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徳田 衛 院長の独自取材記事

徳田クリニック

(名古屋市中村区/栄生駅)

最終更新日:2022/01/27

徳田衛院長 徳田クリニック main

栄生駅より徒歩5分にある「徳田クリニック」は、駅からの通りに商業施設や住宅があり通院に便利な立地にある。祖父の代から続く歯科医院であったが、「不器用だから」という理由で循環器内科の医師になったのは院長の徳田衛先生。現在は、同院2階で院長の父が歯科医院を続け、内科と歯科の連携が行われている。同院は、内科全般にわたった診療を行っている中でも、院長が循環器内科の医師であるので、狭心症や脳梗塞を発症する原因となる生活習慣病に特化した治療も行っている。重大な疾患を未然に防ぐために、正しい情報を理解してもらいたい、と話す院長に話を聞いた。

(取材日2017年8月3日)

歯科がある循環器疾患に特化したクリニック

医師になったきっかけを教えてください。

徳田衛院長 徳田クリニック1

もともとは、祖父の代から続く歯科医院なんです。祖父、父、叔父ともに歯科医師。そんな環境で育ったので、私自身も歯科医師になることをめざしていました。ところが、父から「お前は不器用だから、歯科医師に向いていない」と言われたのです。確かに父は、器用で服のボタンも自分でつけますし、壊れた物はきれいに直します。でも、私にはそれができなくて。歯科医師の作業は非常に細かくて繊細ですから、父に言われたことに自分でも納得しました。それでも、将来は医療には携わりたいと考える中で、子どもの頃通院していた小児科の先生を思い出しました。いつも笑顔で接し、泣いている子どもに丁寧に診察する先生が大好きでした。そんな医者になりたいと思い、医師を志すようになりました。

歯科医院がある場所で、内科も開業したのですね。

実は、父が目を悪くして歯科医師を引退すると決めたことが、ここで私が開業するきっかけでした。それまで私は、大規模病院で20年以上も勤務していましたので、いいタイミングだったということもあります。ところが、構想ができた頃に父が目の手術を受けたんです。歯科医院を続けたいと言われ、急遽変更して2階に父の歯科医院を残すことになりました。歯科と内科が同じ建物内で共存することで良かったことは、持病があり薬を服用している患者さんも、気軽に歯科治療を受けることができることですね。服用している薬の成分によっては、歯科治療に支障が出る場合もあります。患者さんの薬を適切にコントロールできるので、とても助かっています。

建物や院内の特徴を聞かせてください。

徳田衛院長 徳田クリニック2

まずは、外のスロープから診察室までバリアフリーであることです。車いすの患者さんにも不安なく来院していただくことができます。さらに診察室の出入り口を別々にして中待合室を作りました。これは、診察前に上着を脱いだり、診察後は着衣の乱れを直していただけるよう、特に女性に配慮したものです。基本的には全館統一の空調ですが、一室だけ別にしてある部屋があります。活用方法はさまざまですが、主にインフルエンザの感染予防のために使うことが多いですね。その場合は、この部屋だけで診察・検査から会計まで済ませることができるようにしているんですよ。また、診察室は奥にありますので、入り口に近いこの部屋で予防接種を行ったり、ベビーカーで来院される患者さんの場合にこちらの部屋を使ったりもします。

院内で検査して速やかに治療をサポートしていく

こちらでは普段、どんな気持ちで診療にあたっていますか?

徳田衛院長 徳田クリニック3

私自身は、今も悩んでいますが患者さんからは笑顔が増え話しやすくなったと言われます。確かに20年以上、勤務医をしてきましたが、日々多忙であり治療を待つ患者さんがたくさんみえたので、心に余裕がなかったと思います。開業することで、勤務医ほどの激務ではなくなり診察でも自然と話せるようになりました。専門は循環器内科ですが、いまは内科全般に診療をしています。かかりつけ医としてご家族まとめて診察することが私の夢でもありましたので、お孫さんを連れて来院されたり、体調に不安を感じるご家族のことで相談にいらっしゃったり、頼りになる医師として思っていただけたらうれしく思います。そしてスタッフの協力がとても大きいです。診療内容によっては待ち時間が長引くこともあります。そんな時に患者さんに声かけしてフォローしてもらえるのは、本当に助かりますね。

