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萬谷直樹 院長の独自取材記事

ベイサイドクリニック

(横浜市西区/横浜駅)

最終更新日:2019/08/28

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長年の治療でも効果が出ない。薬の副作用に苦しんでいる----。慢性的な悩みから軽い症状の相談まで、和漢診療でケアする「ベイサイドクリニック」は、漢方薬と西洋薬の両方を活用する漢方専門外来だ。医院の核となって診療にあたる萬谷直樹院長は漢方専門医で指導医でもある。信条は、専門分野にかたよらない幅広い視点。患者の症状を多角的に捉える柔軟な姿勢は、糖尿治療から不妊治療、皮膚病関連まで、診察室にずらり並ぶ専門書からも見て取れる。JR横浜駅から徒歩6分。新幹線のアクセスが便利なことも手伝って、遠方からの患者も多い萬谷院長に、和漢診療の特徴や現状、今後の課題などを伺った。
(取材日2011年3月1日)

漢方薬と西洋薬を活用、互いの長所を生かす「総合診療」

和漢診療とはどんな診療方法なのでしょう。

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東洋医学の漢方薬と西洋医学の西洋薬の両方を活用し、患者さん一人ひとりに最適な医療を提供しようという総合診療です。漢方薬と西洋薬を併用することで、お互いの薬の長所を生かすことができるので、患者さんの症状や体力、体質に合わせたオーダーメイドの処方が可能です。漢方薬は副作用が少なく、体に優しいことで知られていますが、ほかにも体質改善が得意、一つの薬でさまざまな症状が取れるなどの特徴があります。よく治療効果が出るまでに時間がかかると言われますが、それは病気の性質や患者さんの体質によって決まるので、一概には言えません。例えば、風邪に効く葛根湯(カッコントウ)は、半日程度で効き目の表れる即効性の高い漢方薬です。また緊張したり、電車に乗ったりすると下痢をしてしまう過敏性腸症候群のような慢性疾患に関しても、5年くらい苦しんでいた人が、漢方薬を飲み始めて1ヵ月程度で改善した例もあるんですよ。ただ、漢方薬を試す患者さんには、西洋薬だけで効果が出なかった慢性病の場合が多く、10年来の肝炎をよくしてくださいとおっしゃられても、それなりに時間はかかりますよ、ということがよくあります。それが漢方薬は時間がかると言われるゆえんかもしれません。

先生のところには、主にどんな症状の患者さんがおみえになりますか。


メタボリック症候群、糖尿病、アレルギー、婦人科系の病気が多いですね。ほかにも冷え症、関節リウマチ、慢性膵炎、腎炎、喘息、腰痛、不眠など多岐にわたります。患者さんの約8割は女性ですね。婦人科系のご相談が多く、無月経、月経不順、月経困難症、不妊症などの診療にもあたっています。男性はというと、女性に比べて症状が重くなってからおみえになる方が多いように思います。仕事が忙しくて病院へ行っている時間がないとか、必要以上に痛みを我慢してしまったりするんですね。でも「未病」という言葉があるように、病気は未然に防ぐことが大事。病気になる前に、メンテナンスをしながら体調を整えるという発想を持って、気になることがあればできるだけ早いうちに病院にかかっていただきたいと思います。

漢方薬に関心のある方は増えているようですね。実際にはいかがでしょう。

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私が漢方医として診療を始めたのは1990年ですが、その頃に比べると、漢方薬に対する医師側の認識も患者さん側の認識も高くなったと実感しています。私のところにも、西洋薬だけでは症状が改善されず行き詰まりを感じている方や、副作用が気になるという方が漢方薬を頼られるケースが増加していますし、漢方外来を設ける病院も増えてきています。また、医学教育の現場においても、国が定めるコアカリキュラムに少しずつではありますが漢方医学が組み込まれるようになりました。

どんな些細な症状も処方のヒントになる

漢方薬にはどんな特徴があるのでしょう。

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漢方薬は自然の植物や鉱物などの天然物(生薬)を組み合わせたものです。数千年という長い年月をかけて効き目や安全性が確かめられ、西洋薬に比べて副作用が少ないことや、複雑で多彩な症状に効果を発揮することがわかっています。例えば、半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)という漢方薬は喘息や気管支炎に効いて、胃炎にも効くんですが、喉のつまりや動悸、パニック障害の発作にも効き目があるんですよ。そのため、患者さんがいくつかの症状を訴えていても、それを横軸で捉えて治療することができるんです。合併症や複数の病気を抱える人が多い現代社会に、大変適していると言えるでしょう。

