重篤な疾患が隠れている場合も?
身近だからこそ気を付けたい頭痛
やまぐち内科クリニック
(越谷市/越谷駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
慢性的な頭痛に悩まされながらも、どの診療科を受診すべきかわからず市販の薬で対処している人は多いのではないだろうか。しかし頭痛の種類によっては、くも膜下出血などの命に関わる疾患が隠れていることも。「やまぐち内科クリニック」は、越谷市でも数少ない神経内科を標榜するクリニック。神経内科は、脳や脊髄、神経、筋肉の病気を診る内科。院長の山口喜移先生は、「自己判断に任せて市販薬だけで対処するのではなく、頭痛の原因を探り、きちんとした治療を受けることが大切です」と、医療機関を受診し、頭痛のタイプを正確に診断して適切な治療を受けることの重要性を語る。今回は身近な病気である頭痛について、その種類や対処法のほか、神経内科を受診することのメリットについて詳しく話を聞いた。
(取材日2016年11月17日)
目次
頭痛の原因や治療法は人それぞれ。しっかりと原因を把握することが治療の鍵
- Q頭痛にはどのような種類のものがありますか?
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A
頭痛は主に二つの種類に分類されます。まず、原因となる病気がないのに繰り返し起こる頭痛。ズキンズキンと脈打つように痛む片頭痛や、長時間帽子をかぶっていたときのような締め付ける痛みを伴う緊張型頭痛、耐え難い痛みが1~2ヵ月の間に数週から数ヵ月集中して起こる群発頭痛に分類されます。もう一つが、くも膜下出血や硬膜下出血、髄膜炎など、脳の病気などが原因となり発症する頭痛です。片頭痛や緊張性頭痛は青年期~壮年期の女性に多く、一方で群発頭痛は20~40代の男性に多いとされています。
- Qこうした頭痛の原因は何ですか?
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A
片頭痛の主な原因は遺伝だといわれていて、家族に片頭痛を患う方がいる場合には発症するケースがとても多いです。またホルモンバランスにも大きく影響を受けるとされていて、特に女性では月経前~月経中に症状が出やすいです。中には、妊娠中にぱたっと症状が治まる方もいるんですよ。緊張型頭痛の場合は、長時間うつむいた姿勢を続けることが原因で起こる場合が多く、肩こりを伴うのが特徴です。また、同じ姿勢で長時間スマートフォンなどの画面を見続けることが、片頭痛や緊張型頭痛に結びつくこともあります。群発頭痛においては、はっきりとした原因が解明されていませんが、アルコールが発症の要因になるといわれています。
- Q特に気を付けたほうがよい頭痛はありますか?
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A
これまで経験したことのないような痛みがある頭痛や高熱を伴う頭痛、意識を失ったり、手足のまひがあったりする頭痛の場合は特に注意が必要です。くも膜下出血や硬膜下血腫など、脳や神経系の病気が隠れている可能性があるからです。これらの頭痛は、放置すると命に関わる危険も。通常、くも膜下出血の場合には突然後ろから殴られたような強い痛みを伴うことが多いのですが、痛みが軽く少し頭が重い程度のこともまれにあります。いつもの頭痛であっても、頻回になったり経過とともに悪化してくるような場合は、一度医療機関を受診して検査を受けたほうがいいでしょう。念のためと思って検査をした結果、脳の病気が見つかるケースもありますから。
- Q頭痛が起きたとき、どのように対処すればいいのでしょうか?
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A
例えば、月経前後に決まって頭痛が起きるなど、原因がはっきりとしている場合には薬を飲んで様子を見てみていいと思います。しかし、薬を飲んでも症状が良くならない、「なんとなく普段と様子が違う」と感じたら、ためらわずに医療機関を受診することが大切です。放置してしまい重篤な症状に発展するケースもあります。また、ご自身の頭痛の原因がどこにあるのかを知ることも大切です。当院では慢性的な頭痛をお持ちの方には「頭痛ダイアリー」をお渡しして、頭痛が起きた時間帯など、どういった状況で頭痛が起きたかを記録してもらい、治療に役立てています。
- Q神経内科では、どのように頭痛の診察をするのですか?
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A
当院ではまず問診で、家族の頭痛持ちの有無とこれまでどんな病気にかかった既往歴を確認し、頭痛の発症様式、部位、性状、持続時間、頻度とタイミング、痛みの重症度、随伴症状、増悪・軽快させる因子を詳しく聞きます。その上で物の見え方や温度の感じ方など体の感覚に左右差があるかどうかを調べ、必要であればCTを撮ります。診断の結果、より詳細な検査や手術が必要な場合には設備が整っている近隣の医療機関をご紹介し、当院で対応できる場合は、薬物療法や生活習慣の改善指導を行います。神経内科で診るメリットは、頭痛の原因となる疾患の有無や、病巣についてある程度把握できることです。診断結果を元に、受診すべき科目を決めます。