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伊藤 けい子 院長の独自取材記事

いとうこどもクリニック

(成田市/成田駅)

最終更新日:2019/08/28

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小児科専門のクリニックが少ないという成田市で、大学病院の医局で30年近く勤めた伊藤けい子先生が開業した「いとうこどもクリニック」。実家は成田山の参道にあるという伊藤先生は、長く地元での開業を考え続け、2008年に満を持しての開業となったそうだ。経験豊富で、安心感を与えるような語り口の伊藤先生に、クリニックのことから、力を入れている子どもの肥満のことなど、日本小児科学会認定小児科専門医の視点から話を聞いた。
(取材日2017年6月3日)

小児科医として30年務めた後、満を持して地元で開業

開業して10年経っていませんが、大学病院でのご経験が長いのですね。

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東京女子医科大学東医療センター、当時は第二病院と呼んでいたのですが、そちらに約30年在籍していました。ただ地元である成田で開業したいという気持ちは昔からあり、年齢的にもこれ以上後になるともうできなくなってしまうのではと思って、開業したのが2008年のことです。実は医局にいる間も、どんな建物にしようかとか、どんなふうにやろうかとか、設計図みたいなものを描いたりして、いつも夢を膨らませていたんですよ。

地元である成田で開業することにこだわりがあったのですか?

私の実家は江戸時代、曾祖父の代から医者の家です。成田山の参道沿いにある「山内医院」という医院は祖父が開業しており、そのためご年配の方にはなじみのある医院だったのですが、父の兄が軍医で戦死し、一時医院は途切れてしまったんです。父は責任感から、子どもたちの誰かを医師にしなければと思っていて、小さな頃から「お前は医者になれよ」と言われていました。また、祖父が亡くなったときに遺品を整理していると、当時の患者さんへの診療代請求書がたくさん出てきたんです。そこから祖父は無理な診療代はもらわずに、時には無償で医療を提供していたということがわかり、医師としての姿勢に感銘を受けました。自分も生まれ故郷の成田で、祖父のように人のために役立てる医師になりたいと感じ、そういった思いが叶ってこの地での開業に至りました。現在は、私の姉の長男が山内家を継ぎ、都内の病院で麻酔科医として働いています。

医師になったのは実家の影響ということですが、小児科を選んだ理由は何ですか?

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恩師である小児科の先生が大きな理由です。学生に人気があって、怒ると怖いのですが、とても親身になってくださる先生でした。患者さんへの接し方も素晴らしく、お母さんたちも慕っていて、まさに「こういう先生になりたい」と思ったのです。先生は「せいぜい「気」を付けて「気」くばりを良くし、「気」力を充実して事にあたりなさい」とおっしゃり、検査よりもまず診察と教えられました。超音波やレントゲンより前に、胸の音を聞いたり、お腹を触ったりと、きちんと診察することが大切という教えなんですね。患者さんにとても優しく、よく話を聞いてあげる先生で、その姿勢は現在の医師としての私の基本となっています。

肥満の指導など、地元での活動を積極的に

具体的に、診察ではどのようなことを心がけているのですか?

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できるだけお話を聞くこと、状況や治療方針などをお話しすること、質問にお答えすることです。特にお母さんは心配なことがあって来院されるわけですから、一通りお話が終わっても、「先生もう一ついいですか」と質問が続くことも珍しくありません。それを駄目と言いたくないのです。また、風邪で来院されたとしても、中には他の病気が見つかることもあるので、気を付けて診察するように心がけています。例えば、通常の診察でも肝臓を触り柔らかさなどを診ます。実際、肝臓が気になって精密検査をしてもらい、腫瘍が見つかったことがあります。最初の血液検査では異常が出なかったのですが、微かに異常を感じたため、大きな病院を紹介したのです。きちんとした診察が大切だと改めて実感させられた瞬間でしたね。

