全国のドクター14,244人の想いを取材
クリニック・病院 157,770件の情報を掲載(2026年6月02日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 大田区
  4. 雪が谷大塚駅
  5. かわかみクリニック
  6. 河上 哲也 院長

河上 哲也 院長の独自取材記事

かわかみクリニック

(大田区/雪が谷大塚駅)

最終更新日:2026/06/01

河上哲也院長 かわかみクリニック main

雪谷大塚の閑静な街並みに溶け込む「かわかみクリニック」。一軒家を改築した医院は、落ち着きと安心感が漂っている。院長の河上哲也先生も、人をほっと安堵させるおおらかな人柄。そんなアットホームな医院だが、河上院長は大学病院の消化器外科での専門治療や、一刻を争う救命救急医療の前線で経験を重ねてきたベテランだ。過酷な救急医療と町医者。一見、タイプが違うように見える2つだが、実はとても近く、密接に関連する内容でもある。「経験が大いに生きていますよ」と語る河上院長の地域密着型医療について話を聞いた。

(取材日2026年4月30日)

救命救急医療の経験を、町の開業医として還元

開業して16年。アットホームな雰囲気で街並みになじんでいますね。

河上哲也院長 かわかみクリニック1

この建物は自宅兼医院ですが、建てた当時は開業医で免震構造を使うことはあまりなかったようで、その工務店で初めて免震構造を使った医院だと聞きました。2010年の開業で、翌年に東日本大震災がありましたからね、免震構造にしておいて良かったと思いましたよ。院内は温かみを感じる空間作りを意識し、診療室の棚も無機質なものではなく、木製の食器棚を置いてあります。私はDIYが好きで、診察室の机、待合室の椅子は私が電動ドリルを使って作ったんですよ。私の父も開業医で母も眼科医として働いており、生まれ育った実家も医院と自宅が一緒でした。昔は手術室や入院施設を設けている医院が多く、私の実家も7割くらいが診療施設でした。その隅っこで家族が生活しており、父が「こんなに大きな盲腸は珍しい」と言いながら走り回っているところを見ていましたからね(笑)。だから私も当然、将来は医師になるんだろうなと思っていました。

そして医師になり、消化器外科、一般外科、さらに救命救急医療も経験されましたね。

日本大学医学部を卒業後、同大医学部第3外科に入局しました。大学病院時代は消化器外科を中心に診察していましたが、各出向病院では一般外科、救命救急医療など幅広く経験を積むチャンスに恵まれました。特に救命救急に携わっていた頃は、毎日がまるで野戦病院のようでした。生死をさまよい一刻を争う状況の患者さんを治療してきましたから、エピソードもつらい話が多くなってしまいますし、交通事故の患者さん、農薬を飲んで自殺を図ろうとした患者さん、さまざまな人間模様も見てきました。当時は、新聞やテレビなどで救急患者のたらい回し事件が頻繁に報道されていた時期でした。患者さんをお断りすることも難しく、救急車が3台も並んでしまう日もありました。肉体的にも精神的にもきつかったですが、その経験が今、とても役立っています。

「救命救急」と「町医者」。一見、タイプが違うように思えますが?

河上哲也院長 かわかみクリニック2

救命救急の現場では、どのような症状の患者さんが、いつ運び込まれるかわかりません。患者さんにとっては、そこで初めて自分を診てくれる医師が救命救急の医師になります。この点は、町医者の役割とどこか重なります。体調に違和感を覚えたとき、まず近所の開業医を受診しますよね。どんな症状であっても最初に受け止め、診断の入り口になる存在です。救命救急の医師も町医者も、「最初に患者さんに向き合う医師」であり、幅広い診療力が求められるのです。当院は消化器内科をはじめ、外科、内科、小児科、皮膚科、肛門科と幅広く診療を行っています。医師になった当初は手術のスペシャリストになりたくて、消化器外科を専門にしましたが、最終的には町医者になるのが夢でした。その夢が現実になったというわけです。

何でも診られる「町医者」であり続けたい

開業する際、どんな医院にしたいと思われていましたか?

