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宮内 智夫 理事長の独自取材記事

みやうち内科・消化器内科クリニック

(北足立郡伊奈町/羽貫駅)

最終更新日:2020/04/01

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埼玉県の伊奈町にある「みやうち内科・消化器内科クリニック」は、2013年秋の開業以来、地元住民の身近なホームドクターとして、体の不調を幅広く相談できる内科全般の診療を提供してきた。宮内智夫理事長は自身にもスタッフにも、「患者さんのために」の一言を厳しく課し、病気を少しでも早く見つけだして、重篤化する前に対処することにエネルギーを傾ける情熱の塊だ。千葉大学で医学博士を取得し、長い間大学病院や三次救急の現場で専門的な医療に携わってきたが、多くの外来患者と接することで一次診療の大切さを痛感して開業に至ったという宮内理事長に、これまでの歩み、クリニックがめざす医療のあり方などについて語ってもらった。
(取材日2019年12月27日)

重症患者の治療から初期段階の「病気を探す」役割へ

先生は消化器内科をはじめ内科全般の経験が豊富とのことですが、開業を意識したのはいつ頃ですか?

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開業する前、伊奈町の病院で働くようになってから、外来の患者さんを診る機会が増えて、それをきっかけに自分の中で考え方が変わったんです。それまでは大学や三次救急医療の現場で、重い病気で入院されている患者さんに対し、主に消化器内科の手技を行うことに専念してきて、医師としてやりがいを感じていました。そうした基幹病院の役割が重要であることは言うまでもありません。けれど、毎日たくさんの外来患者さんたちと接するうちに、病気にならないようにする、入院しなくていい体を保つための医療も、同じぐらい大事なんじゃないかと思えてきたんですね。もともと開業する気持ちはなかったのですが、そんな心境の変化が、内科の一次診療を担いたい契機の一つとなりました。

病気にならないようにする医療とはどんなものか、もっと詳しく教えてください。

一言でいえば、病気の見落としがない、包括的な医療を提供するということです。現在、当院の患者さんは内視鏡検査を受けに来られる方、高血圧や糖尿病などの生活習慣病で受診される方などが多いのですが、単に血圧だけを見るのでなく、もしほかにも病気があるならその場で探して見つけ出しておきたい。そうすれば、見逃していたらいずれ長期入院が必要になっていたかもしれない患者さんを、短い治療で済むようにできるかもしれません。これがさっき触れた一次診療の役割、病気にならないようにする医療だと思います。

患者に自覚症状がないような病気の危険性を、早期に察知するのは難しいですか?

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そうですね、しかし、そのためにできることはあります。一番は診療時間中に患者さんからなるべく詳しい情報を得ることですが、それには内科全般の知識が必要です。どんな病気が隠れているかわからないので、こちらに気づくだけの知識がなければ始まりません。僕は開業するまで、消化器系の中でも特に肝臓をメインとした治療に多く携わってきました。けれど、患者さんから見たら医者は医者、メインの臓器が何かなんてことは意識しないですよね。どんな病気だって診てもらえると期待しているはずで、それに対して、僕はできませんとは言いたくありません。当医院で対応できない病気については近隣の信頼する病院を紹介させていただきますが、病気を見つけられる知識だけはちゃんと持っていたいと思い、医師になってからも常にさまざまなことを勉強し、今も学び続けています。

限られた診療時間を1秒たりとも無駄にしないために

内科全般をカバーしている先生にとって、一番得意な分野を挙げるとしたら?

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得意だと言うのは少し気が引けますけれど、内視鏡に関しては、たくさんの患者さんに来ていただいている理由となっているようで、ありがたく受け止めています。患者さんのお声を伺うに、苦痛が少ない検査を心がけているのがいいみたいですね。痛みが出やすい大腸カメラも、痛み止めをほとんど使わずに済んでいます。苦痛を最小限にして細心の注意を払って見落としのない検査に努めているからだと思います。今まで大腸カメラだけでも2万件以上実施していますので、安心して検査を受けていただきたいです。現在、当院の内視鏡検査は数ヵ月先まで予約でいっぱいの状態で、もし緊急性のある患者さんがいた場合は、例外的に診療時間前からカメラを動かすこともあります。

普段の診療で患者と向き合う時、どんなところに神経を使いますか?

