佐藤 広之進 院長の独自取材記事
白沢歯科クリニック
(名古屋市守山区/川村駅)
最終更新日:2024/04/12
ゆとりーとライン川村駅から徒歩1分、名古屋市守山区白沢町に「白沢歯科」は建つ。佐藤広之進院長は、精密検査により虫歯や歯周病のリスクを把握し、患者に合わせた治療と予防のプログラムを作成。それに基づいて治療からメンテナンスまでしっかり診ているという。力を入れているのは子どもの顎顔面矯正だ。上顎を中心に骨格を整え、体のバランスと健康を考えた治療法である。「もっと皆さんに知ってもらい、健康寿命を延ばすのが願い」と語る佐藤院長。子ども好きな院長とスタッフたちが満面の笑顔で出迎えてくれるクリニックだ。
(取材日2016年7月26日/情報更新日2023年5月16日)
健康な体のベースづくり「顎顔面矯正」に注力
待合室も診療室も広く、気持ちがいいですね。
2013年に開業し、2023年9月に10周年を迎えます。お子さんが多い地域がいいと思い、自宅から通える範囲でこの地域に開業を決めました。というのも当院の治療のメインがお子さんを対象とした矯正なのです。小児矯正は予防的矯正ともいわれており非常に大事なことです。大人の場合は永久歯をきれいに並べるための矯正ですが、子どもの場合は、小さいうちに歯の土台である骨格をきれいにしようという矯正になります。もちろんご高齢の方まで幅広い年齢層の患者さんがいらっしゃいますが、割合としてはお子さんが多いですね。4つある個室は患者さんのプライバシーに配慮するとともに、大人の患者さんでも子どもの声と離れて過ごしていただけるよう作りました。1つはファミリールームで少し広めになっており、親子で入っていただけますよ。また、2021年10月には敷地内に口周りの筋肉の強化を目的としたトレーニングスペースを開設しました。
こちらで行っている子どもの顎顔面矯正について教えてください。
口の中が乾燥して虫歯になったり病原菌を直接吸引したりするなど口呼吸の弊害が現在、言われています。原因は生活習慣や食生活、遺伝などいろいろですが、上顎の発育不全によって鼻腔が正しく広がらず、鼻呼吸ができていないこともあるんです。顎に問題があると歯並びや噛み合わせにも影響します。顎顔面矯正とは、そうした顎の骨や顔の骨格全体を矯正し、きれいな歯並びをめざすとともに健康な体の基礎を整えることにも期待できるものです。装置をつけて上顎にある骨の境目を広げ、歯の収まる空間を確保して正しい歯並びにしていくと、結果として鼻腔も広がり、鼻づまりなどの鼻呼吸不全の改善が期待できるんです。ワイヤー矯正は見た目の歯並びを美しくするのが目的ですが、顎顔面矯正は上顎を中心に顔面の発育不全をバランスよく矯正し、健康な体のベースをつくることを目的としています。費用はワイヤー矯正の2分の1ほどです。
何歳頃からできるのですか。またデメリットはありますか。
永久歯がすべてそろってからでは顔の骨格が完成されてしまい、その頃の矯正は抜歯などの外科手術を要することもありますが、顎顔面矯正は乳歯のある3歳頃からできますよ。成長にあわせて何回か装置を変えます。上顎に装着する急速拡大装置の他の装置を含めると装着期間は個人差はありますが約2~3年ほどです。デメリットは装置の取り外しが自分ではできないということ、最初はやはり装置の違和感があるということでしょうか。骨格のつなぎ目を動かすので、小さい子でつなぎ目がゆるければ痛くなく慣れるのも早いし、10歳ぐらいだと少し痛みがあったりしゃべりにくかったり慣れるのに1週間ほどかかるお子さんもいます。不安でしょうし患者さんそれぞれで違うと思いますので、納得していただけるよう、カウンセラーと歯科医師で詳しく時間をかけて丁寧に説明します。
院長もスタッフも子ども好き。「楽しく治療を」
先生はなぜ顎顔面矯正をしようと思ったのですか。
もともと子どもの矯正治療に注力したいと思っていたのですが、なかなか自分の思うように治療をしていくのが難しいと感じていました。床矯正はよく知られていますが、取り外し可能なので、ずっとつけている子はいいけれど、装置が嫌で外してしまう子は治療が進まないんです。そういう個人差が出ることや、目に見えてはっきり効果がわかることもないので、結局、二期治療で歯を並べる治療をしなくてはいけなくなってしまう。親御さんも出費がかさみます。それでいろいろな勉強会や講演会に参加していたのですが、そこで顎顔面矯正治療の普及に努めている黒江和斗先生の話を聞き、これは革新的だと感じました。また、黒江先生がいつも必ずおっしゃる「子どもたちの笑顔と輝く未来のために……」という言葉にも感銘を受けましたね。患者さんの一生を支えるものになると思い、講習会を受けて治療に取り入れるようになりました。
