全国のドクター9,287人の想いを取材
クリニック・病院 158,646件の情報を掲載(2024年4月19日現在)

  1. TOP
  2. 愛知県
  3. 名古屋市昭和区
  4. 八事日赤駅
  5. 妙見山本歯科
  6. 山本 公珠 院長

山本 公珠 院長の独自取材記事

妙見山本歯科

(名古屋市昭和区/八事日赤駅)

最終更新日:2021/10/12

山本公珠院長 妙見山本歯科 main

名古屋市営地下鉄八事日赤駅から徒歩5分、住宅地に「妙見山本歯科」がある。外観はモダンで落ち着きのある印象。院内も白を基調としており明るく清潔感がある。院長の山本公珠(こうしゅ)先生は、院内設計にかなりこだわったそうだ。限られたスペースを有効活用するために収納部分をオーダーメイドし、患者に圧迫感を与えないような院内空間にしている。山本先生は、同院を開業するまで長きにわたって大学病院で勤務してきた。補綴に関する研究や教育も行っており博士号も取得。そんな山本先生に、得意とする補綴への思いや歯科医師としてのこれまでの歩みについて語ってもらった。

(取材日2017年12月19日)

大学病院での長いキャリアを経て55歳で開業

先生が歯科医師をめざしたきっかけと補綴学を専攻した理由は何ですか?

山本公珠院長 妙見山本歯科1

医師や歯科医師は、私が小さい頃はみんなが憧れる仕事だったからです。歯科大学へ進学し、最初に興味を抱いたのは口腔外科でした。しかし、私の親族には歯科技工士が多かったこともあり、その方たちからのアドバイスもあって大学の補綴学講座に入局しました。私が入局した当時、若手の歯科医は治療した患者さんのかぶせ物や入れ歯をすべて自分で作製していました。この経験は非常に役立ちました。特に総入れ歯の治療に関しては、型取りや噛み合わせ、そして調整に至るまで、自分で作製したことでのみ得られる知識や技術があります。私にとって、補綴学を選択したのは大正解でした。

長く在籍していた大学を辞めて開業したのはどうしてですか?

実は、大学の講座に入局した時は、数年たったら実家の近くで開業しようと考えていたんです。しかし、応募した研究の補助金が給付されることになり、私の研究人生が始まりました。そのため思いのほか長く医局に在籍することになりました。研究では論理的な思考を要求されますけど、実は臨床での治療計画の立案や患者さんへの説明にも必要だと気づくようになりました。充実していた大学生活でしたが、別の生活も経験したいと思い、55歳で開業しました。周囲からかなり心配されましたが、思い切って開業して本当に良かったと感じます。開業当初は患者さんが来てくれるかどうかという心配がありましたが、患者さんのクチコミもあり多くの方に通っていただいています。

開業の地としてこの場所を選んだのはどうしてですか?

山本公珠院長 妙見山本歯科2

私は学生時代から本山から八事に抜ける通りの雰囲気がすごく好きなんです。そこで、この辺りで開業場所を探していたところ、この場所を見せてもらい即決でした。この場所は地下鉄の駅からも比較的近く、電車を使う患者さんも通いやすいと思います。ただこの辺りは文教地区かつ風致地区なので、建築に関してさまざまな制約があり、限られたスペースを有効活用しなければならなかったので、間取りや内装なども設計士さんと綿密に相談しながら決めていきました。

院内設計から治療まで、とことんこだわる職人気質

医院の設計でこだわった部分を教えてください。

山本公珠院長 妙見山本歯科3

当院の看板の文字は、私が在籍した大学の文学部で書道を教えている准教授の先生に書いてもらいました。その先生は水墨画も描くので、当院のロゴマークもデザインしてもらっています。歯という漢字をモチーフにしたオリジナリティーあるロゴになっていると思います。治療室の設計では、建物の敷地面積が広くないので機械器具の収納に気を使いました。家具の設計をしている友達にお願いして、どんな道具をどれくらい収納したいかを細かく伝えて、片付けるものがぴったり収まるよう、できるだけコンパクトに作ってもらいました。圧迫感のない治療室ができて満足しています。また、待合室の受付カウンターに大理石の端材を使っていますが、これも友達のアイデアで、ランダムに並べることによって、ひと味違う雰囲気が出ているのではないでしょうか。

診察時に心がけていることは何ですか?

