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古林 圭一 院長の独自取材記事

梅田血管外科クリニック

(大阪市北区/梅田駅)

最終更新日:2022/01/27

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梅田駅から徒歩6分の場所に、足の血管が浮き上がってこぶのようになる、下肢静脈瘤に悩む患者に対応しているクリニックがある。それが「梅田血管外科クリニック」だ。院長の古林圭一先生は心臓血管外科が専門。基幹病院の心臓血管センターでは、心臓や大動脈のバイパス手術から足の末梢血管の治療まで行い、救命部門では一刻を争う状況を通して技術と知識を磨いてきたスペシャリストだ。「下肢静脈瘤に取り組む医療機関が少ない」と、2013年に専門のクリニックを開業したという院長から、治療にかける思いを聞いた。

(取材日2021年5月13日)

梅田に開業した下肢静脈瘤専門のクリニック

開業のきっかけを教えてください。

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もともと私は心臓血管外科が専門で、以前は城山病院心臓血管センターで勤務していました。地域の救急を担う病院のため、心臓や大動脈の手術から足の末梢血管の治療まで一手に引き受けていました。その中で、この血管外科領域でも「下肢静脈瘤」については専門家があまりおらず治療法が確立されていないのでは、と感じるようになっていたんです。多くの患者さんに正しい診断と、新しい治療の選択肢も含め、適切に治療を受けてほしいという思いも膨らんでいきましたので、梅田で下肢静脈瘤専門のクリニックを2013年9月に立ち上げることにしたんです。

下肢静脈瘤とはどのような病気か教えてください。

下肢静脈瘤は、脚の静脈の弁が壊れて血液が逆流し、血液がたまってこぶのように膨らむ病気です。初期症状ではだるさやむくみ、こむら返りなどが一般的ですが、症状が進行すると強いかゆみなどを伴う皮膚炎、色素沈着などが起きる方も。重症となる患者さんの傾向は、料理人や美容師など立ち仕事の人が多いですね。当院にいらっしゃる患者さんの割合は、男性1:女性2といったところでしょうか。女性の方が見た目も気になりますし、体調が悪いと早めに受診される方が多いですね。男性で料理人や美容師、会社経営者の方などはお忙しいのもありますし、「人に見られるところではないので、皮膚の色が変わっても平気」と悪化するまで受診されない方が多いですね。以前はあまり下肢静脈瘤が知られていませんでしたが、今では皮膚科の先生から当院へ患者さんをご紹介していただくことも多いです。

下肢静脈瘤の手術を多く行っておられるようですね。

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下肢静脈瘤を専門とするクリニックがあまり周辺に多くないため、当院に患者さんが集まってくるのではないかと思います。日曜日以外毎日手術を行っています。他院からの紹介も多いので、「病気だから手術しよう」と決心していらっしゃる方が多いようです。ただ、来院される患者さんの半分以上は、手術適応とはならない印象です。生活習慣からくるむくみの方が多いですが、ホルモン剤服用中や膠原病、リンパ浮腫の患者さんも受診されています。超音波で診察して、「これは血管疾患ではないですよ」と他の専門クリニックを紹介したり、対症療法をお勧めしたりしています。もし下肢静脈瘤だったとしても、すべてが手術となるわけではありません。患者さんのご希望によっては、弾性ストッキングによる圧迫療法などの対症療法をお勧めしています。

救命医療で技術を磨き、血管外科専門クリニック開業へ

下肢静脈瘤のほかには、どんな症状を診療していますか?

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リンパ浮腫や、足のむくみなどのお悩み、そして循環器内科として動脈硬化などの診療も行っています。リンパ浮腫には専門とする看護師も在籍しています。リンパドレナージ、リンパセラピーなど熱心に勉強をして取り組んでくれるので心強いです。循環器内科は父が手伝ってくれています。父は以前からボランティアスピリッツのとても高い人で、医師が不足するような大災害が起きれば、どこへでもすぐに駆けつけてしまいます。東北に災害が起きた時にも「明日から1週間、クリニックを頼む」と電話1本で出かけてしまいましたね(笑)。私は当時まだ勤務医だったのですが、上司の先生や同僚にお願いをして、仕事を交代してもらいました。父の気質を理解してくださっている先生方でしたので、快く送り出してくれて助かりました。

先生が医師をめざしたきっかけはどのようなことだったのでしょう?

