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古林 圭一 院長の独自取材記事

梅田血管外科クリニック

(大阪市北区/梅田駅)

最終更新日:2021/10/12

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梅田駅から徒歩6分。足の血管が浮き上がってこぶのようになる、「下肢静脈瘤」に悩む患者にとって頼れるクリニックがある。「梅田血管外科クリニック」の院長・古林圭一先生は、かつて救命救急医療の現場で心臓や血管の手術を多数こなし、技術を磨いたスペシャリストだ。「血管外科医で下肢静脈瘤をきちんと考えている医師が少ない」と、2013年に専門クリニックを開業したという院長から、治療にかける思いを聞いた。

(取材日2017年5月10日)

梅田に開業した「下肢静脈瘤」専門のクリニック

開業のきっかけはどのようなことだったのでしょう?

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もともと私は血管外科が専門で、大阪府羽曳野市の城山病院・心臓血管センターに勤務していました。田舎の救急を担う中核病院でしたので、心臓や大動脈の手術から足の末梢血管の治療まで一手に引き受けていました。おかげで循環器系のあらゆる疾患の薬物治療からカテーテル治療、手術まで研鑽することができました。そんな中で、血管外科領域でも「下肢静脈瘤」は専門家がおらず、治療法があまり確立されていないと感じていました。また、多くの患者に正しい診断、適切で最新の治療を受けてほしいという思いも膨らんでいきました。そこで、もともと開業志向があったこともあり、梅田で下肢静脈瘤専門のクリニックを2013年9月に立ち上げました。

「下肢静脈瘤」とはどのような病気か教えてください。

「下肢静脈瘤」は、脚の静脈の弁が壊れて血液が逆流し、血液がたまってこぶのように膨らむ病気です。初期症状ではだるさやむくみ、こむら返りなどが一般的ですが、症状が進行すると強いかゆみなどを伴う皮膚炎、色素沈着なども起こってしまいます。重症の患者さんは、料理人や美容師など立ち仕事の人が多いですね。当院で、男性1:女性2の割合です。女性のほうが見た目も気になりますし体調が悪いと早めに病院に来る方が多いですね。男性で調理師や美容師、会社経営者だと「皮膚の色が変わっても平気」と病状が悪化するまで病院に来ないんですね。昔は認知されていない病気だったのですが、今では皮膚科の先生も血管の病気とわかっているので、私のところへ患者さんを紹介していただいています。

治療法としては具体的にどのようなことをするのですか?

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静脈瘤の種類によってさまざまですが、伏在型静脈瘤に対する治療で主流なのは、血液の滞った血管内にカテーテルを入れレーザーで焼き切る方法です。局所麻酔で手術時間も15分〜30分と短く、傷口も1〜2ミリと小さく、日帰り手術ができるので、患者さんの負担も少なくて済みます。当院では保険適応となっているカテーテルを使用しますので、経済的にも負担を減らせます。カテーテル治療には技術も必要ですが、最も大事なのはやはり診断です。正しい診断をし、適切な治療法を選択する、もちろん患者の生活様式、状態にあったものを選びます。治療法には他に、血管を引き抜くストリッピング術、極小の傷口で静脈瘤を切除するStab Avulsion法、細かな血管を注射で治療する硬化療法などがあります。これらを組み合わせて治療していきます。

救命医療で技術を磨き、血管外科専門クリニック開業へ

ホームページを拝見したところ、多くの手術も行っておられますね。

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血管外科分野で「下肢静脈瘤」を専門とする医師が他にあまりいないので、私のところに患者が集まってくるのではないでしょうか。日曜日以外毎日手術を行っています。他院からの紹介も多いので、「病気だから手術しよう」と決心していらっしゃる方が多いようです。ただ、来院患者の半分以上は手術適応になりません。生活習慣からくるむくみの方が多いですが、ホルモン剤服用中や膠原病、リンパ浮腫の患者さんも来ます。超音波で診察して、「これは血管疾患ではないですよ」と他の専門クリニックを紹介したり、対症療法を勧めたりします。また、静脈瘤だからといってすべてが手術となるわけではありません。患者希望によっては弾性ストッキングによる圧迫療法などの対症療法をお勧めします。

先生が医師をめざしたきっかけはどのようなことだったのでしょう?

