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伊藤 けい子 院長の独自取材記事

いとうこどもクリニック

(成田市/成田駅)

最終更新日:2021/06/10

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「いとうこどもクリニック」の伊藤けい子院長は2008年の開業から12年あまり、地元成田市の子どもたちの健康を見守ってきた。大学病院の医局に30年近く勤め、日本小児科学会認定小児科専門医でもあるベテラン医師だが、経験だけに頼らず常に新しいことを熱心に学び続けている。小さな子どもを持つ両親への配慮が随所に見られる同院。こまやかな気遣いが伊藤院長の温かい人柄を表しているようだ。情熱と優しさを兼ね備えた伊藤院長に、開業医としての思いや、力を入れている子どもの肥満対策などの話を聞いた。
(取材日2019年7月3日/更新日2020年8月27日)

小児科医師として30年務め、満を持して地元で開業

大学病院でのご経験が長いと伺いました。

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東京女子医科大学東医療センター、当時は第二病院と呼んでいたのですが、そちらに約30年在籍していました。ただ地元である成田で開業したいという気持ちは昔からあり、年齢的にもこれ以上後になるともうできなくなってしまうのではと思って、開業したのが2008年のことです。実は医局にいる間も、どんな建物にしようかとか、どんなふうにやろうかとか、設計図のようなものを描いたりして、いつも夢を膨らませていたんですよ。

地元である成田で開業することにこだわりがあったのですか?

私の実家は江戸時代、曾祖父の代から医師の家系です。成田山の参道沿いにある「山内医院」という医院は祖父が開業し、ご年配の方にはなじみのある医院だったのですが、父の兄が軍医で戦死し、一時医院は途切れてしまったんです。父は責任感から、子どもたちの誰かを医師にしなければと思っていて、小さな頃から「お前は医師になれよ」と言われていました。また、祖父が亡くなったときに遺品を整理していると、当時の患者さんへの診療代請求書がたくさん出てきたんです。そこから祖父は無理な診療代はもらわずに、時には無償で医療を提供していたということがわかり、医師としての姿勢に感銘を受けました。自分も生まれ故郷の成田で、祖父のように人のために役立てる医師になりたいと感じ、その思いがかなってこの地での開業に至りました。現在は、私の姉の長男が山内家を継ぎ、都内の病院で麻酔科の医師として働いています。

小児科を選んだ理由について伺います。

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恩師である小児科の先生が大きな理由です。学生に人気があって、怒ると怖いのですが、とても親身になってくださる先生でした。患者さんへの接し方も素晴らしく、お母さんたちも慕っていて、まさに「こういう先生になりたい」と思ったのです。先生は「せいぜい『気』をつけて『気』配りをよくし、『気』力を充実して事にあたりなさい」とおっしゃり、検査よりもまず診察と教えられました。超音波やエックス線検査より前に、胸の音を聞いたり、おなかを触ったりと、きちんと診察することが大切という教えなんですね。患者さんにとても優しく、よく話を聞いてあげる先生で、その姿勢は医師としての私の基本となっています。

肥満改善のための指導など、地元での活動を積極的に

診察で心がけていることは何ですか?

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できるだけお話を聞くこと、状況や治療方針などをお話しすること、質問にお答えすることです。特にお母さんは心配なことがあって来院されるわけですから、一通りお話が終わっても、「先生もう一ついいですか」と質問が続くことも珍しくありません。それを駄目と言いたくないのです。また、風邪で来院されたとしても、中には他の病気が見つかることもあるので、気をつけて診察するように心がけています。例えば、通常の診察でもおなかを触り、肝臓のやわらかさなどを診ます。実際、肝臓が気になって精密検査をしてもらい、腫瘍が見つかったことがあります。最初の血液検査では異常が出なかったのですが、かすかに異常を感じたため、大きな病院を紹介したのです。きちんとした診察が大切だと改めて実感させられた瞬間でしたね。

