耳鼻咽喉科専門の医師が取り組む
総合的なアレルギー診療
わしお耳鼻咽喉科
(西宮市/西宮北口駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
花粉症や喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎など、何らかのアレルギー性疾患や症状で悩んでいる人は想像以上に多いもの。しかし、専門の医療機関で診断を受け、自分自身のアレルギーを正しく把握できている人も意外に少ないのが現状だ。季節の変わり目にちょっと風邪をひいただけ、空気が乾燥して肌の調子が悪いだけと思っていても、根本的な原因は、その人が潜在的に持っているアレルギー体質にあるかもしれない。「わしお耳鼻咽喉科」の鷲尾有司院長は、そうした不安や疑問に対して適切なアドバイスを行う、アレルギーと耳鼻咽喉科の両方の専門家。診療では、高い効果が期待できるとされている皮下免疫療法や舌下免疫療法にも対応する。今回は病気への向き合い方・考え方について、鷲尾院長に詳しく聞いた。
(取材日2021年1月13日)
目次
1つの症状があれば、別のアレルギー疾患が隠れている可能性も
- Qアレルギー性鼻炎で悩んでいる人は多いようですね。
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▲機器も充実しているわしお耳鼻咽喉科
当院は耳鼻科ですから、風邪でもないのに鼻水が止まらないと、大勢の方がいらっしゃいます。皆さん、すぐに花粉症と考えがちですが、アレルギーの原因がダニやホコリなどのハウスダストの可能性もありますし、花粉症だとしても鼻炎だけでなく、食物アレルギーや喘息、アトピー性皮膚炎に結びついているケースも少なくありません。原因が何であれ、症状が鼻に出れば鼻炎、喉に出れば気管支炎や喘息、皮膚に出ればアトピー性皮膚炎になるわけで、1つの症状があれば、他のアレルギー疾患が隠れている可能性があるといえるでしょう。要は単純に決めつけず、何がその症状を引き起こしているのか、専門の医療機関できちんと調べていくことが重要です。
- Q耳鼻科と食物アレルギー。意外な取り合わせに感じますが。
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▲清潔感のあるリラックスできる院内
私たちが診る病気の中に、花粉・食物アレルギー症候群という、花粉症と食物アレルギーが同時に起こる状態があります。この場合の食物は、主に果物や野菜といった植物。花粉も植物ですから、関連があることもうなずけるでしょう。通常、耳鼻科で調べるのは症状が鼻や喉にある場合ですが、アレルギー専門家は、乳製品や卵といった、さまざまな食物アレルギーを見つけていくことが得意です。検査には血液検査や皮膚検査の他、食物負荷試験といって、実際に食べてみて反応を調べる方法があります。この試験はリスクを伴うため、特に小児の場合は大きな病院などに限定されますが、その子の長い人生を考えれば一度受けてみるのもいいでしょう。
- Qアトピー性皮膚炎には、どのように対処していますか?
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▲わかりやすい説明のためパンフレットは手作りのものを活用
アトピー性皮膚炎が耳鼻科で見つかるきっかけは、やはり鼻炎の症状から。アトピー性皮膚炎、あるいは気管支炎や喘息がある人の約8割に鼻炎の症状があり、いずれも根本にはアレルギーがあるわけです。小さなお子さんの場合はアレルギーマーチといって、アトピー性皮膚炎から喘息、鼻炎と成長するに従って次々に発症していく現象が知られています。お子さんがアトピーと診断されればショックかもしれませんが、原因がアレルギーであることを認識し、適切に対処していくことが重要ですね。治療は皮膚科同様、塗り薬を用いて行われることが多いです。用法に多少シビアな面があるため、当院では薬局とも連携し、細かく指導をするよう心がけています。
- Q喘息もアレルギーが原因であるという話を聞きました。
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▲明るい光が差し込む診察室
喘息にはさまざまなタイプがありますが、喘息患者のうち成人の約半数、小児はほとんどがアレルギー性の喘息といわれています。小児の場合、症状が軽いうちは喘息かどうかの判断が難しい部分がありますが、同時に鼻炎などの症状があればアレルギーがあると考えるのが順当でしょう。大切なポイントは、喘息も鼻炎もアトピーも、すべて慢性疾患ということです。同じ慢性疾患である糖尿病や高血圧症などは、一時的な数値がどうというより、日頃から平均値を下げておく必要があるでしょう。それと同様に、原因となるアレルギーに普段からしっかりと向き合って、なるべく症状が出ないようにコントロールしておくことが大切なポイントとなります。
- Q新型コロナウイルスへの感染でアレルギーは悪化しますか?
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▲鷲尾院長の説明は丁寧でわかりやすい
当初は「新型コロナウイルスに感染すると喘息の症状が悪化する」という話がささやかれました。まだはっきりと結論が出ているわけではありませんが、現在は、アレルギー症状への直接的な影響は少ないという見解が主流になっています。ただし、感染がきっかけとなり、もともと持っていたアレルギーにスイッチが入ってしまうことは大いに考えられます。風邪などのウイルスや花粉、ハウスダスト、あるいは季節の変わり目といった環境の変化も同様。いずれも単なるスイッチに過ぎません。自分にアレルギーがあることを知り、前もって対処しておくことが、事態を悪化させないための何よりの対策ではないでしょうか。