古林家は代々医師の家系で、祖父、父、叔父、従兄弟も皆、医師になりました。私も小学生の頃の作文で「医師になる」と書いていましたね。祖父も父も循環器内科でしたが、私も大阪医科大学医学部に進学して、循環器内科で虚血性心疾患が専門の助教授・弘田雄三先生のもとで学びました。ですから自分も将来カテーテル治療を専門とする循環器内科医になろうと考えていたのですが、そんな中先生が突然亡くなられたのです。慕っていた恩師が亡くなってしまい、将来について悩んだのですが、その後の研修の中で心臓血管外科のダイナミックかつアカデミックな面に惹かれました。手先が器用だったので大阪医科大学附属病院の心臓血管外科に進みました。勤務する中で今度は救急に興味をもち、翌年、大阪府三島救命救急センターに移りました。

救命医療というと、一刻を争うとてもハードな現場だと思いますが。

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救命救急の現場はハードですが、自分もまだ20代で体力もやる気もありました。あらゆるものを吸収しようと思っていたので、いい経験になりました。三島救命救急センターでは自分が処置、手術を担当することが多い環境でした。脳外科、整形外科、消化器外科など、さまざまな手術を経験し、その中で技術を磨きました。当時、三島救命救急センターの所長代理をしていた福本仁志先生の影響で、血管に興味を持ち、忙しくも充実した日々を送っていました。その後、羽曳野市の城山病院で新たに心臓血管外科を立ち上げるのでついてこないかと誘われ、心臓外科の土田隆雄先生、循環器内科の嶋田芳久先生、私・古林圭一の3人で救急を含めた心臓血管センターを立ち上げました。その経験もまた、のちに当院を開業する際に役に立ちました。

技術だけでなく、患者の気持ちに寄り添った医療を

診察の際に心がけていることはどのようなことでしょうか?

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患者さんの話をよく聞いて気持ちに寄り添うことです。自分の専門分野について話すのは簡単なのですが、医師が技術や知識の提供だけで終わってはいけないと思うんです。患者さんは、自分の病状がわからないから医療の知識を求めて来るわけですが、医師は一方的に押しつけてはいけないと思います。だから、患者さんの希望やライフスタイルを聞いて、その中で治療方針を決めていきます。私だけでなく看護師や事務員ともお話ししてもらって、その内容も含めれば患者さんの思いや情報に漏れが少ないですよね。「医は仁術」という言葉があります。知識、これらのことは確かに大事ですが、人を生かすには心が一番大事なのではと思っています。

患者さんとのエピソードで印象に残っていることはありますか?

研修医の頃に診ていた大腸がんの患者さんですね。当時は医療チームの一番下だったので、毎日その患者さんの傷を洗浄していたのですが、「痛くて洗われるのが嫌だ、何も変わらない」と怒り出したんです。治療の説明不足、コミュニケーション不足が原因なのですが、当時は余裕もなくそういうことが起こってしまいました。そこで、その患者さんと、「自分は同じ立場や気持ちにはなれないけれど、でも近づきたいと思う」と腹を割って話したところ、翌日から治療に協力的となり、状態も好転していきました。その時に先ほどもお話しした恩師の弘田雄三先生の「患者を診る時は自分の母親だと思って診察しなさい」という言葉を思い出したんです。患者を診る、治すというのは、体を治すだけでなく心のケアもしていくこと、人を生かすことだと気づかされました。この、研修医の頃に出会った患者さんのエピソードは、その後の自分の人生にも深く影響しています。

今後の展望を教えてください。

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まずは「下肢静脈瘤」で困っている患者さんをできるだけ少なくしていきたいですね。それから、将来は老年医療に携わりたいと思っています。患者さんの最期を看取る、死に寄り添うということは倫理的な面も含めて大事なことだと思っています。人生の終末期をきちんと看取ることは、家族にとっても患者さんにとっても良いことではないかと思います。老年医療、在宅医療を地域で広げていきたいです。人間1人でできることは限られていて難しいですが、自分と気持ちを同じくする仲間を増やして取り組んでいきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

弾性ストッキングによる圧迫療法/3850円~
(※圧迫療法で使用する弾性ストッキングの料金)

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