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長戸 重幸 院長、長戸 登世 副院長の独自取材記事

ながと脳神経外科・心療内科クリニック

(松山市/鎌田駅)

最終更新日:2020/04/01

160256

2019年に開院10周年を迎えた「ながと脳神経外科・心療内科クリニック」。脳神経外科医師の長戸重幸院長と、院長の妻で精神神経科医師の長戸登世副院長、訪問診療に努める医師の3人体制で、脳神経外科と心療内科が連携して診断・治療を行っている。頭痛や物忘れ、めまい、不眠など脳と心の疾患にはさまざまな症状が考えられるため、まずは丁寧に患者の訴えに耳を傾けることに注力している。さらにMRIやCTを用いてしっかりと病状を見極め、早期発見・早期治療に努めている。特に認知症治療に力を入れ、「地域に根差した医療で、介護との連携をめざしていきたい」という院長の言葉どおり介護施設などへの訪問診療にも熱心に取り組んでいる。今回は、そんな両医師の温かい心が伝わるインタビューとなった。
(取材日2019年12月13日)

脳神経外科と心療内科の連携が強み

開業の経緯から教えていただけますか?

Df1

【重幸院長】まず場所として余戸地区を選んだのは、この辺りに脳神経外科や心療内科のクリニックが少なかったことが大きな理由です。妻が精神神経科医師として認知症を専門としているので、高齢者の多いこの地域で貢献できればと思い開業を決めました。脳神経外科と心療内科が連携する診療形態は珍しいかもしれませんが、実はかなりリンクするところがあります。実際に開業してから、心療内科を受診された副院長の患者さんでも、MRIを撮ってみると脳に異常が見つかることが実際にありました。脳神経外科で使用する検査機器を設備していることで、心療内科を受診された方にも脳の精密な検査を受けていただける。それは当院の大きな特徴ですね。

とても優しい雰囲気で、落ち着ける院内ですね。

【重幸院長】ありがとうございます。地域のご高齢の方々が気軽に来られるようなクリニックを意識しましたので、今時の洗練された雰囲気ではなく、ウッド調のぬくもりを感じられる空間をイメージしました。また、スタッフの力も大きいですね。当院のスタッフはみんな優しく、適切な接し方や話し方が自然と身についているので助かっています。私たちは診察室にいますから受付の様子を見ることはできませんが、患者さんから「スタッフさんの対応が気持ち良かった」と言っていただけることも多く、とてもありがたく思っています。

患者さんの訴えはどのようなものが多いのでしょうか?

Df2

【重幸院長】脳神経外科では頭痛やめまい、脱力、手足のしびれなどの症状を訴えて来られる方が中心です。また、当院はそもそものコンセプトが認知症でご高齢の方を対象としているので、脳神経外科でも認知症の方を多く診察しています。
【登世副院長】心療内科の患者さんは不安や動悸、パニック発作などさまざまな精神症状の方がいらっしゃいますが、いろんな病院へ行ってみたけれど、原因がわからなかったというケースが多いですね。体には異常がないのに痛みや痺れがある、また原因不明の嘔吐を続ける方もいらっしゃいます。

介護施設との協力体制で認知症患者をサポート

それぞれの診療の流れはどのように?

Df3

【重幸院長】脳神経外科ではまず症状を丁寧にお聞きした上で、MRIやCTを撮り診断を行います。治療は内服で症状をコントロールしていく方法が基本ですが、入院や手術が必要な場合は連携している基幹病院に紹介します。また、動脈硬化が進むと脳梗塞や脳出血のリスクが高まりやすくなるなど、脳疾患と生活習慣病は大いに関連性がありますから、内科の先生とも連携して治療を進めていくことを大切にしています。
【登世副院長】心療内科の診療は、まず話をお聞きすることから始まります。そして内容を整理整頓して、どう治療につなげていくかを一緒に考えます。身体的疾患と違い明確にここが悪いのでこう治しましょうとは決められないので、さまざまなアプローチを試しながら、症状の安定をめざしていきます。

認知症治療に力を入れているそうですが、どのようなアプローチをしているのでしょう?

