今真帆理事長、今一裕先生の独自取材記事

自由が丘歯科

(世田谷区／自由が丘駅)

最終更新日：2024/09/13

自由が丘駅南口から、おしゃれなや店舗が軒を連ねる通りを抜けた閑静な住宅街の一角に「自由が丘歯科」はある。2013年の開業以来、今真帆（こん・まほ）理事長と今一裕先生の夫婦が「地域に根差した歯科医院」をめざして、小児から高齢者まで、地域住民の歯の健康を見守ってきた。予防歯科やなるべく削らない治療に力を入れ、検査や患者への説明も丁寧に行い、患者の人生に寄り添った口腔内トータルケアを提供。また、2人は2児の親でもあり、広いキッズルームやトイレのベビーチェアなど、子どもが来院しやすい歯科医院づくりにもこだわる。幼稚園の嘱託歯科医、訪問診療にも携わり、地域医療にも貢献。開業後もアップデートを心がけ、高度な医療を提供したいという真帆理事長と一裕先生に、同院の特徴から今後の展望までたっぷり語ってもらった。

（取材日2024年7月1日）

患者が安心して過ごせる院内づくりを
こだわりは高精度な歯科治療を提供すること
地域に根差す歯科医院であり続けたい

患者が安心して過ごせる院内づくりを

開業から11年になりますね。

【真帆理事長】自由が丘という街に根づきたいと思って開業しましたが、お子さんから高齢の方まで、地域の幅広い年代の患者さんが来てくださっています。開業当初から通ってくださっている患者さんも多く、幼かった患者さんが中学校に上がったり大学に進学したり。また通院されていた患者さんが、年齢を重ねて外出できなくなるケースも散見されます。開業後、現在に至るまでの間に新型コロナウイルス感染症の流行などもあり、年月の変化を実感します。
【一裕先生】開業以来、患者さんと接する中で、大きなやりがいを感じています。一つ一つの診療を丁寧に、一人ひとりの患者さんに優しく笑顔で接するように心がけていますが、患者さんから感謝のお言葉をいただいたりすると、この仕事をしていて本当に良かったと感じます。

広いキッズルームが印象的です。

【真帆理事長】やはり、子どもにとって診療は嫌なことだと思うので、少しでもリラックスして楽しい気持ちになってもらいたいと、絵本やおもちゃで遊べるキッズルームを用意しました。開業の際、診療室とキッズルームをつなげて設計してもらったのも、まずは歯科医院という場所に慣れてもらうためなんです。私自身も2児の母親なので、嫌がる子どもに診察を受けさせる大変さはよくわかります。親御さんの負担を軽くしたい、という気持ちもあります。また、親御さんご自身の診療中、お子さんに遊んで待っていてもらうという使い方もできます。お子さんにとって、歯科医院という場所を「怖いところ」から、「楽しいところ」に変えることができたらと思います。

お子さんの診療に関して、意識していることありますか。

【真帆理事長】2024年6月の診療に関わる改定において、私が注目したのは「お子さんの発育段階における口腔ケア」にフォーカスされたこと。発育段階で適切な方法でお食事を取り、唇やお口回りの筋肉を正しく使用することが、大人になってからの良い影響につながることが発表されているので、この改定を機に当院でもこうしたアドバイスを開始しました。母親目線で考えたとき、新しい器具などを購入する方法はあまり推奨したくありません。帰宅して手洗いうがいをするとき強めのぶくぶくうがいを加えてみることや、姿勢を正して食事を取ることなど、日常生活で取り入れやすく、ルーティン化しやすい方法についてアドバイスを行っていければと考えています。
【一裕先生】お口が閉じていない、お口元が緩んでいる感じのお子さんや、歯並びが整っていない方をお見かけした際には、それぞれのご事情に合わせながらサポートさせていただく所存です。

こだわりは高精度な歯科治療を提供すること

治療を行う際、大切にしていることは何ですか？

【真帆理事長】当院が大切にしていることは、患者さんにきちんと説明を行い、納得していただくこと。初診時に、一番のお悩みを伺い、痛みや腫れなど急を要する場合はそれらの解消をまずは図ります。そして口腔内写真やCTスキャンによって口腔内全体の状態を把握し、患者さんにきちんと情報提供をした上で治療計画を立案します。
【一裕先生】たとえ虫歯でも、クリーニングと必要最低限な処置と経過観察だけで削らずに済むケースもあります。一度削ってしまうと虫歯の再発リスクが増えるので、歯を削らないことが結果的に予防へとつながるケースもあります。どの程度の処置で済ませるか、その見極めが重要です。

