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長時間歩くと足の痛みやしびれが出る
腰部脊柱管狭窄症とは

北千葉整形外科美浜クリニック

(千葉市美浜区/京成稲毛駅)

最終更新日:2023/05/12

北千葉整形外科美浜クリニック 長時間歩くと足の痛みやしびれが出る 腰部脊柱管狭窄症とは 北千葉整形外科美浜クリニック 長時間歩くと足の痛みやしびれが出る 腰部脊柱管狭窄症とは
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腰部脊柱管狭窄症という病名を知っているだろうか。加齢に伴う変形性疾患であり、高齢化する社会の中で増える傾向にあるという。しかし、どのような病気なのか意外と知られておらず、椎間板ヘルニアや骨粗しょう症と関わりがあるのか、不安に思っている人も多いようだ。そこで、脊椎疾患に詳しい「北千葉整形外科美浜クリニック」萩原義信院長に、腰部脊柱管狭窄症の症状や原因、治療法について取材した。同クリニックでは、脊椎疾患を専門とする整形外科医師や理学療法士、同じ法人グループの「北千葉整形外科幕張クリニック」とも連携して、腰部脊柱管狭窄症の診断や治療、リハビリテーション、手術に積極的に取り組んでいるとのこと。ぜひ参考にしてほしい。

(取材日2022年4月27日/更新日2023年5月10日)

足腰の痛みで、長時間歩けなくなる病気。コロナ禍による運動不足で知らない間に病気が進行していることも

Q腰部脊椎管狭窄症には、どのような症状があるのでしょうか。
A
北千葉整形外科美浜クリニック 症状の原因やメカニズムまで優しい口調で話す萩原院長

▲症状の原因やメカニズムまで優しい口調で話す萩原院長

加齢により、脊椎を構成する椎体という骨や、その間にあってクッションの役割を果たしている椎間板に加齢的変形が起きることを「変形性脊椎症」といいます。腰部脊柱管狭窄症は、この変形性脊椎症の一つで、腰部が原因で起こる病気ですが、必ず腰痛を伴うとは限りません。典型的な症状は、長時間歩くと脚や腰に痛みやしびれ、こわばりが強く出て動けなくなるが、少し休むとまた歩けるようになる「間欠性跛行(はこう)」です。座ったり寝ていたりしているときには、症状は少ないのが特徴です。ただし、動脈硬化によって下肢の血管が詰まったり狭くなったりする閉塞性動脈硬化症でも間欠性跛行が起こりますので、鑑別診断が重要です。

Q病気の成り立ちや原因を教えてください。
A
北千葉整形外科美浜クリニック 模型などを用いてわかりやすく説明

▲模型などを用いてわかりやすく説明

脊椎は椎骨という骨が積み木のように重なることでできています。椎骨の中央には穴があり、この穴が連なってできた管が脊柱管で、この中を走る神経が脊髄と馬尾神経です。馬尾神経は、腰の辺りから骨盤まで馬の尻尾のように神経が細い束に分かれていくことから、馬尾と呼ばれています。加齢に伴い背骨などが変形して神経の周りにある靭帯が厚くなると、脊柱管が狭くなって中の神経が圧迫されます。腰椎が滑り出すように変形する「すべり症」により骨が神経を圧迫することもあります。また神経に血液を送り届けている血管も圧迫されて血流障害が起こります。それらにより、間欠性跛行などの症状が現れるのが、腰部脊柱管狭窄症です。

Qどのような検査や治療を行うのですか。
A
北千葉整形外科美浜クリニック さまざまな検査や治療法を提案してくれる

▲さまざまな検査や治療法を提案してくれる

エックス線検査やCT検査、MRI検査などによって脊柱管の狭窄状態を確認します。治療では、まず薬物療法、理学療法、ブロック療法といった保存的治療を行います。薬物療法では鎮痛剤や神経の血流を改善するための薬などを用います。それでも痛みが軽減されない場合は、局所麻酔薬やステロイド薬を神経の外側に注入する硬膜外ブロックや、神経根ブロックを行います。また並行して理学療法として、ストレッチや筋肉訓練、姿勢訓練、歩行訓練などを行います。保存的治療で効果がなく歩行障害が進行し、日常生活に支障がある場合には手術的治療を選択します。神経の圧迫を取り除くための手術や、すべり症など腰痛もある時は脊椎固定術を行います。

Q予防法や、腰痛や骨粗しょう症との関係も教えてください。
A
北千葉整形外科美浜クリニック 脊椎の疾患について長年研鑽を積んできた萩原院長

▲脊椎の疾患について長年研鑽を積んできた萩原院長

腰部脊柱管狭窄症は加齢現象の一つなので予防法はありませんが、脚や腰に負担をかけないために体重を管理して積極的に歩くことが勧められます。歩かないと病気かどうかがわからず、気づかないままに進行したり、筋力が低下したりするからです。早期に適切な治療を受けないと症状が次第に進行して、日常生活に大きな支障を来すこともあります。また膝が痛い原因が、腰部脊柱管狭窄症ということもあります。散歩など適度に歩くことを心がけ、その上で歩行と休息を繰り返す間欠性跛行などを自覚したら整形外科を受診しましょう。椎間板ヘルニアや骨粗しょう症が、腰部脊柱管狭窄症の原因になることはありませんが、併発することはあります。

Qこちらのクリニックでの診療の特徴を教えてください。
A
北千葉整形外科美浜クリニック クリニックの2階ではさまざまなリハビリの機器を完備している

▲クリニックの2階ではさまざまなリハビリの機器を完備している

腰部脊柱管狭窄症は歩行時に症状がでるため、痛みの程度や筋力の低下状態を理学療法士と連携しながら正確に診断し、治療に結びつける必要があります。ですから理学療法士を含めたチーム医療を実践しています。手術は入院設備のある北千葉整形外科幕張クリニックで行いますが、術後のリハビリも重要なので、リハビリは患者さんの通いやすいクリニックで行います。また、当院の特徴のひとつに骨粗しょう症治療があります。全身型DXA法による骨密度測定器により精密に骨粗しょう症を診断します。さらには骨粗しょう症に関して地域の内科クリニックとの連携を進めており、処方は内科は内科で行い、骨密度検査を当院で行うという連携もしています。

ドクターからのメッセージ

萩原 義信院長

以前と比べて歩ける距離が減ってきた、歩くと痛みやしびれが出るが休めば治まるという方は、腰部脊柱管狭窄症が考えられますので、ぜひ当院を受診してください。コロナ禍で外出が減り、歩かなくなっために病気に気がつかない方も多いようです。歩くことは筋力の維持にも必要ですから、積極的に散歩やウォーキングを心がけるようにしましょう。腰部脊柱管狭窄症については、さまざまな情報があふれているようです。原因を見極めて、その方に合わせた治療やリハビリテーションが必要ですし、症状のよく似た病気もありますから、ネットや本の情報で自己判断せず、専門家に相談していただきたいですね。

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