子育ての悩みも相談できる
助産師による出産から産後のケア
ベリエの丘クリニック
(稲城市/若葉台駅)
最終更新日:2022/01/28
妊娠中から分娩当日、そして産後まで、医師や看護師とはまた別の立場で母親をサポートする助産師は、医師には伝えにくいマイナートラブルをはじめ、小さな不安も相談しやすい頼れる存在だ。患者を「ゲスト」と呼ぶなど、特別感のある空間づくりを徹底している「ベリエの丘クリニック」でも、助産師は同院のホスピタリティーの指針に則りながら患者を支えている。助産師として2013年の開業時から同院で働く井田順子さんは、「出産がゴールという雰囲気もありますが、産んだ後からが本番」と語り、産後ケアにも注力。実際どんなサポートをしているのか、どんな思いで母親たちに接しているのか、院長の金栄淳先生と助産師の井田さんに話を聞いた。
(取材日2022年1月21日)
目次
ゴールではなくスタートになる出産。体のケアや子育ての不安など産後のさまざまな悩みも助産師がサポート
- Qこちらのクリニックの特色を教えてください。
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A
【井田さん】患者さまのことを「ゲスト」とお呼びしたり、入院退院ではなく「チェックイン・チェックアウト」と言ったり、院内で使う単語にも気を配り、病院というのを感じさせない雰囲気がまず特徴だと思います。心地良く過ごしていただけるように接遇にも力を入れていて、入職時に、すべてのスタッフが当院ならではの接遇について学んでいます。ほかの病院との違いに最初は戸惑うスタッフも多いんです(笑)。また役割の違うスタッフたちともコミュニケーションがとれるクラブがあり、院内のアットホームな雰囲気につながっていると思います。沐浴に使うガーゼに刺繍をしたりする手芸部や、大会出場をめざすランニング部などがあるんですよ。
- Q分娩の際に大切にしていることは何ですか?
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A
【井田さん】ゲストが希望したお産ができるように、導くところは導きながら、ゲスト主体で進められるサポートをしています。そして、赤ちゃんにとって人生最初の場面を、たくさんの人に愛されて迎えてほしいと思っています。特に当院は金院長が出産はみんなに祝福してもらうものという考えなので、ご家族だけではなく感染症対策をしっかり行ってお友達にも来ていただくことが可能です。全室個室ですので、人数制限はありますが、ほかの方を気にせず過ごせると思います。またスタッフ全員がゲストの希望にノーとは言わないようにもしていて、「できない」ではなく「どうすればかなえられるのか」と考えることも大切しています。
- Q妊婦さん・お母さんと接する際に気をつけていることは?
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A
【井田さん】出産を控えている方は普通に過ごしている時よりも繊細になっていると思いますので、威圧的にならないように笑顔で接することを心がけています。基本的に当院の助産師はみんな優しいですし、怒らないので安心してくださいね。また、当院では産後の相談も受けつけています。出産がゴールという雰囲気もありますが、産んだ後からが本番です。自分がイメージしていた以上の大変さが赤ちゃんのいる生活にはあると思います。泣きやまない、うまく母乳を飲んでくれないなど、助産師は出産前の相談よりも出産後の悩みや不安の相談を受けるほうが多いかもしれません。ですので、出産後のサポートも重要と考えています。
- Q産後のケアとしてどんな取り組みを行っていますか?
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A
【井田さん】赤ちゃんと一緒に参加するヨガやバランスボール講座などのクラスを設けて、産後の体のケアを行っています。またそれとは別に、お母さまたちがいつでも気軽に参加できる「メェメェの部屋」というクラスもあります。こちらは私が子育てをしていた時に、授乳やおむつ替えなどの心配から、赤ちゃんとの外出ができなかった経験をもとに発案して始めたものなんです。お出かけの練習として気分転換に来ていただいたり、気軽に助産師に相談したり、赤ちゃんの体重を測ったりと自由に過ごせます。そのほか、当院をホテルのように使っていただき、日中は保育士が赤ちゃんを預かり、お母さんにゆっくり過ごしていただく産後ケアも行っています。
- Q出産を控えている妊婦さんへメッセージをお願いします。
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A
【井田さん】当院では産後の各クラスで助産師への相談を受けつけていますし、診療でも妊婦さまのために助産師に相談できる時間枠を設けています。育児のことや母乳のこと、個別に母親学級をしてほしいなどさまざまな相談に乗っていますので、クラスでの相談と併せてご利用ください。また当院には、経験豊富なベテランの助産師がとても多いので、安心して任せてください。私たち助産師をはじめ、医師、看護師、そしてすべてのスタッフが、最高のお産になるようにサポートし、子育ても支えていきたいと思っています。産前はもちろん、子育てが始まってからも不安に思うことは多いと思いますので、遠慮なく声をかけていただけるとうれしいです。