著しく症状が改善された例には、どんなものがありますか。


体質改善が必要なアトピー性皮膚炎は良くなるケースが多いですね。長年、皮膚科に通ったけど効果が見られないという患者さんに漢方薬と西洋薬を併用し、2年くらい粘り強く飲んでいただくと、紫色や赤茶色だった皮膚がだんだん白くなってきます。また、結婚12年目になる不妊症の女性で、来院当初は無月経だったため基礎体温の高温期と低温期がはっきりしなかったのに、漢方薬を飲み出してからは明らかに違いが出てきて、なんと4ヵ月目に妊娠。無事、元気な女の子を出産しました。長い期間にわたる婦人科治療がうまくいかず、大変悩んでおられましたので、妊娠の報告を受けたときは本当にうれしかったですね。

診察はどんな流れで行うのでしょう。

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まず、患者さんご自身に記入していただく問診表をもとに、その方の訴えに耳を傾けます。とくに初診のときは遠慮されて、本当は気になっている細かい症状をおっしゃらない患者さんがいますので、「どんな些細なことでも、お話しくださいね」というスタンスで、こちらから引き出すよう心がけています。患者さんの何気ない訴えが、「あの薬が効きそうだな」とヒントになることがよくあるからです。その後は、顔色や動作を目で読み取る「望診」、体質や過去の病気についてヒアリングする「問診」、耳や鼻を利かせて臭いや声の調子などを確かめる「聞診」、直接体に触れて脈や腹部の状態を診る「切診」という流れで五感をフルに働かせ、患者さんの情報を得ます。

自分に合う漢方薬が必ずある。最適な処方は専門医に相談

内科のなかでも和漢診療学を選んだのはなぜでしょう。

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私は生まれも育ちも富山県で、大学も富山医科薬科大学(現在の富山大学)医学部に進みました。そこには国公立大学で唯一、正式な漢方講座として認められている和漢診療学講座があったので、せっかくならこの大学でしかできないことをやろうと思ったんです。この講座は和漢診療学の草分けで、漢方医学界の重鎮である寺澤捷年(てらさわかつとし)教授が立ち上げたもので、漢方の研究はもちろん、創設当時から内科研修にもしっかりと力を入れ、医師を育成するシステムを持っていました。加えて漢方の普及も目的としていましたから、私も各地の病院で実地研修をした後、『がんばらない』の著者として知られる鎌田實先生のいらっしゃった諏訪中央病院の東洋医学科(漢方科)や、群馬大学医学部の統合和漢診療学講座を立ち上げるなど、さまざまな現場で経験を積むことができました。和漢診療の道に進んだ理由はもう一つあって、西洋医学と東洋医学、両方の薬を使いこなせれば、治療の幅も広がると考えたからです。

診療では、どんなことを大切にされていますか。


患者さんをありのままに診る、ということでしょうか。東洋医学には心と体を一元的に捉え、精神と肉体の両方を治癒する「心身一如(しんしんいちにょ)」という考え方がありますが、それは広い視点で症状を捉え患者さんとコミュニケーションを図る寺澤先生の診療スタイルと併せて、今の自分の基盤となっています。また、私は東京慈恵会医科大学付属病院でも診療をしているのですが、同大学の「病気を診ずして、病人を診よ」という有名な標語も、得てして専門分野にこだわりがちな医師への警鐘として頭に入れ、さまざまな分野からのアプローチで診療の幅を広げるようにしています。

漢方薬を試してみたいという読者にアドバイスをお願いします。

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患者さんが100人いれば、100人それぞれにお役に立てる漢方薬が必ずあります。私も診察で座りっぱなしのことが多く血のめぐりが悪いので、血行を良くする代表的な漢方薬、桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)を飲んでいますよ。週に2〜3回行っている通勤時の25分間ウオーキングと併せて効果が出ています。自分に合った処方を見つけるには、やはり専門の漢方クリニックや信頼できる薬剤師の先生に相談することをおすすめします。また、漢方薬は健康保険が使えず高額な診療費がかかると心配していらっしゃる方が少なくないようですが、煎じ薬も含め、ほとんどに健康保険が適用されるのでご安心ください。そういった誤解も含めて、漢方の認識を広げていかなければならないと思っています。そうすれば救われる患者さんは今以上に増えるはずですから。

自由診療費用の目安

自由診療とは

動脈硬化検査/500円、糖尿病検診/500円

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