セラミック修復物を用いた虫歯治療で
再発率の低減を図る
Miho歯科医院
(堺市中区/深井駅)
最終更新日:2024/04/02
- 保険診療
- 自由診療
セラミック治療とは、虫歯で穴が開いてしまった歯や、欠ける、折れる、もしくは亀裂が入ってしまった歯の欠損部を、セラミックの詰め物やかぶせ物といった修復物で補う治療のこと。少し前までは銀歯など金属素材を用いた治療が一般的だったが、近年注目されているのはセラミック素材の修復物を使った治療だ。金属素材は口を開けると目立ってしまうデメリットがあったが、セラミックは白く、天然歯に似た質感で色合いも調整できるなど、審美性に優れているのが特徴。保険適用とならず自由診療となるが、興味を持っている人は多い。そこでセラミックを使った補綴治療に力を入れている「Miho歯科医院」の前原美保院長に、セラミック治療の特徴やその種類、メリット・デメリットなどについて詳しく教えてもらった。
(取材日2021年9月14日/情報更新日2024年3月25日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qセラミックによる虫歯治療で再発防止を図っていると伺いました。
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A
虫歯治療で用いる詰め物やかぶせ物などの修復物は、金属やプラスチック、セラミックといった素材によって種類が分かれます。中でもセラミック製の修復物は、「二次虫歯のリスク」の低減が期待できるといわれています。一度治療を行った部位に虫歯が再発する二次虫歯は、主に修復物と歯との間に生じた隙間に細菌が侵入して起こりますが、セラミックは材質的に表面がツルツルと滑らかなので、プラークそのものが付着しにくいんですね。また、歯との接着性が高く、金属のように熱い食べ物や冷たい飲み物による温度変化で大幅に膨張・収縮することもありません。そのため、歯と境目に隙間が生じにくく、二次虫歯の予防につながると考えられています。
- Qセラミックを治療に用いた場合のメリット・デメリットとは?
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天然歯に近い色や艶の再現が図れる審美性、そしてしっかりと接着するので長く使うための耐久性があること、歯垢が蓄積しにくい素材であること、虫歯が再発しにくいという点も優れています。加えて体に害を及ぼす心配が少ないのもメリットです。金属素材は徐々に溶け出してタンパク質と結合し、アレルギーの原因となる可能性があります。すぐに症状は出なくても、何年かたった後、手足に膿疱ができたり、脱毛の症状などが現れたりする可能性もありますが、セラミック治療はそのリスクがありません。デメリットとしては、保険適用外なので費用面での負担がかかってしまうこと、噛みしめや歯ぎしりで割れたり欠けたりするリスクがあることです。
- Q治療に使われているセラミックにはどのような種類がありますか?
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現在、歯科治療で一般的に使われているセラミックは5種類あります。セラミックの中でもスタンダードなポーセレンとガラス系セラミックは、天然歯のような色調や光沢を持つため審美性を重視した治療にお勧めです。耐久性に重点を置くなら「人工ダイヤモンド」ともいわれるジルコニアか、費用面が気になる方は歯科用プラスチックのレジンとセラミックを組み合わせたハイブリッドセラミックが良いでしょう。経年的な摩耗や変色は避けられず、標準的なセラミックよりも審美性には劣りますが、一部の保険診療でもハイブリッドセラミックを使ったかぶせ物治療を受けることが可能です。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1カウンセリング
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歯科医師と患者の橋渡し役を務める専門のスタッフが悩みや要望を聞き取る。その際、「子どもの結婚式までに銀歯を白くしたい」という希望など、一人ひとりの生活背景も含めてしっかり把握するようにしているそう。その後、通院しやすい方法・費用面での希望を考慮した上で、保険診療を含めさまざまな治療パターンを提示。それぞれのメリット・デメリットの説明を受けた上で、患者が治療方法を決める。
- 2口腔内を検査
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治療前にはエックス線検査と口腔内検査で虫歯・歯周病の有無を確認する。歯石が付着していたり、歯周病を発症していたりすると、セラミックと歯茎の間にギャップが出てしまい、正しい歯型を採ることができないため、セラミック治療を行う前にクリーニングや歯周病の処置を行う。
- 3歯型の3Dスキャンとセラミック修復物の設計・作成
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小型の口腔内スキャナーを用いて光学印象を行い、精密に歯の状態を記録する。治療する歯や、噛み合わせの歯、上下が噛み合った状態なども同時に記録を行っていく。この作業は数分で終わるそうだ。その後、コンピューターで修復物の形を設計をし、設計が終わるとセラミックのブロックを機械が削る。10分程度で削り終わり、最後は人の手で仕上げをして、治療箇所に装着する準備をする。
- 4完成した修復物を装着
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修復物が完成したら、さっそく口腔内にセットし、噛み合わせのチェック、装着感や色味の最終確認を行う。あまりケースとしては見られないが、この段階で再度補綴物の修正が必要となる場合には、あらためて修復物を作り直すこともある。そして最終調整が完了した段階で、歯科用の専用接着剤を用いて修復物を患部に装着する。
- 5定期メンテナンス
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治療完了後は3ヵ月ごとの通院を推奨。セラミックの寿命は日々のホームケアやプロによる口腔内清掃で口腔内を清潔に保つ以外にも、歯ぎしり・噛みしめの程度が大きく関係するため、定期メンテナンスで補綴物が割れていないか、外れていないかチェックを行う。さらに口腔内の状態は、食生活やライフスタイルによっても変わってくるので、同院では歯を美しく健康に保つための意識向上につながるアドバイスにも力を入れている。
自由診療費用の目安
自由診療とはハイブリッドセラミック/7万4800円~、ガラス系セラミック/14万800円~、ジルコニア/17万4130円~