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山内 道士 院長の独自取材記事

山内メンタルクリニック

(尼崎市/武庫之荘駅)

最終更新日:2020/04/01

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武庫之荘駅から徒歩2分という好立地にある「山内メンタルクリニック」。2013年6月に現在の場所に開業し、心療内科と精神科のクリニックとして、心の病気によるさまざまな症状の治療を行っている。院長の山内道士先生はこれまで精神科でさまざまな経験を積んだドクター。精神分析学について5年間の勉強会に参加し、そこで培った知識と、これまでの経験を生かして一人ひとりの患者に適切な診療を提供している。「患者が求めるものを理解し、精神科の医師として役に立つことは何かを考え、選択肢を提案する」ことをモットーとする山内院長に、精神科医師をめざしたきっかけから診療において注力している点など、さまざまな視点からじっくりと話を聞いた。
(取材日2018年11月29日)

精神科の医師として多くの経験を積み、満を持して開業

精神科の医師をめざしたきっかけや、これまでの経歴をお聞かせください。

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高校時代に自分自身が悩みを抱えていた時期があり、その経験を生かせたらと思ったのがきっかけでしょうか。心の悩みを持つ人を助けたいという気持ちで医学部に入りました。その後もいろいろな葛藤がある中で、大学病院で働き、大阪で精神分析の勉強会に参加して、あるご縁で知り合った東京の先生にお誘いいただき、関東の病院で働きながら、東京で5年間、精神分析学の専門的な勉強を続けました。さらに今度は神戸の精神分析を専門とする先生とのご縁があって明石の病院に移り、勤務医をしていました。開業を考えていた頃、学生時代の友人に開業を勧められて、2006年に彼が院長、自分が副院長という形で尼崎で開業。診療をしていくうちに個人で独立したいという気持ちになり、5年前にこの場所にご縁があって開業したという流れです。

患者層はどの年代が中心ですか?

精神科や心療内科の診療を必要とする世代は、サラリーマンや学生といった若い世代が比較的多いです。しかし、80歳のうつ病の方も来院されています。最年少は高校生ですね。中学生で受診を希望する方もいらっしゃるのですが、詳しい検査を必要とするときに、当院で行うことは難しいため、未成年であれば、高校生から受診を受けつけています。

診療に取り入れているという精神分析的心理療法とは?

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「精神分析」を基本に、初診で40分から50分ほどの時間を取って、ゆっくりとお話を伺いながらその人のバックグラウンドを理解していくという方法です。精神科では症状だけを聞いて薬を出すこともあるのですが、精神分析的心理療法では症状のもつ意味を明らかにしようとします。例えば同じ「うつ」でも、「うつ病」と神経症性の「うつ状態」は異なるものです。神経症性のうつ状態であれば、背景に強迫的な性格傾向があることが多く、薬もその視点から選び提案します。現在の問題は、過去の親子関係の影響を受けている場合が多いため、初診では、その方の親子関係から現在に至るまでの人生についてお話を伺います。初診で深くお話を伺うため、再診では短い時間になります。その後、2週間に1、2回の頻度でお会いすることで、初診で得た理解を生かした診療を行っています。

患者のニーズを理解した上で診療を進めていく

診療の上で心がけていることはありますか?

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基本中の基本である、適切な診断をまず行うということです。精神科では心の病気を診療しますが、その前に体に問題はないか確認した上で、患者さんが望んでいることは何なのかを考えます。患者さんが求めるものは一人ひとり違い、精神分析的心理療法で話を聞いてほしいという人もいれば、薬物療法を中心にしてもらいたいという人もいる。患者さんの望みを理解し、それに対してできること、精神科の医師として役に立つことは何かを考え、薬物療法や精神療法を提案していく方針です。仮に患者さんが望んでいるものが診断書だったとしても、その奥に「治したい」という気持ちを持っていることがあります。その気持ちを見逃さずに引き出すことも大切だと思っています。

患者との関係やコミュニケーションが重要なのですね。

そうですね。ただ、コミュニケーションがすべてというわけではありません。例えば患者さんとお話をした上で質問をし、それ以上ふれてほしくないという様子であればその先にはふれず、大丈夫そうであれば話を進めていくのですが、患者さんのニーズを理解した上で診療を進めるにあたり、コミュニケーションや患者さんとの関係性はとても重要です。しかし、あまりにコミュニケーションを大事にし過ぎると、患者さんの気持ちを考慮しすぎて、正確な診断ができないという場合があるのは良くないことです。適切な診断に沿って、適切な距離を保つ必要があります。精神分析的心理療法を導入していますが、関係性を重視しすぎないようにしています。

クリニックは予約制だと伺いました。

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初診で時間をかけてゆっくりとお話しすることが第一なので、初診では十分な時間を取っています。そのため、初診の枠は、完全予約に近い予約制にしています。タイムスケジュールを組んでスムーズに診療が行えるように予約制を取っているのは、当院の特徴の一つですね。事務長と予約の管理をし、話し合ってスケジュールを組み、そこからスタッフへと連携しています。2回目は初診よりも短い時間で、緩い予約制ですが、できるだけ、お待たせすることなく診療を進めるには、予約のタイムスケジュールはとても重要です。

悩みを伝えることは、病気を治そうとする第一歩

精神科の受診に対し不安な方も多いという印象ですが、そういった方にはどのようなお話をされるのですか?

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自身の経験からも、患者さんが不安であること、苦しんでいることはよくわかるのです。そのため患者さんには、「親や周りのことよりも自分の素直な気持ちを優先していい、言葉にしていい」とお伝えしています。というのも、心の問題は過去の親と子の関係が影響している場合が多く、親の言うことをよく聞くことが良いことだと育った方は、こうあるべきだ、ちゃんとしなければいけないと自分の気持ちを後回しにしてしまいます。我慢したほうがいい、悩みがあっても人に相談しないほうがいいと考えることで、「どうなりたいか」よりも、ちゃんとできるかどうかといった異なる方面に不安を感じてしまいます。そのため、心の健康のためには「親離れ」はいいことですし、「自分はどうしたいか」を優先していい、自分の気持ちを言葉にしていいとお話ししています。また、精神科に足を運びづらい方にも精神分析の考えが役立てばと思い、ブログにも綴っています。

精神科医師として診療を行う上で、どんな時にやりがいを感じますか?

診療を終えて、「ありがとうございました」と患者さんに言ってもらえる時は、医師をやっていて良かったと、感じる時です。実は、最初に受診した時に「難しいな」と思った患者さんが、その後に変化が見られるということは少なくないのです。また、一旦中断した方、「薬だけでいい」とおっしゃっていた方が、「話を聞いてほしい」と受診される場合があります。そのような患者さんに良い変化を感じられた時は、とてもうれしいです。私の診療を通じて、患者さんに良い変化を与えられることは、医師としてやりがいを感じますね。

今後のクリニックの展望と、読者へのメッセージをお願いします。

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自分の学んできたこと、経験してきたことを今後も変わらず患者さんに還元していきたいです。「継続は力なり」といいますので、まずは継続を。その時は難しくても、何年か後に変化が出る患者さんもいらっしゃいますので、継続することは、患者さんへのメッセージにもなると思っています。患者さんに対しては、まず一人で悩まず相談してほしいということ。相談しない人は、そのたまった思いが症状として出てしまいます。伝えようという行動自体が治療につながりますので、患者さんが奥さんであれば、ぜひ旦那さんと医者に頼ってください。周りの人や医者に頼ってもらえれば、きっとうまくいくはずです。

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