昨今の医療に対して“3分診療”という批判を耳にしますけれど、当院もたくさんの患者さんが来られる中、お一人あたりの診療が短くなったり、予約の時刻より遅れてしまうケースがないとは言えません。実際、比較的混んでいない日であっても多数の患者さんがいらっしゃるので、一人5分でさえ難しい状況なんです。待ち時間を少なくすることも常に課題ですが、診療だけに絞っていえば、何より大事なのは限られた時間をいかに有意義なものにするかだと思っています。最後の1秒まで絶対に無駄にしたくありません。ほんの数分の間であっても、問診のやり取り一つ一つ、待合室から患者さんの様子に目を配っているスタッフのコメントなども生かしながら、きちんと診てくれたと患者さんに思ってもらえるような密度の濃い時間にしたいですね。

患者から情報を得るのに苦労することもありますか?

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例えば問診では普通に気になったところをお尋ねしていきますが、あまりご自身のことを話したがらない方もいらっしゃって、そんな時はどうすればもっと患者さんについて知ることができるのか、その場その場で対応を工夫しますね。僕のほうで気づかなくちゃいけない立場ではあるんですけれど、もう少し情報をいただけたらもっと早く見つけられたのに、と後で思うこともあるので、多少しつこくなっても必要と判断したことはなるべくその場で聞いておくようにしています。時にはいろいろお話しいただいて、タバコを吸っているとわかったらきっぱり禁煙を勧めることもありますよ(笑)。

信頼するスタッフと一緒にこれからも

スタッフの働きぶりについて、どのような感想を持っていますか?

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見落としのない一次診療を自分たちに課すのは精神的に負担になることで、休憩する時間もほとんどないぐらいなのに、スタッフは本当によくやってくれています。多くの患者さんが当院を信頼して受診していただいている以上、その期待に応えたいという気持ちは僕もスタッフも同じだと思いますね。例えば内視鏡検査も、患者さんの様子を見て、この日に予定したいんですって僕より先にタイトなスケジュールを組んでくることもあります。今、ドクターは僕一人なんですが、それでも手を抜かない診療ができているのは、いつも僕をフォローしてくれるスタッフたちのおかげです。医院としては人数が多いほうでしょうが、今のチームには心から満足しています。

先生が考えるホームドクターとはどのような存在ですか?

要は医療のことを気楽に相談できる場所、ということではないでしょうか。患者さんからすれば、どこか体の調子がおかしいと思った場合、いきなり大きな病院に行って受診するのは、今の医療制度に合致しないことを差し引いても、ハードルが高いですよね。それに比べて、身近なホームドクター、かかりつけ医と言い換えてもいいですが、ハードルが高くないこと、相談しにくいとか緊張させられるような雰囲気がないこと、これが何より大事なんです。当院もめざすところはホームドクターにほかなりません。病気は当然しっかり診ますけれど、患者さんと医師の距離がぐっと近いというか、かなりフレンドリーに対応しますので、どうか遠慮なく何でもご相談いただきたいですね。

最後に、今後の抱負をお聞かせください。

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当院は確かな一次診療を提供するホームドクター・かかりつけ医でありつつ、診療自体においても、検査においても、そしてスタッフの仕事においても、大病院に決して引けを取らないレベルにあると自負しています。一方で今後クリアしたい目標も頭の中にあって、それには僕以外にドクターを増やさなくてはいけないかなと思うところもあるのですが、無理に大きくしてスタッフ間の連携を乱したくないから、まだ当分の間は一人でやっていくつもりです。今、長男が医師をめざして勉強中なので、例えば10年後、彼が一人前になって手伝ってくれる日が来るなら、そこからこの医院も新しい段階に移っていける気がしています。その時、僕は60代。そんな未来図をひそかに描きながら、これからもスタッフと頑張っていきます。

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