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玉置 治夫 院長の独自取材記事

はるお内科クリニック

(堺市西区/上野芝駅)

最終更新日:2019/07/02

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JR阪和線の上野芝駅から徒歩2分。「はるお内科クリニック」は上野芝メディカルシティ3階に開業し9年を迎える。内分泌代謝内科・甲状腺内科を主体に風邪や予防注射にも対応する一般内科から、生活習慣病まで診療する地域に根差したクリニックだ。特に甲状腺の病気は女性のライフイベントとして大きなウエイトを占める妊娠・出産において、甲状腺の病気ではホルモン管理が重要となってくるため、地元の産科と連携して診療を行っている。甲状腺疾患における専門性の高い治療を長年にわたり提供してきた玉置治夫院長は、甲状腺というまだ認識度の低い病気への不安を患者に感じさせないよう、気遣いを忘れない。ベテランならではの配慮が感じられる診療方針や患者への心遣い、今後の展望までその胸の内を語ってもらった。(取材日2019年5月30日)

専門としてサポートできる喜びが医師としてのやりがい

甲状腺疾患を抱えやすいのは、女性だと言われていますね。

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バセドウ病や橋本病では、その男女比はおよそ1:10にもなります。遺伝性がほとんどで、お母さんが甲状腺の病気を抱えていると娘さんにも出てくる可能性が高くなります。発症してくる年齢の大半は20歳前後くらいですが、早ければもっと若い年齢の場合もあります。バセドウ病や橋本病と診断されたときは、症状が現在出ていなくても、経過観察が必要になります。特に女性は妊娠・出産を契機にホルモン異常を来す場合がありますので、妊娠中から出産後までの過程においてホルモン管理が必要になります。流産や早産、あるいは出産後の甲状腺機能異常の発症の原因になり得る可能性があるからです。

胎児の時から影響を受けるのでしょうか。

バセドウ病であれば、甲状腺ホルモン異常を起こしている原因物質が胎盤を通って赤ちゃんにいってしまいます。赤ちゃんが発症するかどうかは妊娠中のお母さんの採血による数値で予測がつきますから、あらかじめ治療体制を整えて経過を診ていくことが重要になります。というのも胎内にいる間は、抗ホルモン剤をお母さんが服用している場合には、赤ちゃんも胎盤を経由して治療を受けている状態になるのですが、出産によりその治療が断たれると、症状が出てきてしまうのです。そういう意味では生後すぐはまだ抗ホルモン剤によるコントロールが効いている状態なので大丈夫ですが、1週間ほどたつ頃からは注意しておかなければなりません。そして赤ちゃんは1ヵ月くらいの治療が必要になります。

早くから適切な治療に取りかかることが肝心なのですね。

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それが可能になったのは妊娠中にバセドウ病の原因物質を測れるようになったからなのです。私が医学部を卒業した頃は、まだ測定が不可能だった時代でしたので、前もって判明できず命に関わる事態もありました。測定可能になったのは医師になって5年目、1980年くらいからでしょうか。そのおかげで産科・甲状腺内科に加え、出産後治療にあたる小児科との3科で、妊娠段階から連携を取って治療方針・計画を立てていけるようになりました。今は当たり前になっていますが、当時は学会もその話題で持ちきりだったのですよ。私も以前の状況を知るだけに感慨深く、医学の発展による進歩した段階で臨める治療にやりがいを感じていました。

一生付き合う病気を託せる主治医であること

先生はなぜ医療の道に進もうと思われたのですか?

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祖父の代から医師の家系で、父も内科の医師として自宅を兼ねたクリニックを構え開業していましたし、自然と子どもの頃から意識していたように思います。3歳年上の兄が医学部に入ったことも影響を受けた理由の一つですね。信州大学医学部を卒業後は大阪大学医学部の第四内科に入り、専門の先生からお誘いを受けたことがきっかけで甲状腺の分野に携わるようになりました。当時私は臨床より研究に没頭しがちでしたから、よく夜中まで研究室にこもって実験に取り組んでいました。その結果、医学博士も取得することができました。

開業にあたりこの地を選ばれた理由はありますか?

