西松 成器 院長の独自取材記事
にしまつ歯科クリニック
(神戸市東灘区/摂津本山駅)
最終更新日:2024/09/02
摂津本山駅から徒歩10分の場所にある「にしまつ歯科クリニック」。院長の西松成器先生は、日本口腔外科学会口腔外科専門医の資格を持つ、口腔外科分野のエキスパート。一般的な歯科治療から、糖尿病など持病がある患者の治療まで幅広く対応する地域のかかりつけ歯科医師だ。西松先生は豊富な経験を持ちながらも、親しみやすい雰囲気で患者を迎え入れる。「口腔外科の治療は患者さまが緊張されることが頻繁にあるので、治療前はその方の趣味やちょっとした身近な話などをして、怖さがわずかでも軽減できるよう意識しています」と笑顔で語る。さらに、患者とスタッフの快適性向上のため、歯科医院のリニューアルを進めている。そんな西松先生に治療方針や今後の展望などの話を聞いた。
(取材日2024年7月3日)
専門知識を生かした、小さな変化を見逃さない治療
どのような患者さんが来られますか?
小さなお子さまからご年配の方まで幅広い年代の患者さまに通院いただいています。ご家族3世代で通ってくれている方も散見されますね。患者さまの6割程度の方が虫歯治療や予防歯科で、残りが口腔外科治療を目的に来院されます。口腔外科関連で目立つものが一般歯科医院では対応が難しい全身疾患をお持ちの患者さまです。糖尿病や心臓病などの持病がある方、内科の先生との連携が必要な症例の患者さまです。よほど難しい症例でない限り、大きな病院に行くことなく院内で治療を完結できることは当院の特徴の一つです。一般的な歯科治療から複雑な口腔外科治療までさまざまなニーズに応えられることが幅広い年代の方に通院いただける理由になっていると思います。
口腔外科がある歯科医院に通うメリットは何でしょうか?
一般的な歯科診療から専門性の求められる治療まで総合的な口腔ケアを一つの歯科医院で受けられることです。当院では歯や歯肉だけでなく、舌、唇、頬粘膜などを含む口腔内全体を診察します。このため、歯科では見逃されがちな、粘膜疾患や腫瘍などの早期発見にもつながります。また、口腔内に「できもの」等がある場合、その場で詳しい説明を行うので、患者さまの安心につながっていると思います。診断から治療まで当院で全うすることにより、あちこちの歯科を回る必要がなく結果的に迅速な対応につながります。また、口腔外科の知識を持つ歯科医師が診察することで小さな変化にも気づくことができ適切な治療を受ける流れになると考えています。
診療方針について教えてください。
予防と治療を適切に組み合わせお口の健康をトータルで守ることをモットーとしています。そのため歯科衛生士との連携は欠かせません。予防歯科に精通する歯科衛生士に歯科医師側が信用してもらい初めて私自身が至らない部分を補っていただき、よりこまやかな診療ができると思います。例えば定期検診で小さな虫歯を発見した場合、すぐ治療するか経過観察するかを判断する必要がありますが、歯科衛生士との話し合いの上、方針を定めています。歯科衛生士による予防のアプローチがあって、それが患者さまのお口の健康維持につながっていくと考えています。また、患者さまへは診断結果や治療の必要性をわかりやすく説明することを心がけています。この地域には歯科診療に対する啓蒙がなされている方が非常に多く、常に新しい知識や技術を研鑽し、患者さまの期待に応えられるよう努めています。
患者とスタッフの快適性向上のためリニューアルを決意
なぜ歯科医師になろうと思われたのですか?
