耐久性と審美性に優れた素材で
機能向上をめざすセラミック治療
しろくま歯科医院
(入間市/入間市駅)
最終更新日:2023/09/26
- 自由診療
虫歯や歯周病などで歯を失った場合にかぶせ物や入れ歯などで補い、口腔内の形態、機能、審美性の回復を図る補綴治療。保険診療と自由診療では、治療に使える素材が異なり、自由診療で使えるセラミックは耐久性があり汚れがつきにくいなどのメリットも多い。特に保険診療で使われる金属にアレルギーのある人にとって、セラミックは健康を害さないためにも推奨される選択肢だ。「10年後、20年後を見据え、より良い状態でより長持ちする治療を意識しています」と話す「しろくま歯科医院」の白根裕司院長は、クリニックのコンセプトに沿ったセラミックの修復治療を開業当初から積極的に取り入れてきた。セラミックを専門に扱う歯科技工所との連携で質の高い治療に努める「しろくま歯科医院」で、セラミック治療をレポートした。
(取材日2023年8月28日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qセラミック治療のメリットを教えてください。
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A
自由診療のセラミックにはランクがあり、詰め物にもいろいろな種類がありますが、高い耐久性と審美性が大きな特徴です。保険診療の場合、詰め物はCR(プラスチック)か金属、かぶせ物はCAD/CAM冠か金属が使われますが、セラミックであれば金属アレルギーを発症する心配はありません。プラスチックは白い素材ではありますが、吸水性があるため劣化は防げません。物性の変化でイオンが溶け出すなどして健康に影響を及ぼす可能性もあります。そういった心配がなく、半永久的に色味の変化がなく長持ちするという点がセラミックの良さでありメリットになります。
- Qセラミックにはどのような種類があるのですか?
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A
セラミックにはオールセラミック、ジルコニアなどの種類があり、それぞれ強度や耐久性、見た目が異なります。費用面でも違いがありますが、当院の場合はジルコニアを希望される患者さんが多いですね。通常のジルコニアは審美性にやや劣りますが、外側をセラミックにすることもできますし、マテリアルは年々進化していて年を追うごとに良くなっています。また、ジルコニアはオールセラミックよりも強度に優れ、奥歯のクラウンやブリッジにも使用されています。汚れがつきにくく虫歯のリスクの低減が期待できる点も大きな特徴です。やはり歯科素材は、体に良くて長持ちする素材が一番です。患者さんにもご満足いただけると思います。
- Q治療後の定期的なメンテナンスについて教えてください。
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A
患者さん一人ひとり、小さい頃からの歯の磨き方に癖があって、その歴史の積み重ねで虫歯になっているわけですから、良いかぶせ物や詰め物を入れてもまた同じ癖によって虫歯になる可能性があります。他の虫歯になっていない歯も含めて、良い口腔環境を維持し改善していくためにはメンテナンスが大切です。お口の中はトータルで一つですから、治療したのは虫歯になった歯だけだったとしても、奥歯がしっかりしていないとかぶせ物をした歯も長持ちしません。歯磨きの癖、ケアの仕方など生活習慣によってリスクが違いますから、その認識を持ってご自宅でもケアすることが大切です。常に口腔全体を良い状態にしておくためにもメンテナンスは重要です。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1検査・口腔内のチェック
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セラミックのかぶせ物をした後の歯茎の状態を想定し、口腔内の状態、生活習慣、体の状態を確認。個々の患者一のリスクを把握することからスタートする。口の中の状態、他の歯や歯茎の状態、歯周病の有無などを把握するだけでなく、体の状態の確認も重要。糖尿病や免疫力の低下などで、口の中の健康を維持できるリスクも変わってくるからだ。エックス線撮影装置や歯科用CTを用いて口腔状況の検査を行い、診断、治療へと進む。
- 2治療方針・治療計画の策定
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検査で口腔内全体のリスクを把握した後、治療方針を決定。患者に口の中の状態を説明し、予算や治療期間など患者側の希望とすり合わせて治療計画を立案する。最もリスクが高いと思われる箇所から治療を始めていくが、口腔内の機能は、全体のバランスで成り立っているため、治療する歯だけでなく、治療しない歯もトータルで診ていく。持病の有無や服薬などは必ず確認し、必要があれば医科との連携を取り最終的な治療計画を決める。
- 3詰め物・かぶせ物の作製
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人によって噛む力は異なり、歯の形には男女差もあるため、審美性と耐久性を含め患者一人ひとりに適したマテリアルを選択。同院では、セラミック専門の歯科技工所と連携しており、歯科技工士と相談して素材を選ぶことで、より質の高い補綴物の作製に努めている。見た目の美しさだけでなく、噛みやすさや長持ちすることが望めるかなどの機能面を重視。歯の型採りの後、詰め物、かぶせ物の作製に入る。作製に要する時間は約1週間。
- 4完成した詰め物・かぶせ物を装着
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詰め物・かぶせ物を装着する治療時間は約30分。全体の治療が完了するまでの期間は約2週間が目安になる。その後、1週間ほど経過を見ながら実際の使用感や機能を確認してもらい微調整を行う。セラミックの場合、表面がツルツルとしているため、毎日の手入れがしやすく、汚れが取れやすいため虫歯リスクを減らすことが期待できる。また、 他の歯と調和の取れた自然な色味の再現が望めるのも、セラミックのメリットだ。
- 5アフターフォロー・メンテナンス
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歯の治療後、定期的なメンテナンスを行うことで虫歯や歯周病の再発予防につなげていく。口腔内の状態によって1ヵ月に1度、あるいは3ヵ月に1度のペースで通院し、メンテナンスも兼ねて清掃ができているかをチェック。「少なくとも4ヵ月から半年に1度は受診してチェックをしてほしいですね」と白根院長。同院では受診率の向上を図っている。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックの詰め物/3万3000円~、セラミックのかぶせ物/8万8000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。