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佐中 孜 院長の独自取材記事

メディカルプラザ市川駅

(市川市/市川駅)

最終更新日:2020/04/01

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江戸川を挟んで東京都のすぐ隣りが千葉県市川市だ。市川駅北口の目の前にあるスーパーマーケットの9階に「メディカルプラザ市川駅」がある。ここは、9階ワンフロアー450坪の面積に、13のクリニックを持つ大型の総合医療モールだ。廊下を進むとアジアンテイストの観葉植物で埋めつくされ、金箔の壁紙が貼ってある部屋があるなど個性的な内装になっている。佐中孜院長は東京女子医科大学医学部教授として、長年腎臓病治療、血液浄化療法などを行ってきた腎臓病の権威だが、慢性腎臓病患者の「透析回避」を目標に生活習慣病改善の重要性を訴えている。佐中院長に、慢性腎臓病や生活習慣病の改善について話を聞いた。
(取材日2015年8月31日)

生活習慣病の改善を指導し、透析療法の回避をめざす

先生のご専門は透析ですが、透析患者は増えているのでしょうか。

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現在ここでは、透析患者さんは53人です。全国的には30万以上の透析患者さんがいますが、医療技術の進歩で、これからは患者さんは減って行くと思っています。慢性腎臓病の患者さんの病状が進んでしまうと、透析をしなければならなくなります。透析に至る原因は、生活習慣病と言ってもよいと思います。糖尿病や高血圧、動脈硬化などの生活習慣病が進むと、最終的には透析療法をしなければなりません。透析にならないためには、健康診断などで異常がないかチェックし、まずは生活習慣病の入り口である糖尿病やメタボリックシンドロームなどにならないようにすることです。生活習慣病には、痛いとかかゆいとかの自覚症状はありません。だからといって、放っておいては大変なことになります。自己管理が大切です。糖尿病になってしまった人は血糖コントロールに気をつけること。高脂血症や高血圧の人は、運動する、食べ過ぎをやめ肥満を防ぐことが重要です。これが、なかなかできていません。医療側からも、患者さんへ積極的に働きかけなければならないと思います。気をつけていれば透析にはならないのです。患者さんに自覚してもらうことが大事です。

患者さんにどのように指導しているのでしょうか。

私は、慢性腎臓病の患者さんが生涯透析療法をしなくて済むよう、透析療法回避をめざしています。そのために、いろいろなところで、3ヵ月に1回は透析回避セミナーや公開講座などをしています。また、医療関係者向きに「慢性腎臓病透析回避塾」という、慢性腎臓病の患者さんが透析療法にならないようにするための研修会を主催しています。これまで3シーズンを開催しました。1シーズンはパート1からパート4までありますので、全部で12回開催しています。来てくれた人からは少しずつ成果が出ていて、透析回避を実現している患者さんが増えてきています。また、クチコミで少しずつ受講する人も増え、シーズンを益す毎に会場を拡大してきています。

こちらの透析のやり方に特徴はありますか。

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今、取り入れているのはオンラインHDFという新鋭の透析療法です。HDFというのは血液濾過透析のことで、血液透析(HD)と血液濾過(HF)を同時に行う治療法です。HDF療法では、補液をして普通の透析療法よりも血液濾過をたくさん行います。メリットとしては、透析療法だけでは難しい低中分子タンパクなどの老廃物を取り除くことができることです。このHDFにはオフラインとオンラインの2通りの方法があります。オフラインHDFは瓶や補液パックに入ったものをそのまま使う方法なので補液量はどうしても限られます。それに対しオンラインHDFは、透析液を大量に補液できるようにした方法です。そのためには病原微生物や菌体毒素を完全に除去された超清浄化透析液を準備する必要があります。私達はこれを新鋭の機械設備を用いて自前で作成しています。その結果更に多くの老廃物を取り除くことができるようになりました。通常の透析方法ですと、水分除去スピードを制御できずに急激な血圧低下を起こしてしまったり、逆に高血圧になるなど体へのダメージがあります。しかし、このオンラインHDFという生体の働きに近い方法を行うことで、患者さんの体への負荷の軽減と血液の浄化を実現できています。

独自の食事療法で腎機能の回復をめざす

先生の独自の治療法というものはありますか。

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生活習慣病内科では、私が名付けた「分子栄養植え付け療法」という療法を行っています。慢性腎臓病の患者さんに、日本腎臓学会のガイドラインに沿って食事療法をするのも重要ですが、それだけでは十分な効果は出ません。慢性腎臓病の通常の食事療法は、低タンパク質・減塩食です。低タンパク質でもタンパク価の高い食材を選ばないといけません。そこで、通常は卵を食べれば栄養価がいいと指導しますが、卵に含まれていないアミノ酸で重要なものがたくさんあります。そういうものを加味して、食材をきちんと選ぶことが大切です。「分子栄養植え付け療法」という名前ですが、慢性腎臓病の状態を火事にあって燃えつきた家にたとえています。家が火事にあって燃えてしまった場合、家を新たに建てるには、まずブルドーザーなどで土地を整地しなければいけません。慢性腎臓病も、整地しベースを作る必要があります。このブルドーザーの役目をするのが低タンパク食です。整地後にはちゃんと、必要なものを一つ一つ植え付けなくては家は建てられません。慢性腎臓病の場合は、この必要なものとはそれぞれ役割を持った栄養素ですので、この名前を付けました。