患者さんとじっくり話せるように診療時間を配分しています。私が治療していた大学病院では、患者さんの治療時間が原則1時間あったんです。もちろん、単純な治療であれば15分程度で終わることもありますが、基本的には1時間に1人を診療していました。大学病院に通う患者さんは歯に関する大きなトラブルや悩みを抱えています。患者さんの声に耳を傾けて、納得のいく説明をする必要がありました。私の恩師からは「患者さんにキツイことを言っては絶対だめ。患者さんは弱い立場なんだから」と教えられました。その教えは開業してからも私のモットーになっています。患者さんの中には「歯科医院でこんなにしゃべったのは初めて」とか「先生は話しやすい」と言ってくださる方がいるのでうれしいですね。

得意とする分野はやはり補綴でしょうか?

山本公珠院長 妙見山本歯科4

私は入局してからも開業をいつも意識していたので、虫歯治療や抜歯など、幅広い治療に対応していますが、やはり補綴は最も得意とする分野ですね。大学病院は難症例が多く、それぞれの症例に最適な治療として独自な補綴装置を作ってきましたし、それに関する症例報告も学会で発表してきました。補綴学という言葉は一般の方にはなじみがないのですが、噛めるように、また見た目が良くなるように治療することが目的なんです。かぶせ物、入れ歯、インプラントなどはその目的を達成するためのツールです。歯が何本残っているのか、どこの部分の歯が抜けているのかなどの微妙な違いによって一人ひとり適した方法が違います。私はさまざまなツールを実際に臨床応用してきました。それが大学病院で長く勤務してから開業した私の強みです。補綴は「サイエンス&アート」だと言われることがあります。治療計画を立てて補綴装置を選択する時にいつも心がけている言葉です。

関わった患者をずっと見守り続けていきたい

他にも大学病院に長く在籍したことが生かされている分野はありますか?

山本公珠院長 妙見山本歯科5

衛生管理も大学病院で培ってきた方法を実践していますね。例えば、治療で使う器具は歯を削る器械も含めてすべてパッキングしてから滅菌しています。これは1人の患者さんに1セット使うようにパッキングしているので、一度開封したら、使っていないものを含めてすべて再滅菌です。また、大学でやっていることですが、チェアーサイドに入れ歯を削る専用スペースを設けています。バキュームで削りカスを吸引しながら削るので、他の場所に飛び散るリスクが軽減され、衛生的だと思いますよ。

子どもたちの治療も行っていますか?

全体の比率としては多くないですが、子どもたちも通っていますよ。付近に社宅や新しいマンションがあるので、ファミリー層も多いのではないでしょうか。来院する子どもたちは、院内で走り回ったり、騒いだりすることはないですね。親御さんがしっかり教えているんだと思います。もちろん、初めて歯を削ったときに泣く子もいますが、スケーリングや虫歯チェックで泣く子はいません。小学3年生くらいになると1人で通う子もいます。でも、そのときは必ず親御さんとすぐに連絡がとれるようにしています。例えば、虫歯が見つかったのでこういう処置をしたいのですがよろしいですかという確認が必要になりますから。親御さんが安心してお子さんの治療を任せられるような歯科医院でありたいですね。

今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

山本公珠院長 妙見山本歯科6

今後の展望というか課題として、私が治療した患者さんすべてを私が最後まで責任を持って診ていくために、今は難しくてもゆくゆくは往診できる体制を整えたいと考えています。それから私が尊敬してやまない恩師が患者さんに話していた「神様が作った歯にはかなわないよ」という名言があります。その言葉が意味している自分の歯を大事にする予防歯科にも一層力を入れていきたいと思ってます。患者さんへのメッセージとしては、歯並びや色、入れ歯などに関して自身で判断して諦めている人がいますが、自己判断せずに専門家である歯科医師にぜひ相談してください。ご希望に沿わない場合もありますが、その際にはなぜかとその理由を歯科医師に尋ねてください。また、もう少し早く来ていれば治療の選択肢が多かったのにという症例もあります。ですので、気になることがあれば早めに相談していただけると幸いです。

Access