全国のドクター9,045人の想いを取材
クリニック・病院 160,868件の情報を掲載(2022年5月16日現在)

  1. TOP
  2. 鹿児島県
  3. 姶良市
  4. 帖佐駅
  5. 医療法人尚來会 いわつぼ耳鼻咽喉科・めまいクリニック
  6. 岩坪 哲治 院長

岩坪 哲治 院長の独自取材記事

いわつぼ耳鼻咽喉科・めまいクリニック

(姶良市/帖佐駅)

最終更新日:2022/03/02

Dfmain

鹿児島市のベッドタウン、姶良市の桜島スマートICから車で約5分。イオンタウン姶良にほど近く、周辺には多くのクリニックが立ち並ぶ場所にある「いわつぼ耳鼻咽喉科・めまいクリニック」。岩坪哲司院長は日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医で、めまいの診療のスペシャリスト。丁寧に診るというモットーのとおり、そのまなざしは真剣でいて温かく、患者と真摯に向き合う様子が容易に想像できる。「めまいに悩む患者さんができるだけ日常生活を普通に送れるよう、サポートしたい」と語る岩坪院長に、診療方針や開院の経緯について聞いた。

(取材日2021年3月25日)

さまざまなアプローチを組み合わせためまい診療

クリニックでは主にどんな病気について相談できますか?

Df1

アレルギー性鼻炎、中耳炎、副鼻腔炎、扁桃炎などの一般耳鼻科のほか、特にめまいの診療に力を入れています。「めまいが起きた時にどの診療科にかかればよいかわからなかった」という話をよく聞いたので、そういった患者さんの窓口になれるように、クリニックの名前にも「めまい」と入れました。めまいが起こる原因はさまざまで、脳、筋肉・関節、ストレスなど、耳以外の病気が原因の可能性も。まずは丁寧に診察・検査を行い、原因が何かを特定することから始めて、そこから患者さん一人ひとりに合った治療を考えていきます。原因が耳鼻科の範囲でなければ適切なクリニックをご紹介しますし、複合的であればほかの診療科の先生と連携して診ていく場合もありますね。幸い、姶良市にはクリニックが多く、大きな病院もありますから、地域の先生方にも協力していただきながら治療をしています。

めまいとはどんな症状で、どのようなアプローチをするのでしょうか?

頭がフラフラする、目が回る、吐き気がする、真っすぐ歩けない、朝起きられないなどの症状がある方はめまいを伴う病気の可能性があります。病名は原因によってさまざまで、耳の最も奥にある内耳の障害が原因の良性発作性頭位めまい症、メニエール病、前庭神経炎や、メンタル面に関わる起立性調節障害などがあります。診断をつけたら、当院では投薬と「前庭リハビリテーション」と呼ばれるトレーニングの2つを柱に対応していきます。また、有酸素運動、水分摂取が改善の一助となることもありますから、患者さんの症状を見極めながら、幅広い方法を組み合わせています。

トレーニングについて教えてください。

220222cs2

目的は小脳を鍛えることです。内耳には前庭系という脳に姿勢の情報を伝える器官がありますが、ここに異常が起きると、情報伝達がうまく行われずに平衡感覚を失い、めまいが起こります。この前庭系の機能低下を助けるために、平衡感覚を司る小脳を鍛えるのです。例えば、フィギュアスケーターを思い出してください。スピンやジャンプで回転しても、倒れることなく滑っていますよね。これが可能な理由は、スケーターの小脳が毎日の練習で自然と鍛えられているからです。人の体は回転すると目が勝手に左右に揺れるようにできていますが、これは体の平衡感覚を保とうとする小脳の働きによるもの。しかし回転を止めた時、普通はその変化に適応できず、目が揺れ続けてしまいます。これが「目が回る」状態。一方、スケーターはすぐに目の揺れが止まるので目が回りません。患者さんもそれができるようにするために訓練を行います。

「めまい教室」も開催。根気強く患者に寄り添う

めまいは根治が難しいと聞きました。

Df3%e5%b7%ae%e6%9b%bf

軽い症状の方は一時的な通院で済むこともありますが、慢性的に重い症状を抱える方は、可能な限り症状をコントロールすることをめざします。上手に付き合っていくイメージですね。具体的には、症状がこれ以上悪化しないようにすること、「めまい発作」が起こりにくくすることの2点に主眼を置いて治療しています。「めまい発作」は慢性の前庭の障害がある方に時々起こるひどいめまいのことで、患者さんが日常を穏やかに過ごしていくためにはこの頻度を減らしていくことが重要です。特に高齢者は、発作が起こって転倒してけがなどしてしまうと、最悪の場合寝たきりになることもありますから……。患者さんがうまく病気と付き合って、日常生活を普通に送れるようにサポートすることが、医師として一番のやりがいですね。

めまい診療をするクリニックを開業しようと考えたのはなぜですか?