子どもの肥満に関しても力を入れているそうですね。

私が大学病院の医局にいた頃の専門は、先程話した恩師と同じ心臓です。また、2代目の小児科部長の先生の専門が成長障害だったため、その関係で肥満の患者さんも診ていました。それが結果として、ここで開業した際に非常に役立ちました。この成田市でも小中学校を通して、肥満の子どもは多く見られるからです。私は現在、成田市学校保健会の理事をさせてもらっているのですが、そこでも子どもたちの肥満は問題に上がっていました。そこで、私は年に1回の健診後、結果に対してコメントを書いてお出しすることをしています。その後、生活習慣病の疑いがある子どもとその保護者の希望者に対して、子どもの生活指導の話をさせてもらっており、多くの出席者の子どもの体重減少につながったんですよ。

具体的に、子どもの肥満はどのような問題を引き起こすのですか?

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一番は糖尿病ですね。昔は子どもの糖尿病といえば遺伝性のものが中心で、むしろ痩せている子どもを治療することを学んだものですが、現在は生活習慣病からくる大人と同じ糖尿病が増えています。子どもでも脂肪肝はありますし、小中学校で肥満の子をそのままにしておくと、そのまま大人になって結局生活習慣病になってしまいます。一方で成長期ですから、食事の中身や総カロリー数に注意して、さらに運動をすることで、身長が伸びてバランスの良い体にすることは可能です。子どもが相手ですから、「あれは駄目、これは駄目」というより、今より太らないようにねと言うようにしています。「そのままの体重で身長が伸びれば、身体がしまってくるよ」と。当クリニックには、微量の血液を指先から採取するだけで、血糖値やコレステロール値が測れる機械を導入していますから、お気軽に検査していただきたいですね。

今できることを実践して、やれることを精一杯やる

かわいらしい外観のクリニックですね。

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土地は父が残してくれたもので、限られたスペースですから、医院を建てるにあたっていろいろと相談し工夫していただきました。基本的には木を基調にした、温かみのある雰囲気にして、待合室にはおもちゃや本もたくさん置いています。感染症対策も重要だと考えていたので、通常の待合室の他に、入口を別にしたもう一つの待合室も作りました。インフルエンザや水ぼうそうなど、高熱だったりして、感染力の強い病気の疑いがあると思われる場合は、専用のドアベルを鳴らしていただき、こちらの待合室に入ってもらうのです。診察室も別にして、きちんと遮断できるような造りにしました。ただ、お一人ずつしかご利用いただけませんから、少しお待たせしてしまうこともあります。まずは電話で対応させてもらい、あと何番目にご案内できますので、連絡を待ってくださいとご説明することもあります。

予約制を採用されているそうですが、具体的に教えてください。

当クリニックでは、インターネットで予約ができるシステムを導入しています。以前は朝患者さんが並ばれてしまって、ひどく混んでいるときなど本当に申し訳なく、少しでも混雑が緩和できればと思い導入したのですが、おかげさまで、今は長く外でお待ちいただくことがなくなりました。インターネットで現在の診察状況も確かめることができますよ。ただ、完全予約制にはしていません。風邪などで急に熱が出た患者さんが診られなくなるのは避けたいですからね。まずは予約を入れていただきたいのですが、入れられない時でも、受付までお越しいただければ、時間内であれば可能な限り対応しています。

最後に、クリニックの今後の展望を聞かせてください。

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今やれることを精一杯やるということにつきます。私は患者さんをさっさと診ることができないので、診察にちょっと時間がかかってしまいます。そのために予約システムを導入してみました。小児科を専門にして40年近くになりますので、それが私の自信となっていると感じています。ですが、だからといって古いことばかり言っていてもしょうがないので、新しい知識も常に取り入れていかなければならないと思っています。今は専門がどんどん細かくなっていて、例えば感染症やアレルギーなど、多様な専門の先生がいらっしゃいますが、開業医としてはすべて診ることができなければならない病気。ですから、私なりに最善の診療をして、状況に応じて専門の先生や医療機関を紹介させてもらう、という診療を提供していきたいと考えています。

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