医療機器についてこだわりはありますか。

【真帆理事長】できるだけ歯を残したいので、根管内を細部までしっかり確認する目的でマイクロスコープなども導入しています。
【一裕先生】歯や口の中の粘膜に触れずに歯の型採りをする口腔内スキャナーは、嘔吐反射がある患者さんの負担軽減を図れるほか、歯の型採りが必要なインプラント治療などの精度向上に役立てています。デジタルカメラの画像より、わかりやすく患者さんに説明できるのもメリットです。ほかには、歯の詰め物などを院内で加工できる歯科用ミリングマシンを導入しております。症例は限定されますが、お急ぎの患者さんには、最短でその日のうちにかぶせ物や詰め物をご用意することが可能ですし、インプラントの仮歯を手術と同時に作製することもできます。

お二人は学生時代にインプラント治療を専門に学んできたと伺いました。

【一裕先生】インプラント治療を学んだのも、健全な歯をなるべく削らず、犠牲にしない治療をしたいと思ったのがきっかけです。歯を失った際の治療法として一般的な入れ歯やブリッジは、周囲の歯に大きな負担になる可能性があります。しかし外科手術を要するインプラント治療に不安を感じる患者さんもおられるので、当院では、顎骨の状態まで確認できる歯科用CTを導入し、事前の検査を十分に行った上で手術に進むことを心がけています。当院では、その場限りの治療ではなく、患者さんの人生に寄り添う治療をめざして、予後まで考慮し、きれいな状態で長持ちするインプラント治療を行っていきたいと考えています。

地域に根差す歯科医院であり続けたい

新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着き、患者さんの変化を感じますか。

【真帆理事長】メンテナンスを希望される患者さんが、戻ってきてくださるようになりました。足が遠のいていた患者さんもおられるので、そういう意味では少し安堵している部分はあります。また「食いしばり」を気にされる患者さんが増えているように感じます。食いしばりは痛みだけでなく、それによって歯が割れてしまうことにもつながりかねません。マッサージ指導のほか、睡眠時のマウスピース装着などをお勧めする場合もあります。
【一裕先生】新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着き、新たなストレスが生じ、それが原因で「食いしばり」が増えているのかもしれないですね。マウスピースの装着が難しい患者さんもおられます。その場合は別のアプローチも考えますので、気軽にお声がけください。

院内のチームワークはいかがですか。

【真帆理事長】勤務医も歯科衛生士も歯科助手も、みんなが互いの状況を察して動いてくれます。当院は彼らの力があってこそ運営できているのだと思います。スタッフに対して、感謝の思いでいっぱいです。歯科医師は、私たちのほかに勤務医の先生が2名勤務しています。女性の水上先生は、詰め物の治療がお得意な方。優しく丁寧な診療が持ち味です。男性の大石先生は、一般歯科、インプラント治療に専門性を持つ先生です。大石先生と、留学経験のある一裕先生は英語が話せるので、外国人の患者さんが来院された際はとても心強い存在です。

最後に今後の展望をお願いします。

【真帆理事長】地域に根差した歯科医院でありたいと思っています。例えば、数年前から開始した訪問診療。昨今、これまで通われていた方が来院できなくなるケースも増えてきたため、毎月1日だけではありますが訪問診療日を設定しています。訪問診療用のポータブル型エックス線、小型バキューム、歯を削る器具を導入したので、在宅でも幅広い診療の提供が可能になりました。また幼稚園の嘱託歯科医などもお受けしながら、可能な範囲で地域医療の活動域を広げております。
【一裕先生】開業当時からの「地域に根差した歯科医院」という目標は、今も変わりません。私の願いは、患者さんに食事をおいしく食べて健康的な生活を長く継続していただくこと。状況によっては、入れ歯やインプラント治療を施すこともあるでしょう。患者さんがお食事を楽しみ健康生活を送れますよう、歯科医院として貢献できることはどんなことでもサポートさせていただく所存です。