はもとは田んぼや畑で、昔から長く住んでいるご高齢の方が多いのですが、最近では新しいアパートやマンションなども建ち始め、ファミリー層も増えてきました。幼稚園・保育園・小学校も多いので、お子さんの治療などでいらしたお母さんがホワイトニングなどに興味を持たれる、という流れも生まれてきています。
お子さんの治療をきっかけに、ご自分の歯も診てもらいたいと。

【由紀院長】検診などで虫歯が見つかり、お子さんを連れて来ている時に「私も前から自分の歯が気になっていて」「ホワイトニングに興味があって」などと言われることもありますよ。今は外出の自粛でなかなか外にお金をかけられなくなった分、お子さんやご自身の治療に熱心になる方も散見されます。女性だけでなく、男性ももちろんおられます。当院は開業時から地域の皆さんのデンタルIQを高めたい、という思いがありましたので、こういった患者さんの変化はとてもうれしいですね。
リスクもすべて伝え、患者自身に治療を選択してもらう
デンタルIQを高めたいということですが、それに対してどのような取り組みを?

【征彦副院長】歯磨き指導やデンタルフロスの使い方指導など、しっかりお伝えしています。いずれも基本的なことですが、例えばお子さんから年配の方まで皆さん、半年に一度ほどは染め出しをして、磨き残しがないかなどの確認も行っています。メンテナンスや歯石取りなどに興味を持つ方が増えたと言いましたが、1ヵ月に一度クリーニングを行ったとしても、残りの29日をまったく何もせずに過ごせば、当然ながら口腔内は汚れてしまいますよね。虫歯を削り、かぶせ物をして治療が終わったとしても、そこがゴールではありません。これから歯を残すためにはどうすればいいのかを、その都度で患者さんに学んでもらうことは欠かせないと思っています。
治療時に工夫されている点は何でしょうか?
【征彦副院長】当院のユニットはすべて個室で、それぞれのユニットには患者さんの正面にはモニターを配置しており、エックス線写真などを一緒に確認したり、時にはイラストを描いて「歯の根っこの部分の治療をしないといけないんです」などと説明したりしています。やはり言葉で伝えるよりも視覚的に伝えるほうが、患者さんも理解しやすいですからね。またメリットと同時に、治療でのリスクやデメリットも必ず説明します。リスクも治療を行う上での大切な情報の一つ。そしてどの治療を選ぶのかは、患者さんです。「保険診療でまかなえるのはここまで、自由診療であればこの素材が使えますよ」といった点も同様です。そうやって信頼関係を構築していくことも大切だと考えています。
小児歯科も対応されていますが、お子さんへの説明はどのように?

【由紀院長】親御さんが一緒に来てくださるときは直接お伝えしますが、慣れてくると家が近くの子は一人で来るんですよね。その際は、一度親御さんにお電話をし、治療内容などをお伝えしています。年齢を問わず、治療中のお声がけはとても意識していますね。やはり歯科医師が黙々と作業をしていると、そもそも緊張している患者さんもさらに怖くなると思いますし、声かけをすることで雰囲気を少しでも和らげることができればと思っています。40〜50代になると歯周病のリスクが上がり、ご自身で気づいて来院する方もいれば、ご家族に「口臭が気になるよ」と指摘されておいでになる方もおられます。やはりこちらでも大事なのは基本の歯磨き。ご自宅でできることを伝え続けるというのは、私たちの変わらないミッションなのだと思います。
患者のペースを尊重しながら、歯の大切さを伝えていく
とはいえ、最初から歯周病などの先のことを考えていらっしゃる方はまだ少ないのではないでしょうか?

【由紀院長】虫歯が気になって来院し、エックス線を撮ってみたところ、別の場所に怪しい部分が見つかった、ということもあり得ますが、そういった場合は「今は症状はありませんが、将来的にこの部分がトラブルを起こす可能性がありますよ」とお伝えします。ほかにも治療箇所が多く、途中で治療の優先順位の変更が必要になった場合は再度エックス線を撮り、計画を立て直すなどの対応をしています。だからこそ予約制ではないと難しいんですよね。
患者さんのご事情やペースを尊重しながら、じっくりと時間をかけて理解してもらうんですね。
【征彦副院長】デンタルフロスを使ったことがない方にいきなり「毎日やってください」とお願いしても難しいですから、使い慣れていない方には「まず週末など時間がある時に試してみてください」とお声がけしています。一度ですべてを理解するのは難しいものです。回数を重ねながら、私たちと一緒に選択肢を考えてくだされば、という思いで診療にあたっています。ご高齢の方もメンテナンスに来てくださるようになってきていますね。今は新型コロナウイルス感染症の影響でそんなに話し込まれることはありませんが、待合室で患者さんが「お前も来てたんだ」「久しぶりだな」なんて話している声を聞くと、当院が一種地域の方の“憩いの場”のようになっていることを感じてうれしくなりますね。
では最後に今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

【由紀院長】以前は施設などへの訪問診療も行っていたのですが、今はスタッフの人数が足りず中止しています。けれどこれも近いうちに復活させたいと考えています。たとえ入れ歯であっても、いくつになっても食べれるようにいてほしいという思いもありますし、脳の活性化という意味では認知症ともつながるのが歯です。今来ていただいている患者さんの通院が難しくなった時にも、しっかり対応できるようにしていきたいですね。あとはやはり、デンタルIQの向上です。北九州エリアはまだまだお子さんの虫歯も多いですし、お子さんの虫歯を減らすためにはやはり親御さんの歯への理解や協力が必要です。開業して9年ほどですが、今私たちの思いがやっと地域の皆さんへとつながっていっているのではないかと感じています。これからも歯の大切さが地域の皆さんに根づいていくよう、私たちも日々努力していくつもりですので、どうか気軽にご相談にいらしてくださいね。
自由診療費用の目安
自由診療とは審美歯科(ホワイトニング)/2万2000円~、インプラント治療/38万5000円~、矯正/30万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。