この治療法でどんな効果がありましたか。

一つひとつ栄養を植え付けることでいい結果が出てきて、透析療法にならないようになっていきます。この療法を続けることで、人によって、または時期によっては、腎機能が元にもどり、回復することもあります。回復はしなくとも、現在の病状が維持できれば、つまりそれ以上病状が悪くならなければ、透析療法を回避することができます。そこまではいかなかった人でも、通常なら入院して透析をしなければならない患者さんが、入院せず週1回の透析で済むことがあります。従来は透析を週3回やらなくてはいけないものが、週1回に減ることで、生活の質も変わりますし、透析を受けていても食事制限が軽くなるという利点があります。勿論、先の述べたオンラインHDFが透析頻度の軽減に大いに役だっているのも事実だろうと思います。

患者さんと接するときにどんなことを心がけていますか。

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医療というのは、医師だけでなく看護師などコメディカルすべてが、患者さんがいて医療が成り立つ、つまり「患者さんあっての医療」ということを絶えず念頭において、患者さんと接することが大切です。私個人としては、慢性腎臓病の患者さんを透析患者にしないというのがライフワークになっています。日々慢性腎臓病の患者さんを診ていて、透析しない状態が伸びていくことが非常にうれしいのです。患者さんを診ていないときも、いろいろと考えて工夫する、勉強することで、常に治療方針がブラシアップされていきます。私が実施している慢性腎臓病の治療法は当然1年前と今日とでは、まったく違って、どんどん進歩しています。それだけ、日々勉強しますが、それを楽しんでいます。診療自体がとてもいい刺激になります。

特色ある専門化した医療を提供

先生が医師をめざしたきっかけは何でしょうか。

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父の実家が鳥取県の境港市で、小学生の頃は家から5分位で行ける海で遊んで真っ黒になるなど、のんびり過ごしまし、さすがに高校3年生の受験のときは東京にいましたが、ふるさとに帰るのもいいかなと思って鳥取大学医学部だけを受けました。受験したら運よく最初の英語の試験問題に、イギリスの元首相のチャーチルさんのエッセイが出てきました。以前読んだことがある内容だったので、すっかりリラックスしてしまいました。おまけに数学の問題も自分が見たことがあるような印象でしたので、私はあがり症ですが、そのまま受かってしまいました。

メディカルプラザ市川駅の特徴は何でしょうか。

治療方針としては、総合医療をめざしています。医療モール内のクリニックには、内科も循環器内科や生活習慣病内科がありますし、外科も整形外科以外に、形成外科・美容外科・美容皮膚科、心臓血管外科、乳腺外科という特徴のある診療科があり、高度な専門医療を受けられます。私は、いろいろな専門家が集まっている、中国の『水滸伝』の中の「梁山泊」のようなところだと思っています。また特徴ある治療法として、心臓血管外科では、自由診療ではありますが、下肢静脈瘤レーザー治療で、下肢静脈瘤の手術を行っています。女性に多い病気ですが、下肢の浮腫というのは、なかなか人に言えない悩みです。浮腫というと腎臓と思って腎臓内科へ行ってしまう人がいますが、下肢静脈瘤による浮腫が結構多いのです。今まで我慢していた人が、その必要がないことがわかったのは大きな利点です。

患者さんへのメッセージをお聞かせください。

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この医療モールでは、保険診療と自由診療が独立して運営されています。各クリニックには、確かなコンプライアンスのもとで、保険診療だけではまかなえない部分を実施できるキャパシティーがあります。ここには、患者さんとの話し合いの中で、総合的、全人的な診療ができる環境があるという事になります。同じフロアに「健美齢」という施設があり、医師の指導の下、鍼灸、カイロプラクティック、気功、アロマテラピー、ヨーガ療法、漢方療法などを行っています。透析患者さんには、透析日以外の日に気功、ヨーガ療法、鍼灸などを勧めています。率直に申し上げて、まだはっきりした効果は出ていませんが、患者さんにとって、そういう施設がクリニックの近くにあるのはとても喜ばれていると思います。また、美容外科による皮膚のケアを含めた心身の若返り、スポーツで生活習慣病を克服するスポーツ医学などの特色もあります。整形外科では、疼痛に対する血管内療法を行っています。カテーテルを使用して、疼痛の原因になる血管を閉塞させて、余分な血液が流れないようにする治療法で、かなり効果をあげています。患者さんからは痛みがなくなったという、うれしい声がたくさん寄せられています。

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