子どもの肥満に関しても力を入れているそうですね。

大学病院にいた頃の専門は、先ほど話した恩師と同じ心臓だったのですが、2代目の小児科部長の専門が成長障害だったため、肥満の患者さんも診ていたんです。その経験がここで開業した際に役立っています。この成田市でも小中学校を通して、肥満の子どもは多く、子どもたちの肥満が問題に上がっていました。そこで、年に1回の健診後、結果に対してコメントを書いてお出しするようにしたのです。その後、生活習慣病の疑いがある子どもとその保護者のうち希望者に対して、生活指導の話をさせてもらいます。そうすることで、多くの出席者の子どもの体重減少につながっていると考えています。また、肥満を心配する小中学生の親御さんから希望者を募って、年に1度、栄養士と一緒に食事の栄養指導も行っています。

具体的に、子どもの肥満はどのような問題につながりやすいのですか?

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糖尿病や高脂血症の発症につながります。昔は子どもの糖尿病といえば遺伝性のものが中心で、むしろ痩せている子どもを治療することを学んだものですが、現在は生活習慣病からくる大人と同じ糖尿病が増えています。子どもでも脂肪肝はありますし、小中学校で肥満の子をそのままにしておくと、そのまま大人になって結局生活習慣病になってしまうことがあります。一方で成長期ですから、食事の中身や総カロリー数に注意して、さらに運動をすることで、バランスの良い体をめざすことは可能だと私は考えています。子どもが相手ですから、「あれは駄目、これは駄目」というより、今より太らないようにねと言うようにしています。「そのままの体重で身長が伸びれば、体が締まってくるはずだよ」と。当クリニックには、微量の血液を指先から採取するだけで、血糖値やコレステロール値が測れる機械を導入していますから、お気軽に検査を受けていただきたいですね。

こまやかな配慮で小さな子どもを持つ親をサポート

小さいお子さんとそのご家族のために工夫されていることは?

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院内にも外にもスロープがあり、ベビーカーのまま上がっていただけます。トイレにはおむつ交換台と、半個室の授乳室を設け、待合室にはおもちゃと本をたくさん置きました。おもちゃは毎日アルコール消毒していますよ。また感染症対策のため、入り口を別にした特別待合室を作りました。感染力の強い病気の疑いがある場合は、専用のドアベルを鳴らしていただき、こちらの待合室に入ってもらうのです。空調や診察室も別にして、きちんと遮断できる造りにしました。新型コロナウイルス感染症にも十分配慮していますので、安心して受診していただきたいですね。それから当院には、子ども好きのベテラン看護師が在籍しています。先日1週間くらいお通じがないというお子さんが来られたのですが、うまくミルクを飲めていないことが原因でした。そのようなときには授乳についてアドバイスするなど、総合病院勤務で培った幅広い知識で新米ママさんをサポートしています。

予約制について具体的に教えてください。

外で長くお待たせしないように、インターネットで予約ができるシステムを導入しています。現在の診察状況も確かめることができ、便利ですよ。予約時、メモ欄に症状を書けるスペースがありますが、当院で読ませていただき緊急性が高いと判断した場合は患者さんにお電話をして、優先的に診るようにしています。ただ、完全予約制にはしていません。風邪などで急に熱が出た患者さんを診られなくなるのは避けたいですからね。基本的には予約を入れていただきたいのですが、入れられない時でも、受付までお越しいただければ、時間内であれば可能な限り対応しています。

最後に、クリニックの今後の展望を聞かせてください。

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今やれることを精一杯やっていきます。小児科を専門にして40年近くになり、それが私の自信となっているのですが、古いことばかりをいってはいられません。感染症やアレルギーなどはどんどん情報が新しくなりますし、開業医としてはすべて診ることができなければならないと思っていますので、たとえ忙しくても勉強を欠かしたくないのです。また最近では、頭が痛い、何か調子が悪い、おなかが痛くて学校に行けないといった精神的な訴えや、発達障害のあるお子さんの相談が増えてきたように感じます。ゆっくり話を聞いたほうがいいという場合は別の日に改めて時間を設けたり、必要であれば専門の病院を紹介しています。私なりに最善を尽くして、状況に応じて専門の先生や医療機関を紹介させてもらう、という開業医としての役割をしっかり務めていきます。

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