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栗本 泰行 院長の独自取材記事

くりもと循環器クリニック

(大阪市東淀川区/瑞光四丁目駅)

最終更新日:2026/10/09

栗本泰行院長 くりもと循環器クリニック main

瑞光四丁目駅から徒歩約10分の「くりもと循環器クリニック」は、2010年の開院以来、循環器疾患や生活習慣病、人工透析など幅広い診療を通して地域の健康を支えてきた。院長の栗本泰行先生は、患者と対等な目線で向き合い、何でも話してもらえる関係を何より大切にしており、その根底にあるのが、勤務医時代に学んだ「全人医療」と「As My Family」という考え方だ。開院から15年を経た今もその思いは変わらず、長く通う患者のフレイルや認知症まで見据える一方、若い世代には早めの受診を呼びかけ、スタッフとも人と人とのつながりを大切にしているという。そんな栗本院長に、現在の診療への思いや患者との向き合い方、スタッフとの関係、医院の展望について話を聞いた。

(取材日2026年9月18日)

全人医療を原点に、患者との信頼関係を育む

開院から15年。クリニックで変わったことはありますか?

栗本泰行院長 くりもと循環器クリニック1

大きな変化としては、2024年に心臓カテーテルの検査・治療を終了したことです。それまでは日帰りで検査や治療まで当院で行っていましたが、現在は必要に応じて病院へ紹介する形になりました。一方、人工透析はこれまでと変わらず、循環器の視点も生かしながら診療に携わっています。自分が直接関われる範囲が少し狭くなった寂しさはありますが、ありがたいことに長く通ってくださっている患者さんとの関係はほとんど変わっていません。カテーテル治療ができなくなっても、多くの患者さんが医院を離れることなく足を運んでくださっています。開院から15年を振り返っても、患者さんとの信頼関係の大切さを改めて感じる日々です。これまで築いてきた関係を大切にしながら、必要な時には適切な医療機関へつなぎ、その後も継続して診ていきたいと思っています。

患者さんと向き合う上で、大切にしていることはありますか?

やはり、医師と患者さんのどちらが上か、ということではなく、対等な目線でお付き合いすることが大切だなと感じています。患者さんが「こんなことを言ったら怒られるかな」「こんな話をしてもいいのかな」と感じてしまうと、本当に必要な情報が出てこないことがあります。だからまずは、何でも話してもらえる雰囲気をつくること。その上で、病気そのものだけを見るのではなく、普段どんな生活をしているのか、ご家族との関係や考え方まで含めて知るようにしています。そうした何げない会話の中に、治療のヒントが隠れていることも多いんです。一人ひとりの背景を理解した上で、その人に合った治療や助言につなげていきたいと思っています。

そうした患者さんとの向き合い方の根底には、どのような考えがあるのでしょうか?

栗本泰行院長 くりもと循環器クリニック2

勤務医時代に在籍していた淀川キリスト教病院には、「全人医療」という考え方がありました。病気だけを見るのではなく、心と体、そしてその人自身を一人の人間として捉え、向き合うという考えです。そこで学んだ「For the Patient」、そして「As My Family」……自分の家族のように患者さんに接するという姿勢は、今も診療の根底にあります。私自身はクリスチャンではありませんが、目の前の方を大切な一人の人として見るという考えには共感していますし、それはスタッフにも伝えています。医療は治療だけで成り立つものではありません。患者さんに安心して話していただけること、信頼して任せてもらえることまで含めて、初めて良い医療につながるのだと思っています。

病気の先の暮らしまで見据え、元気な毎日を支える

診療で意識することも変わってきましたか?

栗本泰行院長 くりもと循環器クリニック3

そうですね。開院当初から通ってくださっている患者さんも年齢を重ね、フレイルや認知症について考える機会が増えてきました。せっかく長生きしても、自分の足で歩けなかったり、自分で判断して生活することが難しくなったりすると、日々の楽しみも減ってしまいます。だからこそ、病気の数値を管理するだけでなく、その先の生活まで見据えることが必要だと思っています。勤務医時代には心臓リハビリテーションにも携わっていたので、運動の重要性は強く感じていますし、今もできるだけ日常生活に運動を取り入れるようお話ししています。さらに、脳トレーニングなども活用しながら、体と頭の両方を意識してもらうことも大切です。できるだけ元気に、その人らしい毎日を送ってもらいたいですね。

糖尿病をはじめとする生活習慣病の診療では、どのようなことを大切にしていますか?

