地域のクリニックならではの
通院の負担が少ない口腔外科診療
にしまつ歯科クリニック
(神戸市東灘区/摂津本山駅)
最終更新日:2024/12/06
- 保険診療
あまりなじみのない人も多いであろう歯科口腔外科。親知らず抜歯や嚢胞(膿の袋)摘出をはじめ、口の中の粘膜に発生した腫瘍やケガの外科処置など、幅広い疾患・症状に対応してくれる診療科なのだ。「にしまつ歯科クリニック」の西松成器院長は、大学の複数関連病院口腔外科で研鑽を積んできた、日本口腔外科学会口腔外科専門医。長い臨床経験の中で、数多くの手術に携わってきた。「さまざまな経験を積ませていただきましたが、自分はできるという過信は決して持たず、患者さまの安全を第一に考えて取り組むよう努めています。治療に入る前には処置内容のほか、併発症などのリスクが発現した際の対応まで、細かに説明します」と話す西松院長に、一般的な歯科との違いや地域のクリニックを受診するメリット、有病者の歯科治療などについて聞いた。
(取材日2024年11月13日)
目次
長い臨床経験を通して培った知識とスキルを生かし、有病者の診療にも携わる
- Q一般的な歯科と歯科口腔外科の違いについて教えてください。
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A
世の中の歯科のイメージは「町の開業医さん」でしょうか。虫歯や歯周病の治療、入れ歯作製など歯や歯肉、欠歯を対象にした診療が主です。歯科口腔外科はそれらの延長上にある感じで、概ね目の下方から首の上方付近までが診療範囲となります。抜歯や歯肉切開など、血が出る(観血)処置が代表格で、親知らず抜歯の他、歯根の周辺に膿の袋ができる嚢胞、口唇や舌などに生じる腫瘍・粘膜疾患、虫歯や歯周病が進行して頬・顎といった、お顔が腫れる蜂窩織炎に加え、ケガで歯や顎の骨が折れたり、口唇や舌への裂傷で受診される方もおられます。当院では先述の蜂窩織炎など、強い炎症が発現した際の消炎目的での静脈点滴も対応いたします。
- Q歯科口腔外科領域を地域のクリニックで診てもらうメリットとは?
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A
病院では開業医からの紹介状を携えての受診が基本です。紹介状なしの受診も可能ですが、追加料金が発生します。そして診療と詳細な検査を同日に受けることが難しいです。疾患にもよりますが、いざ手術となっても、それまでに何度も足を運ぶ必要があることも珍しくありません。当院では、MRIなどの検査を近隣のクリニック、歯や顎の骨の範囲内の疾患なら自院でのCTを受けることができます。他科領域にも関わると考える口腔外科疾患をお願いして診ていただくクリニックもあるので、他科と並行して受診する形です。結果として病院への処置になる場合も早期に判断を意識し、患者さまにご迷惑にならぬよう意識しています。
- Qこちらのクリニックの特色について教えてください。
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A
私は神戸大学医学部口腔外科学教室に入局後、大学院で研究し複数の関連病院で長く経験を積ませていただきました。絶対安全です、と確約はできませんが、口腔外科疾患に対する手技の選択や知識の引き出し、併発症回避の見極めなどは、それらが土壌になっていることは間違いないです。近隣歯科からの口腔外科処置依頼で来院される患者さまも多く、ありがたく思います。心臓病や糖尿病など有病者の方の治療では、他科かかりつけ医の先生と事前に文面や直接連絡を取り、慎重に臨みます。画像、アニメーション、模型を用いて事細かく説明する他、小手術においては、術式、併発症、その対応などポイントを記載した同意書を介してお話しをしております。
- Q設備面ではどのような特徴がありますか?
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A
安全な治療を提供するために歯科用CTを導入しています。親知らずの抜歯では、埋伏している位置によって、神経を傷つける・鼻腔のそばにある上顎洞(副鼻腔)を損傷するなどの併発症が発現する可能性があります。歯科用CTでは、歯の傾斜度合いや埋伏位置、大事な神経の走行、など周辺組織を複数方向から確認することで、処置の際に注意する要点が事前に掌握でき、併発症を少しでも回避できるアドバンテージになります。嚢胞疾患も、存在する部位によって処置の難易度が変わってくるので、歯科用CTが有用です。また、この夏に院内の一部リニューアル工事を行いました。今後も外科処置に特化した設備を順次構築したいと考えています。
- Q歯科口腔外科を上手に活用するためのアドバイスはありますか?
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A
ご自身の困っておられる状態を率直に歯科医師に伝えていただくことは大事です。有病者の方は事前に話してもらった情報が詳細なほど、処置が円滑に進むことが多くあります。中でも、既往歴なしの健康体、と自負されていた方に口腔外科疾患に関わる内科的検査をお勧めしたところ、内臓疾患が判明するケースも珍しくないです。また、埋伏する親知らずを将来的に抜歯したほうがよい、と説明を受けられた方は、歯科と歯科口腔外科の両方を標榜するクリニックで定期的なメンテナンスを受けるのもお勧めです。親知らずの状態や適切な抜歯時期の相談がタイムリーにできますし、検診と外科処置を併せて受けられる安心感にもつながるのではないでしょうか。