独立を考え始めた時に紹介されたのが上野芝で、その頃勤務していた阪和第二泉北病院からほど近く、なじみのある地域だったことが大きいですね。甲状腺の病気で永続性の疾患を抱える患者さんは、ずっと同じ先生のほうが安心だからと、引き続き通って来られる方も結構おられますので、ここに開業して良かったと思っています。妊娠中に初診で来られて以来、ずっとバセドウ病の経過を診てきた患者さんの中には、出向先の病院が変わるたびについて来てくださり、もう40年近くになる方もいらっしゃいます。一生付き合っていく病気は、医師とも長い関わりを持つことになりますので、信頼関係の構築はもちろん相性も大事だと思います。こうして長年通っていただけることは私にとって励みになりますし、非常にうれしく感じております。

甲状腺の病気について知らない方も多いようですね。

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診察中もつい、喉元に目が行ってしまいます。外表からでも腫れがあるように見える方が結構おられるのです。例えば橋本病のような甲状腺機能低下症であれば、むくみ、寒がり、便秘、皮膚の乾燥感、脱毛といった症状が現れてくるわけですが、甲状腺自体が知られていないので、そうした体の変調・不調を甲状腺と結びつけて考えることができないんです。単なる疲れだと思ったり、診察を受けるにも何科に行けばいいのか見当がつかなかったりして、自発的な受診につながりにくいようです。当院でも内科で来院された時に喉元の腫れが気になって検査を受けてもらった結果、甲状腺異常だと判明するケースが少なからずあります。ただ、テレビの健康番組で取り上げられた後の数日は、内科の患者さんでも口々に甲状腺について尋ねられますので、情報発信も必要なのではと考えさせられます。

地域に必要とされるクリニックとして、果たすべき役割

老年内科も診療されているのですね。

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甲状腺内科では女性がほとんどですが、老年内科では男女問わず高齢の方がおみえになりますので患者層は幅広いです。高血圧・高脂血症・糖尿病での来院がほとんどで、皆さん生活改善がなかなか難しく、食事・運動療法の重要性をお伝えしていても、これまでの習慣を変えるのはそう簡単ではないので、内服に頼らざるを得ないところもありますね。また、ほかにもいろいろな疾患や持病をお持ちの方、たとえば心臓に負担をかけられない方など、いろんなケースがありますので、患者さんに合わせて対応をしています。そのせいか「話を聞いてもらいたい」「話してスッキリした」と帰っていかれる患者さんもいらっしゃいます(笑)。

開業から9年、毎日お忙しいと思いますが、休日はどのように過ごしていらっしゃいますか?

これといった趣味やリフレッシュ法というのはないんですよ。大学時代は信州ということもあって冬はスキー、夏はソフトテニスで、勤務医だった頃も若いうちは滑りに行っていましたが、開業してからはないですね。休日は学会に出ることもよくありますが、温泉でのんびりするのは好きですので時間ができたら2日ほどゆっくりくつろぎたいですね。リラックスすると頭がさえて、普段家のお風呂に入っている時でも急に「あの患者さんの症状はこれだ」と急にひらめいて、糸口が見えることがあるのですよ。

では最後に今後の展望を聞かせてください。

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甲状腺の病気は妊娠中の管理が欠かせませんから、この近くの産科と連携して甲状腺異常を抱える妊婦さんの内科面を診るなど2本立てでの診療も行っています。特に妊婦さんは動くのが大変ですし、遠くまで出かけずとも地域に甲状腺のクリニックがあるということは、便利なのではないでしょうか。この辺りに甲状腺を専門に診るクリニックが少ないこと、病院でも甲状腺内科が少ないということで他院からの紹介もよくあります。そうしたことからホームページにも甲状腺について詳細を記載していますので、最近ではインターネット検索で見つけて来院される方も増えました。毎日、目の前の患者さんを診ることを一番大切に考えています。

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