矢島 由紀 院長の独自取材記事
ゆきデンタルクリニック
(佐賀市/佐賀駅)
最終更新日:2026/09/14
佐賀駅から車で5分。子育て世帯が多く暮らす住宅地に「ゆきデンタルクリニック」はある。木目を生かした院内に緑があふれ、歯科医院とは思えないカフェのような空間が広がる。院長の矢島由紀先生は長崎大学歯学部を卒業後、医科歯科統合医療の現場で難病患者の治療に携わり、口腔と全身の健康のつながりを実感してきた。2011年の開業以来、その場しのぎの治療ではなく根本からの口腔内の環境づくりを追求し、妊娠期からの口腔機能発達支援や生活習慣のサポートまで、根本から改善をするための取り組みを続けている。0歳から100歳まで家族ぐるみで通う患者に「健康は自分で守れるもの」と伝え続ける由紀先生に、診療哲学やスタッフとともに成長できる職場づくりについて話を聞いた。
(取材日2026年9月1日)
その場しのぎにしない、根本から健康を守る歯科医療
まずはクリニックの雰囲気や特徴について教えてください。

当院は緑をたっぷり取り入れた、カフェのような空間づくりを大切にしています。患者さんからは「緊張せずに来られる」とよく言っていただけますし、リラックスすることは治療の予後にも良い影響があると考えています。一般歯科・小児歯科・矯正歯科に対応し、ご家族そろって通ってくださる方が多いですね。年齢層は幅広く、先日は100歳の患者さんのお誕生日をスタッフみんなでお祝いしました。いらっしゃる方はナチュラル志向で、薬に頼りたくないという方が多い印象です。佐賀駅から車で5分ほど、近くに大きな商業施設がある新興住宅地で子育て世帯が増えている地域です。講演を聞いて来てくださる方や、クチコミがきっかけの方が多いですね。
先生のこれまでの歩みについてお聞かせください。
長崎大学歯学部を卒業後、小児矯正歯科の先生のもとで研鑽を積みました。歯科医師になってからはこの仕事を天職だと感じていて、本当に大好きです。その後、医科歯科統合医療のクリニックに勤務しました。全国から難病の患者さんがいらっしゃるクリニックで、歯科的な問題がさまざまな疾患の治癒を妨げている方に対し、医師と協力して治療にあたるスタンスを学んだんです。金属アレルギーにとどまらず、リウマチや糖尿病など多くの病気がお口の状態と関わっていますが、そうしたことが広く言われるようになる前から、長年この視点で取り組んできました。統合医療のクリニックで一緒に勤務した医師も近くで開業しており、理念を共有しながら当院も16年目を迎えました。
診療において大切にされていることは何でしょうか。

大切にしているのは、対症療法やその場しのぎではなく、根本的なより良いお口の環境づくりです。虫歯の治療なら、今後虫歯ができにくい環境をめざす。歯周病なら、歯石がつきにくい環境をめざす。歯並びも、悪くなってから矯正するのではなく、悪くならないように育てることを重視しています。初めていらっしゃる方には事前に動画をご覧いただき、当院の理念をお伝えしています。根本的にお口の中を改善することが、ご自身を元気にしていくことそのものなんです。成長期を過ぎた方にも、その時点でできる根本的な改善策はあります。健康というのは本来、自分で守っていけるもの。「本当は守れるんだ」と気づいていただくことを、私は一番大事にしています。
歯が生える前から始まる、口と全身の成長支援
お子さんの診療では、どのようなことを意識されていますか?