【重幸院長】認知症の患者さんは地域包括支援センターの紹介で来られる方も多く、介護施設との連携の重要性を強く感じています。そのため、介護施設や地域包括支援センターとは密にやりとりを行い、私と副院長がそれぞれの外来休診日に訪問診療を行っています。
【登世副院長】認知症の治療において大事なのは、今後予測される症状を知ることだと考えています。なかなか完治の難しい疾患ですから、診断からの予測、そして生活していく上でどう向き合っていくかのアドバイスが重要。現在の認知症の程度がどのくらいで、今後どんな症状が出てくるのかなどをしっかりご説明し、介護施設とも連携して対策を考えていきます。やはり、先の見えない不安は大きいですから、予測でき得ることはお伝えをして、患者さんご本人だけでなくご家族にも心の準備を進めていただくことは大切ですね。

認知症治療においても脳神経外科と心療内科の連携は大きいでしょうか?

Df4

【重幸院長】そうですね。いわゆるアルツハイマー型など基本的には進行していく認知症とは異なり、脳の中に器質的に腫瘍などの病気があって二次的に認知症になっているというケースもありますから、それを見つけるための体制を整えているのは当院ならではの強みだろうと思います。脳神経外科と心療内科の連携はクリニックレベルでは珍しいかもしれませんが、当院はたまたま夫婦で同じ患者さんをそれぞれの視点から診ることができる。脳の疾患と心の疾患は大いに関係しているということを実感しています。
【登世副院長】脳の疾患は精神症状の出るものが多いのですが、当院では私の元へ来られた患者さんでも、院長と連携をして、必要があれば総合病院へ送るなど迅速な対応ができますので、患者さんにとっても大きなメリットがあるかと思いますね。

患者の人生の伴走者であり続ける

患者さんとの印象的なエピソードはありますか?

Df5

【重幸院長】心療内科との連携で命を救うことにつながった患者さんのことは、とても印象に残っています。精神症状を訴えて来られた高校生の患者さんの様子がどうもおかしいのでMRIを撮って調べたら、脳に腫瘍が見つかり、非常に危ない状態だということが判明しました。そこですぐに総合病院に緊急搬送し、手術を受けられたことで一命をとりとめることができたんです。その日の夜に一度意識がなくなるという紙一重の状況でしたが、心療内科を受診時に副院長がMRIを撮影し、すぐ私に相談してくれたことで迅速な対応ができました。これは医師冥利に尽きる出来事でした。今は元気に就職されていると聞いたので、本当に良かったねと夫婦で喜んでいます。

医師としてやりがいを感じるのはどんな瞬間でしょうか?

【登世副院長】精神的な疾患をお持ちの方は、緊張するとその症状が出やすく、コミュニケーションを取れるようになるまでには時間がかかります。ですが、親しくなってくると症状ではなくて患者さんご本人の本来の性格が見えてくるんです。患者さんが心を開いてくださる瞬間はとてもうれしく、関係を築いていく過程にはいつもやりがいを感じています。関係が良くなることでご本人もリラックスして話せるようになりますし、それによって症状も減らすことができるのではないかと考えています。精神疾患の治療においては、ただ治癒をめざすのではなく、症状をコントロールしながらうまく付き合っていくことが重要。ですから、病気だけを診るのではなく、ご本人を見ることを大切にしています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

Df6

【重幸院長】私は開業以来、患者さんと一緒に歩んでいけるという喜びを日々感じています。とにかく患者さんにとってベストな治療を受けていただくことを最優先に、治すというよりもお手伝いをさせていただいている感覚で伴走していけたらと考えています。そして、脳神経外科と心療内科が連携することで脳に潜む病を早期発見し、早期治療に結びつけることができるように、その使命感をもって地域の患者さんに貢献できたらと思います。
【登世副院長】心療内科の使命の一つは患者さんを癒やすことですから、不安がある、夜眠れない、気分がすぐれない、原因不明の痛みがあるなど、よくわからないことでお困りになったら、まずはお話しするだけでも気兼ねなくお越しください。誠心誠意診させていただきます。そして、皆さんの社会生活がうまくいくように、お手伝いをさせていただけたらうれしいです。

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