妊娠・乳幼児期からの口腔育成で
生涯にわたる全身の健康をめざす
きし歯科ファミリークリニック
(大分市/賀来駅)
最終更新日:2023/10/16
- 自由診療
子どものむし歯が減少傾向する一方、不正歯列は全国的にも増加傾向にあるという。賀来駅近くの「きし歯科ファミリークリニック」では、妊娠時や乳幼児期といった早い段階から小児の口腔育成に取り組み、その知識を親が学べる講演会なども開催。「母乳を飲まないといった子育てのさまざまな悩みを解決したいし、アレルギーになりやすい環境が子どもの不正歯列に関連性があることを知ってもらいたい」と岸岳宏院長は真摯に語る。「アレルギー・口呼吸・鼻詰まりは不正咬合のトリガー。お子さんの生涯にわたっての健康を考えていく機会に、ぜひ早くから参加してほしいと思います」と続ける岸院長に、クリニックが取り組んでいる小児口腔育成について詳しく話を聞いた。
(取材日2023年9月14日)
目次
子どもの不正咬合の原因の一つは口呼吸。鼻呼吸に戻す根本的な方法や育児の悩みを、親とともに考えていく
- Q貴院ではお子さんの口腔育成に注力されているそうですね。
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A
昨今、むし歯や歯周病に対する「予防」の意識はかなり広まってきました。学校検診に行ってもむし歯が減っていると実感していますが、一方でお子さんの噛み合わせや歯並びの悪さは増えています。そこでお子さんの不正歯列・不正咬合を防ぐ「小児口腔育成」に取り組むことにしたんです。特に注意すべき点は「口呼吸」で、口呼吸をしている子ほど歯並びが悪くなる傾向があります。それを改善するために、マウスピース型の器具をつけたり、「あいうべ体操」などを行う口腔筋機能療法(MFT)はここ数年でかなり広まってきていますが、当院では「なぜ口呼吸になるのか」といった根本的な原因から考え、改善していくことも大切にしています。
- Q口呼吸になる原因には何があるのでしょうか?
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A
口呼吸の原因は、口唇閉鎖力が弱い、鼻閉または低位舌であることです。単純に口唇を閉じる筋力が弱い場合、口腔筋機能療法(MTF)を行いますが、例えば、アレルギー性鼻炎で鼻詰まりがある場合、口を閉じたまま鼻で息ができないので改善が難しくなりますよね。その原因をしっかり見極めることで、まずは小児科でアレルギー性鼻炎の原因を特定しアレルゲンの除去を徹底するのかなど、治療の道筋がわかります。もし他科での治療が必要となった場合でも、連携している小児科があるのでスムーズに対応ができると思います。また、低位舌については、舌小帯の異常に原因がある場合も多いため適切な診査・診断をもとに早めにアプローチしていきます。
- Q子育て・歯並びを学ぶ親御さん向けの講演会も行われていますね。
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A
当院の思いに共感してくださった助産師さんとともに、妊婦さんや、お子さんの年齢に応じた講演会を行っています。お母さんたちのお悩みに「母乳を飲んでくれない」「離乳食をあまり食べない」などがありますが、お母さんたちに原因があるのではなく、赤ちゃんのお口の状態に原因があることも多いのです。例えば赤ちゃんが自分でお乳を飲めば自然と母乳が生成されるので、赤ちゃんが飲みやすい姿勢や乳首の咥え方を知ればそういう悩みも解消されるでしょう。育児の悩みと口腔育成には紐づいている部分がかなりあるんです。このような正しい知識をしっかりと知ってもらうためには診療中では時間が足りないと感じ、休診日に行うことにしました。
- Q講演会では他にどんなことを学べるのでしょうか?
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A
日本人の生活スタイルの変化が赤ちゃんの体にどんな影響を与え、それが口腔育成とどう結びついているのか。例えば、花粉やPM2.5などによってお子さんや赤ちゃんのアレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎が増えている、床の多くが畳からフローリングになったことでハイハイがしづらくなっている、幼い頃からスマホを見るのでお子さんの姿勢が悪くなっているなど、赤ちゃんの口腔環境だけではなく、生活環境が要因となって「お子さんの鼻詰まりが起こりやすい状態」になっていることなども詳しくお伝えしています。まずは「歯並びが悪くなるさまざまな原因が身近にある」と親御さんたちが正しく、できるだけ早い段階で知ることが大事なのです。
- Q親御さんや妊婦さんに伝えたいことは何でしょうか?
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A
赤ちゃんは生まれて1年の間に見違えるほど成長します。その成長を阻害する原因があること、そしてその解決策があることを、ぜひ妊娠中、もしくは妊娠前から、歯科に通うことで知っていただきたいのです。産後は赤ちゃんにかかりきりで、つい歯科にいくのも後回しになりがちです。お子さんの公的な歯科検診は1歳半となっていますが、前述したように成長スピードはとても早く、3歳で既に将来の不正歯列・不正咬合の兆候が見られます。0歳児でも歯科に通えるので、親子で通う習慣を身につけ、そして育児の不安を相談しながら新しい知識や価値観を身につけていただくことが、お子さんの生涯にわたっての健康を守ることにつながるのだと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児口腔育成装置/5万円〜