服部 理志 院長の独自取材記事
駒込歯科クリニック
(北区/駒込駅)
最終更新日:2025/10/30
駒込駅から徒歩5分、田端駅から徒歩8分。のどかで下町情緒あふれる田端銀座商店街に位置する「駒込歯科クリニック」。マンションの1階で、えんじ色がアクセントになっている外観が目を引く。院内はバリアフリー仕様になっており、5台の診療ユニットのうち2つは個室仕様で、ベビーカーがそのまま入室できる造りになっている。服部理志(はっとり・ただし)院長は、「患者さんに笑顔で帰っていただけるよう、またリラックスして診療を受けてもらえるよう工夫を凝らしています」と言い、口腔内カメラを使用したわかりやすい説明を心がけている。2024年に光学印象を導入し、さらに診療の幅を広げた服部院長に、同院の診療の特徴について聞いた。
(取材日2025年6月25日)
地域の幅広い年齢層の患者が訪れる
2012年の開業以来、地域の幅広い年齢層の患者さんが訪れるそうですね。

この周辺の下町風情が気に入って、住まいを持つとともに、この地で開業しました。以来13年以上たちますので、公私ともにすっかりなじんでいます。田端銀座商店街で買い物をしていると、患者さんに声をかけられることもしばしばですね。患者さんの年齢層は幅広く、3、4歳くらいのお子さんから高齢の方までいらっしゃいます。3世代で通ってくださるケースも少なくありません。基本的にはこの地域にお住まいの方が多いですが、以前の職場からの紹介でいらっしゃる患者さん、他の地域に引っ越した後も通い続けてくださる患者さんもいらっしゃいます。院内はバリアフリー設計で、個室の診察室にもベビーカーが入れるようになっています。ですから、お子さん連れのお母さんも通院しやすいですし、造りも広いので周りを気にせず、治療に専念してもらえると思います。
子どもの患者さんも多いそうですが、治療で心がけていることは?
お子さんの口にいきなり治療器具を入れるようなことはせず、最初はお話から始めて、少しずつ雰囲気に慣れてもらうよう心がけています。小さい頃から歯科医院に通い、それが習慣になると信頼関係ができ、お子さんでも怖がらずに、お口の中をよく見せてくれるようになるものです。そうすると、いざ虫歯などが見つかって治療となっても嫌がらず、「一緒に頑張って治そうね」という雰囲気になるものです。開業して13年たちましたので、開業当初小さかった子がもう中学生くらい。地域のお子さんたちの成長を親御さんと一緒に見守らせていただいている感じです。
診療にあたって心がけていることはありますか?

患者さんに、ご自身のお口の中の状況を正しく知っていただこうと、口腔内カメラで撮影しながら、大きなモニターで見ていただけるようにしています。どこがどう悪いのか、これからどのように治療していくのかをご説明し、納得して進めていくことが大事だと考えています。ご自身でお口の状況を理解することで、きちんと治そうとか、良い状態を保ちたいというモチベーションにもつながるので、患者さんのためになっていると思いますね。また、歯科治療というのは外科的な処置が多く、患者さんにお口をゆすいでいただくほかにも、治療しながら口内を水で流しているのです。その中にはどうしても血液や菌が混じるので、配管自体が汚染されやすいんですね。時に感染症を引き起こすようなリスクもあり得るため、当院では滅菌対策にも力を入れています。
歯型の採取に光学印象システムを導入
具体的にどのような滅菌対策を行っていますか?

