黒住 雄大 院長の独自取材記事
くろすみ歯科医院
(京都市山科区/山科駅)
最終更新日:2024/09/09

山科駅・京阪山科駅から外環状を南に徒歩7分、駅を背にして左手にある「くろすみ歯科医院」。一般歯科から小児歯科、矯正歯科、審美歯科まで幅広く対応する同院では、長期的な視点に立った診療を重視している。「その場限りの治療ではなく、長い目で見た患者さんの利益を優先したいんです」と語るのは、黒住雄大院長。口腔を入り口に全身の健康管理までもサポートしたいと考える院長は、マイクロスコープを活用した精密な治療をはじめ、「治療の見える化」による患者の意識向上など、患者の健康を守るためのさまざまな工夫を行っている。そんな黒住院長に、診療スタンスやその実現に向けて取り組んでいること、思い描く未来などについて話を聞いた。
(取材日2021年8月11日)
その場限りの治療ではなく、根本的な解決を図りたい
明るく開放感のある院内ですね。

診察室は緊張感のある医療の現場ですから、圧迫感のないよう広いスペースを確保しました。一方で待合室は白を基調とし、リラックスできる空間をイメージしています。診療が終わって出てきた時に患者さんにほっと安心していただけたらいいなと。場合によっては診察室で話せなかったことも待合室でなら話しやすいと思うので、患者さんの本音を取りこぼさないよう、スタッフには患者さんとのコミュニケーションを大事にしてほしいと伝えています。そこで得た情報を共有し合い、治療をより良いものにできたらいいですね。
先生が考える「より良い治療」とは何でしょうか?
痛い歯だけ治せばいいとお考えの方には、もしかしたら当院は向いていないかもしれません。対症療法だけを求めていると、最終的に元どおりのお口の状態に戻ってしまうのではないでしょうか。当院がめざすのは、そうしたその場しのぎの治療をできるだけ避け、根本的な解決を図ることです。そして、そういった姿勢で僕たちが取り組んでいることを、患者さんにしっかりお伝えするようにしています。お口の健康は全身の健康にも関わることがわかっていますので、患者さんと一緒に健康を守っていけるクリニックで在りたいと思います。
長い目で見た健康管理を大事にされているのですね。

そうですね。例えば歯ぎしりや食いしばりでお困りの方がいらっしゃいますが、背景にストレスを抱えているケースが多いです。強い食いしばりで歯が弱くなり虫歯になりやすくなったり、ひどいときは歯が欠けたりする場合もあります。でも、対症療法として虫歯治療や修復治療だけで終わらせてしまうと、いずれまた同じ症状が出ることも。それを防ぐには、原因を踏まえた解決方法を考えることが大事だと思います。具体的には、食いしばる力を受け止めるためのマウスピースを作って、同時に傷んだお口の中を治療していきます。その上で、治療後は適切な管理をすることで良い状態を保てるように努めています。
マイクロスコープを使った精密な治療に力を注ぐ
どんな患者さんがいらっしゃいますか?

当院は一般歯科から小児歯科、矯正歯科、審美歯科まで幅広く診療していますので、患者さんの世代やニーズもさまざまです。虫歯や歯周病の治療をはじめ、審美面の相談も多いので、一人ひとりに合わせてホワイトニングや矯正の提案をさせていただいています。どんな相談にも共通して心がけているのは、できる限りご自身の歯を残せるようにすること、そして、事前にきちんと説明して信頼していただくことです。
特に力を入れている治療があれば教えてください。
マイクロスコープを活用した治療です。視野を約30倍まで拡大し、細部まで見ることができるので、質の高い治療を行うためには欠かせません。その長所を実感できるのが、比較的小さい虫歯を削って直接詰め物をする、ダイレクトボンディングという治療。患部を拡大することで、虫歯周辺の健康な歯をできるだけ削らずに済むからです。一方で、マイクロスコープは神経まで達した重度の虫歯に対する根管治療にも役立ちます。根管内は複雑な形をしていて肉眼で確認するのが難しいので、マイクロスコープを使って根管内の汚れをしっかりと取り除くことが重要なんです。こうしたこまやかな処置の積み重ねが、お口の健康を維持することにつながると考えています。
マイクロスコープ以外に、機器や設備面の特色はありますか?

少し前に口腔内カメラつきの診療台に入れ替え、静止画だけでなく動画もお見せできるようになりました。お口の状態を自分の目で確認してもらうことで、「この歯は磨けていないな」と患者さん自身が気づきやすくなるので、治療に対する意識も高まるのではないかと思います。また当然のことですが、感染管理対策には以前から力を入れており、高精度の滅菌器を導入しています。使用した機器は薬液洗浄後に滅菌を行い、安心して治療を受けていただける環境を整えています。
長期的な関わりを通じた患者の健康管理をめざして
先ほどお話に出たマウスピースについて、もう少しお伺いします。

マウスピースは歯ぎしり対策として、健康保険が適用されます。また、マウスピースによって食いしばりの緩和を図ることは、かぶせ物やインプラントを長持ちさせることや、睡眠の質向上にもつながるでしょう。体に負担の少ない方法なので、マウスピースの使用をきっかけにより一層、患者さんには健康に意識を向けていただけたらと思っています。お口の変化は数年たたないとわからない場合が多いので、諦めずに使い続けてほしいですね。
噛み合わせや歯並びの領域の治療も得意だそうですね。
マウスピースもその一つですが、矯正治療にも対応しています。ただ、小児の矯正は行っていないので、噛み合わせや歯並びに問題がある場合は、専門クリニックの受診を促すようにしています。育ち盛りの子どもの場合、タイミングを逃すと治療内容や費用面の負担が大きくなるケースが少なくないんですよ。ですから、お口の成長を見守る中で、適切な時期に矯正の専門家への橋渡しができればと思います。自費診療ですから悩む方もいるかもしれませんが、矯正で適切な歯並びをつくることをめざし、その後何十年も歯を失わずに済むのなら、こんなにコストパフォーマンスの良い治療はないのではないでしょうか。当院では健康管理の一環として、長期的な視点から患者さんの利益を考えてお話ししています。
今後の展望と読者へメッセージをお願いします。

口の中は全身の健康状態が反映される部分なので、「今日は調子が悪いのかな?」という気づきが、病気を見つけるための入り口になる場合があります。ただこれは、長く患者さんの経過を診ているからこそ気づけることであり、信頼関係があるからこそお伝えできること。当院では歯の治療を通じ、お口はもちろん全身の健康管理に対する意識を高めてもらうことを最終ゴールと考えています。……なんて言うと、構えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、どなたでも気になることがあれば気負わずにお越しください。そうやっていらっしゃった方が、定期的に足を運びたくなるようなクリニックづくりをしていきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは成人矯正/80万円、インプラント治療/35万円~、セラミック治療/9万8000円、ホームホワイトニング/3万3000円、ダイレクトボンディング/3万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。