勤務医時代にもめまいの患者さんを診る機会がありましたが、大学病院ではどうしても継続的にフォローしていくのは難しいと感じていたからです。めまいの治療は基本的に長期戦になりますので、通いやすい・相談しやすい環境づくりも大切。ところが病院は敷居が高いと感じている患者さんも多いようで、「まだ少しフラフラする気がするけど、とりあえず良くなったからもういいや」と通院をやめてしまい、再び症状が悪化するケースを多く見てきました。めまいの症状を抱えながらの通院はただでさえストレスがかかりますから、メンタルへの配慮や気力面のサポートも含めて、こまやかに経過を把握して症状をコントロールしていける身近な医師が必要だと思い、開業に至りました。

患者さんをサポートする上で工夫されていることはありますか?

Df4%e5%b7%ae%e6%9b%bf

今は感染対策でお休みしていますが、以前は月に1回のペースで「めまい教室」を開催していました。教室では、先ほどお話ししたようなめまいが起こる仕組みなどについて説明した後、トレーニングの指導をします。初めての方も、何度も参加されている方もみんなで一緒に練習をすることがポイントです。めまいのある患者さんは、周囲の人に症状を理解してもらえず、「どうして私だけこんなにつらいんだろう」と孤独感を持っている方も多くいます。教室を通して仲間がいることを知ったり、悩みを話し合ったりすることで、「気持ちが軽くなった」と言う患者さんもいるんです。「自分だけじゃないんだ」と思える場があって、さらに症状をコントロールできている先輩が側にいれば、治療への意欲も湧きますからね。状況が落ち着いたら、再開したいです。

患者の治療へのモチベーションを保つために

診療で心がけていることは何ですか?

Df5

これまでも話してきたように、めまいの治療は時間をかけて症状をコントロールすることをめざすので、医師だけでなく患者さんにも根気がいります。モチベーションを持って治療に取り組むには、まずは患者さん自身に病気について理解してもらうことが大切。しっかりと説明の時間をとるため、初診は完全予約制です。説明する時は、患者さんが具体的なイメージを持てるように、さまざまな工夫をしています。例えば、耳の中は患者さんが直接目で見て確認できない部分ですから、患部を写真に撮ってモニター画面でお見せしたり、検査結果を書類でお渡ししたりしていますね。また、できる限りわかりやすい言葉を選び、患者さんを混乱させることがないように努めています。めまいはストレスで症状が悪化することがあるので、コミュニケーションがうまくいかないことで患者さんが医師に不信感を持ってしまってはいけませんから。

治療には漢方薬も使われているのですね。

治療ではなるべく複数の選択肢を提案するようにしていて、患者さんの希望も聞きながら進めていきます。漢方薬もその選択肢の一つという位置づけです。例えば、めまいに睡眠障害を伴う場合には睡眠導入剤を処方しますが、眠るために薬を飲むことに抵抗感がある方もいますので、その場合は漢方薬も選べますよ、と提案することがあります。基本的に西洋薬と併用しますが、薬の副作用が気になるなど、患者さんにはちょっとした不安でもお話していただいて、できる限り気持ちをくんだ治療をしていきたいと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

Df6

めまいの患者さんは長期にわたる治療に不安を覚え、かかりつけ医を信頼できずに「もっと良い先生がいるかも」「もっと早く治る方法があるかも」と医療機関を転々とする「ドクターショッピング」に陥っている方も多い印象です。そういった方の受け皿になれるクリニックでありたいと思い、当院ではわかりやすい説明を心がけたり、患者さん同士の交流の場を設けたり、さまざまな面から患者さんが安心して通院できるような取り組みをしています。感染対策についても、時間帯予約制を取り入れて一度にクリニックを訪れる患者数を制限しているほか、患者さんに車の中でお待ちいただき、順番が来たらブザーを鳴らしてお呼びする対応も始めました。少しでも不安なことがあれば、ぜひ当院に相談にいらしてください。

Access