治療のやりがいはどんなところに感じますか。
やはり患者さんが笑顔になられるのが一番の喜びです。歯ががたがたで、口呼吸で夜もあまり寝られなくて眠そうでぼーっとした顔のお子さんがたまにいるんですが、僕は、彼らがそのまま大きくなったときのイメージができてしまうんですね。でも治療を始めて、そのイメージがいい方向に変わることを実感できると本当にやってよかったと思います。開業前は岐阜の歯科医院に勤務していたのですが、そのときの患者さんで今でもここに通ってきてくださる方もいますし、僕が岐阜のご自宅に訪問して引き続き見ているお子さんも何人かいます。やはりきちんと最後まで診させてもらいたいという気持ちと、親御さんからの要望もありましたので。治療が終わっても永久歯が生えそろう12歳頃まで経過観察が続きますので、患者さんとのコミュニケーションを非常に大事にしています。
子どもの患者が怖がることはありませんか。
中には怖がる子もいますが、「楽しくやろうね」と話しています。僕は4人きょうだいの次男で一番下の妹とは8つ年が離れていて、小学生の頃は妹をおんぶして遊びに行ったりしていました(笑)。上の男きょうだい3人で、妹をすごくかわいがっていたんですよ。そんな環境で育ったせいか、昔から子どもは大好き。当院のスタッフも皆子どもが好きだし、スタッフ同士仲がよくいつも笑顔でいてくれますので、院内も明るい雰囲気です。安心していらしてくださいね。
地域住民の健康寿命が延びることが願い
先生のプライベートを教えてください。
子どもは男の子2人です。騒がしいです(笑)。僕は子どもの頃ボーイスカウトに入っていてキャンプ生活になじみがあるので、今もテントを持って家族でよく山や川へ遊びに行きます。バーベキューで、最近はローストビーフを焼いたり小麦粉を練ってピザも焼いたりします。料理は結構するほうですね。子どもたちは昆虫をつかまえたり川で遊んだり、テントで寝るのも好きで楽しいようです。料理も手伝わせていますよ。とにかく都会と違う環境の中でゆっくり、のびのびできるのがキャンプの魅力です。
これからの展望についてお話しください。
当院のシンボルマークである「Salus」(サルース)とは、健康、安全、幸福、あいさつを意味します。ローマ神話において健康と繁栄をもたらす女神の名前で、当院の理念としてこの言葉を大切にしています。僕の願いは、この地域の皆さんの健康寿命が延びてほしいということ。90歳以上の方が定期健診に通ってきてくださるのですが、年を重ねても歯の健康を保つためにそうした方々が増え、定期健診が当たり前になるとうれしいです。人生は約80年。死ぬまで健康な歯と体で本来の寿命を全うする、そのために僕は、患者さんの家族の一員として治療をさせていただきたいと思っています。家族の健康は誰しも自分の願いですよね。患者さんの健康と笑顔が何よりの幸せですので、家族の一員として、患者さんが笑顔になられるように、これからも力を尽くしていきたいと思います。
最後に読者にメッセージをお願いします。
できれば、痛いから歯科医院に行くのではなく、痛くなる前に、また健康増進のために通ってほしいと思います。最近は、アレルギー体質やインフルエンザにかかりやすいなどの身体的な問題に対して、症状や感染を抑える手段が増えていますが、結局感染をする人はいるわけで、自分の体の環境はなかなか変えられないんです。それが小さい頃の歯の治療によって体の環境を健康に変えていくように取り組めるんです。将来の健康寿命にもかかわってきますので、僕たちのやっている顎顔面矯正治療をもっと知っていただきたいと思っています。お子さんが一生健康な歯と体でいられるよう、ぜひ親子で、家族で来ていただきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/31万9000円~、歯列矯正/46万円~、顎顔面矯正/46万円~