中学時から続ける陸上競技長距離で故障をし、医療機関を受診する機会が頻繁で、医療が身近にあったことが歯科医師をめざす動機になりました。外科処置に興味があり、大学卒業後は、神戸大学医学部口腔外科学教室に入局しました、大学院で研究し、複数の関連病院に出向し、若手、中堅、部長、各々のポジションで、治療・手術ノウハウ以外に、病院と医療機関の連携、収支マネジメント、スタッフとのバランス、多くを学ばせていただきました。兵庫県は大学歯学部がないため、難症例が市中病院口腔外科に分散し、出向先では、学会雑誌でしか拝読できない、珍しい症例の治療に臨むことが何度もありました。また、教室員にはパワフルで優秀な人材が複数在籍し、日常の職場が高い熱量を発していて、そのような環境下で、私自身、何度も頭を打ちながら、育ててもらいました。この経験は大きく、強固な礎になっています。
予定されているリニューアルへの経緯を教えてください。
開院から14年経過し当院も手狭になってきました。そこで患者さまとスタッフの皆さまがより快適に過ごせるよう待合室を中心にスペースを拡張することにしました。現在、院内の狭さで患者さまにご不便をおかけしているので、少しでも心地良くお待ちいただけるようにしたいと思っています。また、当院のテーマカラー、ターコイズブルーを基調にしながら患者さまの気分を明るくし、リラックスしてもらえる空間をめざしています。外科的処置を受けるために緊張して来られる方が多いので緊張を和らげるような内装にしたいですね。患者さまにより良い環境で診療を受けていただけるよう、スタッフの方々の働きやすさも向上ができればとリニューアルすることを決めました。
リニューアル後の展望についてお聞かせください。
私自身もこれから患者さまとともに年齢を重ねていく中でより充実した診療を提供したいと考えています。特に注力したいのは、有病者の方への対応です。高血圧症、糖尿病、心臓疾患などの持病がある方が安心して歯科治療を受けられるようリニューアルではさらに設備の充実も図る予定です。また、高齢の有病者の方で、大学病院などでの入院治療ではなく、歩いて行ける近隣の歯科医院で、治療を受けたいというニーズは非常に高いように感じます。患者さまの医科かかりつけ先生との連携をコンスタントに行い、その方の情報を適切に把握することでより良い歯科治療を提供し地域の皆さまに末長く信頼される歯科医院としてよりこだわった歯科医療をめざしていきたいと考えています。
専門的な技術と真摯な対応で地域の人に貢献し続ける
患者さんと接する上で何を大事にされていますか?
コミュニケーションが大事かと実感します。さまざまな年代の患者さまと会話を弾ませるため、時事ネタや音楽、スポーツ等幅広い話題に興味を持つようにしています。治療時に患者さまの趣味や好きなことの話をし、ワンクッション置くことでその方との距離が縮まり緊張を和らげることができると思っています。説明時にはわかりやすい言葉で伝えることを心がけ、口腔内の写真やイラスト等を使います。理解いただけるまで繰り返しお伝えし、治療はせず説明だけの時間を設けることもあります。適切なコミュニケーションは、患者さまの本当の悩みや不安を引き出すことにもつながり、関係性が構築されていないと「痛いのは嫌」と言えない方は多いので、信頼関係を築いた上で安心して治療を受けてもらえるように心がけています。
こちらで働くスタッフさんについて教えてください。
スタッフの方は皆、人間ができておられ、職場内では歯科衛生士、助手の分け隔てなく、各々で助け合い、サポートし合っていることが特徴だと思います。長く働いてくれているスタッフが多いこともそれを物語っていると思います。定期的なミーティングで情報を共有し、診療中はスタッフ同士が小さな変化も見逃さないようにしてくれており、きめ細かな対応が当院全体に浸透し、「文化」になっています。私としてはさらに、皆がより働きやすい環境に、国が推進する「働き方改革」に呼応できるよう、就業規則を制定し、福利厚生の充実、透明性、組織が健康的に循環するよう、労務関連でも手抜きせず可能な限り努めています。このようなお互いを思いやる雰囲気や主体的に行動する姿勢が、患者さまが安心して通院できる環境づくりにつながっていると感じています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
当院では「誠実かつ真摯に対応する」という姿勢を大切にしています。同時に口腔外科の専門性を生かした治療を提供することで地域の皆さまのお役に立てると考えて技術の向上に努めています。痛みはできるだけ早く取り除くよう努め、丁寧な説明と優しい対応により、少しでも患者さまの不安を和らげられるようスタッフ全員で心がけています。また、当院に関わるすべての人々、患者さまやスタッフの皆を大切にし、良好な雰囲気の中で、内容にこだわった歯科治療を提供できるように臨んでいく気概です。何か気になることがあれば、いつでも気軽にご相談ください。