長濱 信一 院長の独自取材記事
ながはま整形外科
(大阪市旭区/城北公園通駅)
最終更新日:2026/01/23
城北公園通り沿いに立つビルの2階にある「ながはま整形外科」は、守口車庫前行き路線バスの生江停留所から徒歩3分の所にある。採光のための窓が大きく取られ陽光がふんだんに注ぐ明るい院内は、通路にも十分なスペースを設けており、車いす移動もスムーズだ。開業から16年、進む高齢化を実感しているという長濱信一院長は予防医療に注力。骨粗しょう症やロコモティブ症候群などで寝たきりになるリスクを回避していきたいと話す。そのために日常的な動作や運動が苦痛にならないようペインクリニックによる痛みの緩和ケアも行っている。「信頼される医師」として地域に愛されるクリニックをめざす長濱院長に、診療への思いや、取り組み、今後の展望について聞いた。
(取材日2018年10月19日/情報更新日2025年12月26日)
運動器のさまざまな症状に、確立された医療を提供
まず、開業までの経緯を教えてください。

医局に入局後は大学の系列病院で、骨折から脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、靱帯損傷、外傷に血管損傷など多くの手術を手がけてきました。ほとんどは高齢の方の骨折ですが、救急では体育の授業やクラブ活動でのスポーツ外傷など、若い世代の割合も目立ちました。特に救急病院時代は年間かなりの数の手術を担い「首から下は全部」と言っても過言ではないほど、ありとあらゆる症状に携わってきました。その時に培った技術と経験により確固とした土台が築かれたと自負しています。開業を決意した理由は、部長としての役職から会議や書類の処理など煩雑な業務に追われ、思うような診療時間が取れなくなっていたからです。私としては臨床をメインに患者さんを診ていきたかったので、自分のクリニックを構えるに至りました。
なぜこの地を選ばれたのでしょう?
実は旭区には縁がなかったのですが、30代から始めたマラソンでコースの一部として通るようになり、毎日景色を眺めているうちに、ここで開業したいなあと思うようになったのです。淀川区を出発してUターン地点から旭区の近くを通って帰る20kmの道のりがお気に入りの経路だったので。開業したら昼休みには淀川で走れると思ったことも大きなポイントです(笑)。旭区は温かみのある町で親しみやすいですね。長く住んでいる方が大勢おられる地域性からコミュニティーのつながりも強く、知り合いの方が多い印象です。別々に来られても顔を合わせると集まって話されていて、院内はいつも楽しい雰囲気に包まれています。
この地域においてどんなクリニックでありたいですか?

私の理念でもあるのは「信頼される医師になる」ということ。そのために心がけているのは、患者さんの話をちゃんと聞いて、その訴えに添って診ていくことです。ありがちなのは少し話を聞いた段階で、それはこうだろうと決めつけてしまうこと。これは絶対にしないように気をつけています。推測で考えるのではなく客観的な事実に基づいて診断を下すことが重要です。問診は丁寧に詳しく、そこから自分の知識や経験をもとに的確な判断につなげて、適切な治療を提供するという手順を必ず踏んでいきます。患者さんにとって話をちゃんと聞いてもらえることによる安心感や満足度って大きいと思うのです。時には話が噛み合わないこともありますが、そこは否定をせずに、やんわりとした表現で患者さんと会話をするように心がけております。私にとっては地域住民に愛され信頼されるクリニックであることが、一番大切なことなのです。
要介護・寝たきりのリスクを回避できるよう尽力
注力されていることは何でしょう?

