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辻 博子 院長、大垣 仁 さんの独自取材記事

伊藤人工透析クリニック

(京都市伏見区/墨染駅)

最終更新日:2021/10/12

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京阪本線・墨染駅より徒歩5分。住宅街の中を線路沿いに北へ進むと「伊藤人工透析クリニック」が見えてくる。広々とした院内駐車場には何台もの送迎サービス専用車が待機している。院長の辻博子先生は関西医科大学卒業後、京都大学医学部附属病院や康生会武田病院、三菱京都病院などで腎臓内科のスペシャリストとして数多くの臨床経験を積んできた。2018年には伊藤人工透析クリニック院長に就任、経験豊かなスタッフとともに透析診療にあたっている。「地域に密着したサテライトの透析施設としての役割を果たしたい」と語る辻先生と、その診療を支える看護師の大垣仁(ひとし)さんに透析医療にかける思いを聞いた。

(取材日2020年2月5日)

専門スタッフとともに、チームで透析医療に取り組む

2年前に院長に就任されたそうですね。

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【辻院長】はい。大学院卒業後、JR京都駅前の康生会武田病院で腎臓内科を担当していました。その時の上司が、この伊藤人工透析クリニックの開設者である伊藤坦先生でした。当初こちらにはスタッフとして勤務する予定だったのですが、伊藤先生がご病気で急逝されたんです。そこで伊藤先生に代わり私が院長就任ということに。突然の重責に戸惑いましたが、大勢の患者さんとスタッフを放っておくわけにはいきません。本来なら伊藤先生がいらっしゃって私がお手伝いをするというかたちになるはずでしたが、伊藤先生が築かれた組織、そしてクリニックを維持できるのは私しかいませんでした。それまで勤めていた病院を予定より3ヵ月ほど早く退職し、2018年にこちらの院長に就任しました。

クリニックの印象はいかがでしたか?

【辻院長】円滑なクリニック運営にあたって、スタッフの力が非常に大きく関わっていると感じました。こちらには現在約50人のスタッフが勤務しています。看護師、各種機器を扱う臨床工学技士、医療事務スタッフ、送迎ドライバー、それぞれが専門職として自分の役割に責任を持ち、自主的に動いています。一つ一つに私が指示するということはありません。診療という点では医師である私が責任を持ち、看護師や臨床工学技士の報告・相談に対して判断すべきことは判断します。看護師の仕事は、患者さんの容体を細かくチェックし医師に報告、そして判断を仰ぐ……という一連の流れで患者さんを安定した状態に保つことです。それぞれの役割分担がきちんと確立され、チームで透析医療に取り組む。そのスタイルはこれまで試行錯誤しながら皆で築き上げてきたものなんだと思います。

看護師である大垣さんにとって、辻院長はどのような方ですか?

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【大垣さん】まず辻院長は僕たちの思いや考えをよく聞いてくれます。他院では現状起こっている問題に対して、医師から「○○しておいて」と指示だけされることが多かったのですが、辻院長は僕たちスタッフの意見を尊重してくれるんです。であれば、スタッフとしても患者さんから得られる情報をしっかりと院長に伝えなければならないという気持ちが強くなります。こちらに来てから僕は今までよりさらに責任感が増したと思います。また、4時間透析で1クール40人の患者さんを見るとなると、患者さん一人ひとりに関わることのできる時間は限られます。新鋭の機器や透析システムを導入することで患者さんと接する時間を増やせるのですが、そういった機器の導入についても辻院長は積極的に対処してくれますね。

腎臓内科の医師として、きめ細かな診療を提供

クリニックの特徴を教えてください。

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【辻院長】ドメスティックな地域密着型の透析施設であるということです。エリア内であれば通院送迎システムをご利用いただくこともできます。当院は新鋭の透析機器を備えた、透析に特化したクリニックです。看護師や臨床工学技士など透析に関わるスタッフと患者さんとの関係も密になります。患者さんとは1日おきに顔を合わせますので、スタッフは常に患者さんの状態を把握することができますし、それが早めの対処にもつながります。患者さんにとって透析は生活の一部です。何も問題がなければサクッと治療を受けていただいて帰宅。何かあったときにはスタッフからすぐに医師に報告がありますので、必要であればご家族にも来ていただいて、今後のことを一緒に相談することも可能です。

診療で心がけていらっしゃることはありますか?