次亜塩素酸を含む電解機能水を使っています。次亜塩素酸はノロウイルス対策にも使われるもので、人間の体内で免疫担当細胞として働く白血球が、進入してきた微生物を殺菌する過程で生成される成分です。これが菌をくるみ分解してくれるのですが、電解機能水でもこの機能が生かされています。内科で採血などする際は、必ずアルコール消毒してから針を刺しますよね。同様に歯科治療する際も、汚れた水ではなく、滅菌された水を用いながら行うべきと考えています。電解機能水を使うことで、治療中の口腔内をできるだけ清潔な状態に保つことができると考えています。
新たに導入された光学印象についても伺います。
2024年に導入した光学印象は、従来の型採り方法に代わる、デジタル技術を用いた先進の歯型採取システムです。従来の歯科治療では、患者さんの歯型を採る際に型採り材を使用し、それを石こうに流し込んで模型を作製していました。その後、その模型をもとに歯科技工所で詰め物やかぶせ物を製作していましたが、型採り材や石こうはわずかながら変形する可能性があり、これらが最終的な補綴物の精度に影響を与えることがありました。しかし、光学印象の導入によりこのプロセスが大きく変化したのです。光学印象では、口腔内を直接スキャンすることで、歯の形をデジタルデータとして精密に読み取ります。このデジタルデータを直接歯科技工所に送るため、型採り材や石こう模型作製に伴う誤差が大幅に削減されるようになりました。
光学印象は、患者さんにどのようなメリットがありますか?

従来の型採りのように、口の中に型採り材を詰める不快感や吐き気を伴うことがなく、患者さんの負担軽減に役立っています。また、この技術が保険適用になったことも、導入を決める大きな後押しとなりました。現在、光学印象はCAD/CAMインレー、CAD/CAM冠と呼ばれる保険診療の白い詰め物やかぶせ物の作製に活用されています。このほか保険適用外のジルコニアなどの修復物を作製する場合にも使用可能です。ですが、当院では現在も従来の型採りによる治療も引き続き行っています。光学印象は歯を削り出して作る特定の補綴物に限定されるため、鋳造して作るかぶせ物などは従来の型採りが必要となるのです。患者さんの口腔内の状態や治療内容に応じて、最適な方法を選択し提供していきたいと考えています。
失った歯を補うインプラント治療に力を注ぐ
注力している治療について教えてください。

近年はインプラント治療に力を入れています。私自身、さまざまな勉強会に参加し日々研鑽を積んでいます。難易度の高い症例は専門の先生にお越しいただき、一般的なケースは私が担当しています。インプラント治療は、失われた歯を補うための手段としてとても優れた治療法です。特に奥歯を失うと、噛み合わせのバランスが崩れ、ほかの健康な歯への負担が増加し、最終的にはお口全体の崩壊につながる可能性があります。奥歯は食べ物をすり潰す上で非常に重要な役割を担っています。これらの歯が4本しっかり機能していることで、お口全体のバランスが保たれ、ほかの歯を守ることができます。奥歯が失われると、噛み合わせの力が前歯などにかかり、ほかの歯にも影響を及ぼすことがあります。そのため、奥歯を失った場合は、インプラント治療が非常に有用であると考えています。
奥歯を失った場合、インプラント治療が第一選択肢となるのでしょうか。
それはケースバイケースです。例えば、歯ぎしりが非常に強い方などは、インプラント治療が難しい場合もあります。そのほか、口腔ケアが十分にできていない場合、骨の状態や全身疾患などにより、インプラント治療が難しいこともあります。その際は、事前にしっかり説明させていただきます。インプラント治療は、手術が終われば終わりではありません。インプラントを長持ちさせるためには、継続的なメインテナンスがとても大切です。お口の中の噛み合わせは常に変化するため、当院では少なくとも年に1回は検診にお越しいただくことを推奨しています。インプラントの状態を良好に保つためにも、3〜4ヵ月に1度のペースでメインテナンスにお越しいただきたいと思っています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

当院は2012年の開業から今日まで、日頃から患者さんとの信頼関係を大切にしてきました。毎年開かれる田端銀座商店街の盆踊りでは、お子さんたちにおもちゃを配る活動を続けています。これは「あそこの歯科医院でおもちゃをもらったよ!」と、子どもたちの心に残る思い出をつくりたいという思いから始めたものですが、地域の方々にクチコミで広がり、毎年たくさんの子どもたちが集まってくれるんですよ。このように地域のお祭りに積極的に参加することで、地域の方々とのつながりを深め、人が自然と集まるような温かい歯科医院をめざしています。ウェブ予約やクレジットカード決済も開始して、通いやすい環境づくりにも注力しています。お口のことで気になることがある方は、ぜひお気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/30万2500円~36万5000円、ブリッジ/33万円~
※詳細はクリニックにお問い合わせください。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