いろんな検査機器がありますが、こだわりはありますか。

循環器内科を専門としているので、ある程度の検査機器をそろえ、院内で検査して迅速に診断しています。何より体調の悪い患者さんに何度も来てもらうのは、酷ですよね。血液検査は約15分、24時間ホルター心電図は約5分で結果がわかります。結果から解析診断まで1回の診察で可能にします。そして取り入れているクリニックが少ないと思いますが、当院はエアロバイクをこいでもらって測る負荷心電図検査も積極的に行っています。この検査では、主に狭心症を見つけることができます。さまざまな機器を導入して、当院で疾患の早期発見をしたいと思っていますが、できることは限られています。CT・MRIなどの検査は近くの名鉄病院にお願いしています。私が以前勤務していた病院なので、先生方との連携が取れており、データも当院で確認ができるので、助かっています。

長期的な治療になる生活習慣病への取り組みについて教えてください。

徳田衛院長 徳田クリニック4

生活習慣病とは高血圧、糖尿病、脂質異常症などをいいます。症状が悪化すると、心筋梗塞や脳梗塞などを発症する原因にもなります。長期的な治療や服用を思うと通院もつらいものになるので、まずは患者さんに病気や治療方法に関して理解してもらうことが大事だと思っています。「生活習慣病」というだけにまずは、生活を見直すことも必要です。睡眠不足、偏った食事などは、体に良くありません。すぐに薬を飲んでくださいとはいいません。改善できることから始めていただけたらと思います。例えば、高血圧の方には「血圧手帳」を渡しています。自宅にて血圧・脈拍・体重を測定して記入してもらい、診察時に確認しています。体の変化がわかり適切な治療を行うことができます。これだけでも合併症を引き起こすリスクの確率は違ってきます。まずは、ご相談いただけたらなと思います。

予防医療に取り組み、循環器疾患の発症を減らしたい

地域医療など、積極的に活動されていることはありますか。

徳田衛院長 徳田クリニック5

周辺地区の老人会で、講演会をする機会を何度かいただいています。持病のある方、健康な方とさまざまですが皆さんとても熱心に聞いてくださいます。地域医療として貢献できていたらうれしいですね。また、今まで通院されていた患者さんが、病状の悪化で通院できなくなった時には訪問診療もしております。気軽に相談してほしいですね。また、医師同士のつながりとして地域の中核病院で、月に1回のペースで勉強会をしています。今までの経験や知識を若い医師に伝えていく機会をもらっています。お互いを知り必要な情報を発信して共有することで、自分の患者さんを安心して紹介できますし、患者さん自身にも診察や検査に行く不安を軽減することができます。こうした活動を続けていきたいなと考えています。

予防医療に対する考え方について、医師と患者で違いはありますか?

今後、予防医療については力を入れていきたいことですが、医師と患者さんとでは捉え方に違いがありますね。例えば、多くの方が会社や市の健康診断を受けると思いますが、「再検査」となった場合、ほとんどの方が「再検査=治療が始まる、薬を一生飲む」というイメージだと思います。だからクリニックに行きたくないと、ずいぶん我慢してしまう方もいます。これでは予防医療となりません。健康診断によっては数値基準が厳しいものがあります。その場合には、すぐには治療・薬の服用とはなりません。患者さんには、ここを知っていただきたいです。再検査を良いきっかけだと考えていただき、クリニックへは、治療や薬の服用が必要ない、予防のために行くというイメージに変えられたらと思います。

読者へのメッセージをお願いします。

徳田衛院長 徳田クリニック6

最近は、テレビやインターネットなど情報があふれているので惑わされる方も多くいます。正しい情報やご自身の状態は、医療機関へ行って医師に確認すると安心できる場合が多いですよ。生活習慣病となる前、予備軍で止まることで心筋梗塞など重大疾患になるリスクが軽減できます。年齢を重ねるごとに健診で異常があってもおかしいことではありません。早期発見であれば生活が激変することもありませんので、不安や不調が続く時には気軽に相談してください。患者さんと一緒に予防医療に取り組んでいけたらうれしいですね。

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