【辻院長】私は三菱京都病院で14年間にわたり外来の患者さんや透析導入前の患者さんを診療してきました。長年、腎疾患の患者さんを診てきていますので、これまでの経験を踏まえて患者さんには最良の診療を提供したいと思っています。通常は私自身が毎日回診して、患者さんの細かい体重管理や血圧管理を行っています。そうすることによって、患者さんの安定した状態を保つことができるからです。透析は大変ですが、医学も進歩しており、治療しながらでも普通に過ごすことができるようになってきました。治療における良い点を患者さんが享受され、治療困難な状態になる前に病院と連携し、サテライトの透析施設というクリニックとしての責任を果たしたいと思っています。

看護師としての患者さんに対する役割とはどのようなものですか?

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【大垣さん】今起こっていることだけでなく、患者さんの背景、例えばご家族のことなど、一歩踏み込んだ関わりが必要とされていると思います。「血圧が高いのでこの薬を飲みましょう」ではなく、本当にきちんと服用できているのか、そこに何らかのサポートがあるのか、患者さんに確認し把握して、それにどう対応するかというところまで考えなければなりません。僕たちは月に1度、患者さんのフットチェックを行っています。糖尿病や透析の患者さんは血液の循環が悪くなり、ちょっとした傷から重篤な足病変に陥ることがあります。そうしたことを事前に防ぐため、透析管理の中のフットケアにも力を入れています。また、看護師と臨床工学技士はペアでその日のフロアを担当しますが、臨床工学技士は透析の効率など定期的に評価し医師に提案します。クリニックでは各専門職が自分の専門を生かし、透析診療の一翼を担っているんです。

患者とその家族に信頼される地域の透析施設をめざして

なぜ医師になろうと思われたのですか?

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【辻院長】私は両親が年を取ってから生まれた子どもでした。「わしはいつ死ぬかわからん」と父がしょっちゅう言うので、生きていくためには自分で何とかしなきゃ、手に職をつけなければ……と昔から思っていました。両親ともに医師でしたので、自然と私も医師を志すように。そして、研修医になった京都大学医学部附属病院の内科で初めて受け持ったのがネフローゼ症候群の患者さんだったんです。それが腎疾患に触れた最初でした。当時は腎臓を専門とする医師が少なく、腎臓内科という標榜科目もなかった時代です。教授にも勧められ、この道を選びました。

忙しい毎日のリフレッシュに何かなさっていますか?

【辻院長】なぎなたです。始めたのは十数年前ですが、母が大阪女子高等医学専門学校(現・関西医科大学)の学生だった頃になぎなたのクラスがあったと聞いたことがあり、ずっと興味はありました。40歳になった頃、母の知り合いでご年配であるにもかかわらず背筋のしゃんと伸びたすてきな方に出会ったのですが、彼女がなぎなたのクラブを紹介してくれたんです。指導してくださる先生がとても良い方で「皆いろいろあるけれど、辞めずに続けることが大切です」と言ってくださったので、今日に至る、という感じです。おかげで今は健康な毎日を過ごしています。なぎなたをやっていなかったら、今よりもっと衰えていたかもしれません(笑)。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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【大垣さん】透析導入後3日目など短期間のうちにクリニックに来院される患者さんが増えています。導入期の状態でこちらに来られる患者さんの多くは不安を抱えておられます。そのような方も安心して治療が受けられるよう、スタッフが適切にフォローします。病気のこと、治療のことなど僕たち看護師がお教えしますので、安心して通院していただきたいと思います。
【辻院長】近隣の医療施設と連携しつつサテライトとしての役割を果たしながら、今後も標準的な診療を提供し続けたいと思います。患者さんのデータ管理から全身管理までバックアップしてくれるスタッフとともに、診療の質を維持していきたいですね。腎臓内科の医師ならではのきめ細かな診療で病状変化の早期発見に努め、患者さんとご家族を支援したいと思っています。

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