超高齢社会を踏まえての予防医療です。特に骨粗しょう症については開業当初から啓発してきました。骨粗しょう症を伴った骨折の場合良い経過をたどらず、結果、介護度が上がってしまうケースを勤務医時代に非常に多く診てきましたので。寝たきりになる原因としてもかなりの割合を占めていますから、何とかして防げるように力を入れています。カルシウムの摂取や運動・ビタミンD活性化のための紫外線浴など、日常生活に最低限取り入れてほしいことは必ずお伝えしています。また、自覚症状がないため50歳からは毎年検査を受けて骨密度チェックをしていただきたいですね。すでに骨密度が低下している方には内服による治療で骨の強化を促していくことになりますが、服用をやめてしまうと骨強度は治療前に逆戻りですから肝心なのは継続です。
「ペインクリニック」としての役割も担っていらっしゃいますね。
高齢の方は関節の変性疾患を抱える方が大勢おられますので「痛みの診断と治療」が必要になってきます。痛いからといって家でじっとしていては筋力そのものが落ちて、関節も固まってしまうという悪循環に陥ってしまいます。少しでも苦痛が軽減され動きやすくなるようにと考えて神経ブロック注射などによる治療も行っています。痛みがゼロになるわけではありませんが、日常の動作が少しでも楽になればと考えています。だいたい2~3週間くらいの期間で定期的に受けていただき、歩くことや無理をしなくていい範囲の運動を習慣づけていただけるようサポートしていくことが重要です。内臓は元気なのに足腰が弱ってしまうのではつらいと思いますから、健康寿命のために予防を心がけていただきたいですね。
他にはどういった症状の患者さんが来られるのですか?

スポーツ障害の患者さんも多いですね。旭区はバスケットボールが盛んで大会前になってくると中・高校生の患者さんが増えます。野球部の子たちも肩を使いすぎて痛めたり、けがをしたりといった症状で来られます。ジョギングでは膝と足首ですね。特に膝に負担がかかりますが、治療を受けながらケアやメンテナンスにも気を配っていただければ、たいていの場合は走っていただいて問題ありません。ただ、痛みが強い場合はしばらく安静が必要となります。あと、リウマチは妊娠中や出産後に発症しやすく女性の割合が多いです。ただ一昔前と違って治療薬が進歩して寛解が見込めるようになり、完治も期待できますから難病ではなくなってきたように感じています。あと、膝に水がたまるのを抑えたいとき、足がしびれて歩きにくい、元気がないといった症状では漢方薬を処方することもあります。一人ひとりに合った治療法の一つとして取り入れています。
「進む高齢化」への対応には在宅医療も視野に入れる
なぜ医師をめざされたのですか?

私には、年の離れた兄がいるのですが、医師になりたかったけれど家庭の事情もあって医学部への受験がかなわなかったので、子どもの頃から医学部への進学を勧められていました。自発的にめざすようになったのは高校生の時です。テニス部での練習で転んだ拍子に鎖骨を骨折し、近くの整形外科医院で治療を受けたことがきっかけでした。すごく痛かったのですがギプスによる治療で回復に向かっていったんですよね。人を救えるお医者さんってすごいなあと感動しました。そして大阪市立大学医学部に進みます。整形外科を選んだのは、もともとスポーツや体を動かすことが好きで、身体系の骨や関節・筋肉を扱う分野に関心があったからです。
先生はスポーツがお好きですが、休日はどのように過ごされていますか?
さすがに今は長い距離は走れませんが、マラソンに夢中だった当時、真夏に舞洲のコースで「24時間リレー」というのを仲間内で7~8年続けて参加していました。1人1周約1.4kmを走って交代というリレーを、メンバー15人ほどで一晩中延々と繰り広げるのです。24時間で1人15週分くらい走ることになるでしょうか。朝始まって日中から夜を徹して走り、翌朝のゴールを迎えた時の達成感はものすごいですよ(笑)。その仲間たちと旅行も兼ねて参加したローママラソンも楽しかったですね。国内でもいろいろな大会に出場し大阪マラソンは3回、いずれも完走しています。ゴルフも好きで長年たしなんでおります。同じ医師会の先生方とのコミュニケーションも取れて、とても良い時間ですね。
今後の展望など聞かせてください。

課題は、高齢化が進み通院できない患者さんが増えられたときの対応です。まず一つの手段として理学療法士による訪問リハビリテーションから始めていければと考えています。具体的に取り組むのはまだ先になりますが、在宅医療を視野に入れながら検討していく必要があると感じていますので、地域のお役に立てるよう展開していきたいですね。