成長期はその後の健康を左右する時期ですので、可能であれば妊娠期から体づくりに取り組んでいただきたいと考えています。歯がまだ生えていない赤ちゃんも、歯科からのマザークラスの受講をおすすめしています。現代の妊婦さんは姿勢を支える筋力が落ちていて、体の冷えや循環の悪さから、おなかの中の赤ちゃんにとって窮屈な環境ができてしまうことがあるんです。すると赤ちゃんの動きが十分に取れず、生まれてからの授乳や呼吸がスムーズにいかないことがあるようです。そういった知識も提供していけたらと思っています。
そうした影響は、成長とともにどのように現れるのでしょうか。
お口の機能がうまく育たないと、食べにくさや飲み込みにくさだけでなく、呼吸にも直結します。近年、口腔機能発達不全症として保険診療の対象になりましたが、サポートできる施設はまだ限られています。鼻が詰まって息苦しい状態が続くと、疲れやすい、集中力が続かない、寝ているように見えても熟睡できていないといった問題が起こります。深い眠りが得られないと成長に関わるホルモンの分泌に影響し、夜尿症につながるともいわれています。こうした症状がお口の発達と関わっていることはまだ広く知られていませんので、根本原因にアプローチされないままのケースも多いのではないでしょうか。生後半年頃までの赤ちゃんは歯がないため歯科を受診する発想が持ちにくく、受診に至りにくい空白期間。当院ではその時期の赤ちゃんのサポートにも力を入れています。
歯科の領域を超えて取り組まれていることはありますか?

「ライフスタイルサポート」として、患者さんの生活習慣を聞き取り、食事や睡眠、住環境まで含めた助言を行っています。百点満点の生活は誰にとっても難しいので、その方の暮らしに合わせて効率良く改善できるところを一緒に探していきます。腸活をお勧めすることもありますね。腸とお口はつながっていますので、腸の状態が整っていないとお口の改善も進みにくいのではないかと考えています。体全体を見渡すサポートを大切にして、こうした知識を広く届けたいと思い、すくすくデジタルサポート協会を立ち上げ、代表理事としてオンラインで情報発信にも取り組んでいます。佐賀では保育士さんや助産師さんなど多職種の専門家と連携し、現場の課題を共有する活動も進めています。
学んだ知識が家族も守る、ともに成長できる職場
スタッフの皆さんは、こうした幅広い知識をどのように身につけていくのですか?

日々の業務を通じて自然と身につけてくれていますね。患者さんのケースディスカッションや、私との間に入って聞き取りとフィードバックを重ねることで、実践的に知識が深まる仕組みです。予防中心の歯周病管理や口腔ケアを担いながら、口腔機能の発達支援についても常に学んでいますので、みんなその分野のスペシャリストとして自信を持って取り組んでくれています。身につけた知識は家庭でも生かせるもので、喜んでくれているスタッフも多いんです。院内での勉強が中心ですが、外部講習も希望があれば支援しています。後輩を育てたいと頑張っていたスタッフが、歯科衛生士学校の教員になった例もあるんですよ。
働きやすい環境づくりで意識されていることはありますか?
私自身も子育てをしながら仕事を続けてきましたので、女性が多い職場だからこそ「みんなでサポートし合おう」という気持ちを大切にしています。15年間でスタッフに子どもが11人生まれ、産休・育休を取得した上で復帰してくれました。入職時には「職場環境は努力して築き上げるもので、どんなにキャリアを積んでも人間関係には気をつけなければいけない」と、少し厳しめにお伝えすることもあります。その結果、余計なストレスのかからない安心して働ける関係性ができていると思います。空間面でも、院内感染を抑えるためのシステムを導入してスタッフと患者さん双方の安全を守り、自然素材を使った建材や水質にもこだわっています。毎日過ごす場所だからこそ、心地良い環境であることを重視しています。
今後の展望と、読者へのメッセージをお願いいたします。

今後はもっと予防中心の診療を進めていきたいと考えています。治療しなくて済むような世の中が理想ですが、それは一つのクリニックだけでは実現できないことですので、社会全体への働きかけにも力を注いでいます。体の健康はそのまま社会の健康につながっていくと思いますし、当院がそんな存在でありたいですね。歯科医師や歯科衛生士としてキャリアを考えている方には、口腔機能のサポートや食の分野を学ぶことが将来の大きな強みになるとお伝えしたいです。自分ならではの強みを持って歩んでいくことは大切ですから、この考えに共感してくださる方にとってやりがいのある環境だと思います。この記事が健康について考えるきっかけになり、心も体も元気になっていただけたらうれしいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯列矯正/6万6000円~
※症状によって費用が変わりますので、詳しくはクリニックにお尋ねください。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