河上哲也院長 かわかみクリニック3

実はね、看板をつくるときに、いっそのこと「かわかみ町医者」にしようかなと思ったんです(笑)。消化器外科、一般外科、救命救急医療の現場で培ってきた経験。そして町医者の先輩である父から学んだこと。そして私のめざしている患者さんとちゃんと向かい合った診療。それら全部を表現できる言い方は、「クリニック」よりも「町医者」なのかなと考えたからです。父からは「とにかく何でも診られる医者になれ」と言われました。わからないことがあれば、一人で抱え込まずに大学病院へスムーズに紹介すればいいと。診療中に患者さんとけんかになってもいい。その患者さんが帰るときには、「またここに来よう」と思ってもらえたらいいのだと。「あそこに行けば安心」そう思ってもらえる医師になりたい。それは、いまも変わらない思いです。

患者さんの年齢層と診療内容も幅広いのでしょうね。

下は予防接種を受けに来る乳幼児、上は100歳近くです。診療内容のメインはやはり生活習慣病ですね。あとは、外科で粉瘤やおできの処置もしますし、皮膚症状の方もいます。消化器外科は肛門までカバーするので、痔にお悩みの患者さんもいらっしゃって、手術が必要だと判断した場合は大学病院をご紹介しています。妻は眼科医で別に開業していますが、この院内に眼底カメラなど、眼科の検診に必要な機器は一式そろえていて、検査結果を妻に診断してもらっています。区の検診にも対応しています。そして私の専門分野である経鼻内視鏡も用意しています。これは口から入れる内視鏡と違って、ほとんど吐き気を催すことなく検査できます。

これまでの経験が本当に生きていますね。

河上哲也院長 かわかみクリニック4

専門分野であるおなかを診ることは多いのですが、最近「おなかが張って痛い」と訴える患者さんがよくいらっしゃいます。これは新型コロナウイルスの流行以降に特に増えたと感じ、その理由としてマスクが関係していることがあります。マスクをするとどうしても口呼吸になって、空気を飲み込んでしまうんですね。げっぷで出せればいいのですが、お子さんなどでうまく出せない場合は下にいってしまいます。そうするとおなかが張った状態になり、痛くなることがよくあるんです。大人でもいらっしゃいます。ですから、口呼吸をなるべくしないようにとお話することはあります。この症状に限ったことではなく、薬を使わずに症状を減らせるなら、それに越したことはないですからね。

治療に加えて、患者の生活の質を上げるための手助けも

患者さんと接する時に心がけていることはありますか。

河上哲也院長 かわかみクリニック5

患者さん、特に初診の方は、正直になんでも話してくれない方もいらっしゃいます。おなかが痛いといっても、何か変なものを食べたのか、ストレスから来ているのか、話を聞かないとわからないことがたくさんあります。ですから、話しやすい雰囲気に持っていくようには心がけています。例えば、高血圧の薬を処方しても、なかなか血圧が下がらないという場合、よく話を聞いてみると、ラーメンなどをよく食べているとわかることがあります。そのような場合、回数を減らすことをご提案するようにし、改善に導きます。治療効果につなげるために、話を聞いて生活習慣などを把握することは大事だと思っています。

まさに「町医者」として近隣の方が駆け込む場所になっていますね。

ここに家を建てた後、すぐ開業したわけではなく、まだ小さい子どもたちを車で駅まで送ってから、蒲田にある父の医院に出勤していたんです。その時に毎朝散歩しているおじいさんがいて、よく会うから「おはようございます」とあいさつするようになりました。その後、開業したら、その方が知らずに来院されて、びっくりしました。そんなふうに、近隣の方がすぐ来られる町医者として、健康を守るお手伝いができていることにやりがいを感じますね。まさに僕がめざしていた形になっているのかなと感慨深くもあります。

今後、さらに力を入れていきたいことはありますか。

河上哲也院長 かわかみクリニック6

地域密着の医院として、がんをできるだけ早く見つけることや、生活習慣病の治療をすることももちろん大切です。でもそれだけでなく、患者さんの生活の質を上げるお手伝いがしたいと常々考えています。たとえ小さなイボであっても、外科医として治療して差し上げることで、患者さんの生活の質の向上につながるのではないかと考えています。はたから見たらたいしたことではなくても、ご本人は気になって悩んでいることがあるものです。それは、ご高齢の方でも同じです。ですから、そういった気分が前向きになったり、生活の質が上がるようなことにも、できる範囲で対応していけたらとは思っています。いろいろ相談できる「町医者」として、どんな悩みでも話してみてください。