心臓病は、ある日突然何もないところから起こるわけではありません。高血圧症や脂質異常症、糖尿病などが背景にあり、きちんとそれらのコントロールを図ることが、将来の心筋梗塞や脳卒中を防ぐことにもつながります。特に糖尿病は新しい治療法や知見も次々に出てくる分野なので、常に情報を更新しながら、その方に合った治療を考えるようにしています。年齢や合併症、仕事や生活の状況によっても、無理のない治療の形はそれぞれ違います。ただ数値だけを見るのではなく、どうして治療が必要なのかを一緒に確認しながら進めていくことも大切です。検査結果や医学的な根拠もわかりやすくお伝えしながら、その方の生活に合った治療を一緒に考えていきたいです。

若い世代には、どんなタイミングで受診してほしいと考えていますか?

栗本泰行院長 くりもと循環器クリニック4

若い方は仕事や家庭のことで忙しく、健康診断で異常を指摘されても、そのままにしてしまうことが少なくありません。ただ、高血圧や脂質異常症などは自覚症状が乏しいまま進むこともありますし、中には家族性高コレステロール血症のように、遺伝的な要因が関係する病気もあります。特に働き盛りの世代は、ストレスなどで血圧が上がることもありますから、「まだ若いから大丈夫」と思わず、一度きちんと確認してほしいですね。また、動悸や脈の乱れなど、不整脈を疑う症状がある場合も気軽に相談してもらえればと思います。当院は予約制を取っていることに加え、午後の診療も行っており、忙しい方にもできるだけ待ち時間なく受診いただけるように工夫しています。

感謝を伝え合い、人を思いやるクリニックづくり

スタッフとの関係づくりでは、どんな工夫をされていますか?

栗本泰行院長 くりもと循環器クリニック5

普段は診療や書類の仕事もあって、スタッフとゆっくり話す時間をなかなか取れません。だからこそ、意識して気持ちを伝え合える機会をつくるようにしています。その一つが、毎月の給料日の後に行っているメールのやり取り。面と向かっては少し言いにくいことも文章なら伝えやすくなりますし、仕事の話だけでなく「最近こんなことを始めました」といった日常の話をすることもあります。そうした何げないやり取りも、相手のことを知る大切なきっかけになりますし、これからも続けていきたいですね。また、年に2回の面談でも、一人ひとりと話す時間を設けていますし、食事会も開催し、スタッフ間のコミュニケーションを深めています。一人で仕事をしているわけではありませんから、支えてもらっていることへの感謝を忘れず、何かあれば気兼ねなく伝え合える関係をつくれるよう心がけています。

患者さんとの関わり方について、皆で共有していることはありますか?

一番は、患者さんに優しく接してほしいということですね。医療の知識や検査機器の操作など、仕事をする中で身につけなくてはならないことはたくさんありますが、人にどう向き合うかという部分はそれ以上に大切だと思っています。当院では、先ほどお話しした「As My Family」という考え方をスタッフにも伝えていて、患者さんを自分の家族のように思って接してほしいと話しています。患者さんが安心して何でも話せるのは、医師だけでなく、受付や看護師を含めたクリニック全体の雰囲気があってこそです。ですから、経験や技術だけではなく、人への思いやりを持って周囲と関わることを大切にしてほしいですね。

これからどんなクリニックにしていきたいですか?

栗本泰行院長 くりもと循環器クリニック6

これまで通ってくださっている患者さんとの関係を大切にしながら、これからは若い世代の方にも、何か気になることがあれば早めに相談してもらえるクリニックになれたらいいなと思っています。そのためにも、医師だけでなくスタッフみんなで、安心して話してもらえる雰囲気をつくることが大切だと思っています。働くスタッフにとっても、お互いに感謝し合いながら気持ち良く働ける場所でありたいですし、そうした考えに共感してくれる方との良いご縁があれば、ぜひ一緒に働いてもらえたらうれしいです。患者さんにもスタッフにも、「ここで良かった」と思ってもらえるクリニックをめざしていきたいです。