古林家は代々医師の家系で、祖父、父、叔父、従兄弟も皆、医師になりました。私も小学生の頃の作文で「医師になる」と書いていましたね。祖父も父も循環器内科でしたが、私も大阪医科大学医学部に進学して、循環器内科で虚血性心疾患が専門の助教授・弘田雄三先生のもとで学びました。ですから自分も将来カテーテル治療を専門とする循環器内科専門の医師になろうと考えていたのですが、先生が突然亡くなられたのです。慕っていた恩師が亡くなってしまい、将来について悩んだのですが、その後の研修の中で心臓血管外科のダイナミックかつアカデミックな面に惹かれるように。手先が器用だったので大阪医科大学附属病院(現・大阪医科薬科大学病院)の心臓血管外科に進みました。勤務する中で今度は救急に興味を持ち、翌年、大阪府三島救命救急センターに移りました。

救急医療というと、一刻を争うハードな現場だと思います。

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救命救急の現場はハードですが、私もまだ20代で体力もやる気もありました。あらゆるものを吸収しようと思っていましたので、いい経験になりましたね。三島救命救急センターでは処置や手術を担当することが多い環境でした。脳外科、整形外科、消化器外科など、さまざまな手術を経験し、その中で技術を磨いてきました。当時、三島救命救急センターの所長代理をしていた福本仁志先生のもとで、忙しくも充実した日々を送っていました。その後、羽曳野市の城山病院で新たに心臓血管外科を立ち上げるお話をいただき、心臓外科の土田隆雄先生、循環器内科の嶋田芳久先生、そして私の3人で救急を含めた心臓血管センターを立ち上げました。その経験もまた、のちに当院を開業する際に役に立ちましたね。

技術だけでなく、患者の気持ちに寄り添った医療を

診察の際に心がけていることはどのようなことでしょうか?

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患者さんの話をよく聞いて気持ちに寄り添うことです。自分の専門分野について話すのは簡単なのですが、医師が技術や知識の提供だけで終わってはいけないと思うんです。患者さんは、自分の病状がわからないから医療の知識を求めて来るわけですが、医師は一方的に考えを押しつけてはいけないと思います。だから、患者さんの希望やライフスタイルを聞いて、その中で治療方針を提案していくようにしています。私だけでなく看護師や事務員ともお話しをしてもらって、その内容も含めていけば、患者さんの思いや情報に漏れが少なくなるかと思います。「医は仁術」という言葉があります。知識や技術は確かに大事ですが、人を生かすには心が一番大事なのではと思っています。

患者さんとのエピソードで印象に残っていることはありますか?

研修医の頃に診ていた大腸がんの患者さんですね。当時は医療チームの一番下だったので、毎日その患者さんの傷を洗浄していたのですが、「痛くて洗われるのが嫌だ、何も変わらない」と怒り出したんです。治療の説明不足、コミュニケーション不足が原因なのですが、当時は余裕もなくそういうことが起こってしまいました。そこで、その患者さんと「自分は同じ立場や気持ちにはなれないけれど、でも近づきたいと思う」と腹を割って話したところ、翌日から協力的になってくださったんです。その時に、弘田雄三先生の「患者を診る時は自分の母親だと思って診察しなさい」という言葉を思い出したんです。患者を診る、治すというのは、体を治すだけでなく心のケアもしていくこと、人を生かすことだと気づかされました。この研修医の頃に出会った患者さんのエピソードは、その後の自分の人生にも深く影響しています。

今後の展望を教えてください。

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まずは血管外科専門のクリニックとして、足のむくみなどの症状で悩む患者さんの最後の砦になるつもりで、これまで以上に努力を続けていきます。そして将来的には、老年医学にも携わりたいと思っています。患者さんの最期を看取る、死に寄り添うということは倫理的な面も含めて、大事なことだと思うからです。最近、友人とタッグを組み、少しずつ大阪市内にお住まいの方のご自宅や、障害児施設への訪問診療を始めました。今後さらに高齢者、終末期医療、障害児に対する医療を拡充していけたらうれしいですね。父のボランティアスピリッツには及びませんが、背中を追えるぐらいにはなりたいと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

弾性ストッキングによる圧迫療法/3850円~
(※圧迫療法で使用する弾性ストッキングの料金)

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