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木庭 茂治 院長の独自取材記事

椿歯科クリニック

(岡山市北区/岡山駅)

最終更新日:2022/11/14

木庭茂治院長 椿歯科クリニック main

JR岡山駅より徒歩約5分。遠方からの患者も多い「椿歯科クリニック」は、イオンモールのすぐ前のアクセスのいい場所にある。木庭茂治院長は、口腔外科から始まり、国内外で根管治療について研鑽を積んできたベテラン歯科医師だ。歯科医療の先進地といわれるアメリカで根管治療を学んでいた時にマイクロスコープの存在を知り、帰国後に導入。当時マイクロスコープは日本ではまだ珍しく、その治療技術の習得のために、東京へ通ったという。同院には、セカンドオピニオンでの来院者を含め難症例の患者が多いのが特徴。本来なら抜歯するような状態でも、「その1本を残そうとするのが歯科医療の原点」と木庭院長は語る。これまでの経験や歯科医療に対する思いについて話を聞いた。

(取材日2022年8月30日)

根管治療(歯の根の治療)の難症例を数多く経験

アクセスの良い立地で通院しやすそうですね。

木庭茂治院長 椿歯科クリニック1

ありがとうございます。遠方からの患者さんにも便利なように、JR岡山駅から徒歩約5分の地で開業しました。実際、岡山県内各地から、また四国や山陰などの遠方からの患者さんも来られます。治療してもうまく治らなかった方や、セカンドオピニオンで来られる方など、難しい状態の方も多いですね。通院患者さんからのご紹介でもよくいらっしゃいます。

先生の経歴を教えてください。

はい、大学を卒業してすぐに岡山大学医学部の口腔外科に所属しました。その次は、薬学部で免疫の研究を。その研究を終えて、今度は岡山大学歯学部の病理教室へも入局しました。歯科というと、白い歯だけを想像するかもしれませんが、顎口腔系全体が歯科治療の領域になります。当たり前のことですが治療には正しい診断が必要です。医歯薬全部の学部を経験したことで、正しい診断には基礎医学的知識と臨床所見が大切であることを身をもって痛感しました。そしてその後、そのような経験を積んだ田舎者の私を夢のような世界へ導いてくれた先生方との出会いが待っていました。

先生方からどのような影響を受けられたのでしょう?

木庭茂治院長 椿歯科クリニック2

日本を代表する3人の歯科医師の先生に教わりました。特に最初に習った先生は、非常に厳しい先生で、褒めてもらったことは1回もなかったですね。けれども、その先生の撮影されたレントゲン写真はそれまでの私の臨床成績を遥かに超越するものでした。「将来はこの先生のようになりたい」と自分の目標となりました。現在90歳を超える先生は今でも私の師匠です。その先生のもとで学んでいくうちに少しずつ結果がついてくるようになりました。しかし、いくら高い技術で治療すると言ってみても、それでも治らないケースやうまくいかないことも出てきます。そこでやっとテレビドラマのようなゴッドハンド「神の手を持つ医師は居ない」とだんだんと自分の傲慢さに気づいたのです。医療とは、技術だけを追いかけることではなく患者さんと真剣に向き合うことだということが今の私の臨床の根底になりました。

マイクロスコープを使った精密治療に注力

技術を学びに海外へも出られています。

木庭茂治院長 椿歯科クリニック3

はい。40歳頃、さらに技術を磨くために歯科治療の先進地、アメリカのペンシルバニア大学で勉強をしました。そこでの精密な根管治療の中心にあったのが「マイクロスコープ」です。治療を見て感じたのは、肉眼の何十倍もの拡大ができるこの機器があってこそ、理想とする精密治療が成り立つということでした。帰国後に導入しましたが、当時の日本ではまだ珍しく、技術習得のために岡山から東京へ通う日々でしたね。また同時期に、インプラント治療を学びにアメリカのUCLA、イギリスのバーミンガム大学、ロンドンホスピタルへ学びに行き、専門性の高さを実感しました。アメリカでは歯科の中に専門医が居て、根管治療もインプラント治療も専門医の領域になっています。当院でも特別に難易度の高い場合には専門の歯科医師に手術を依頼しています。

根管治療とはどのような治療ですか?

根管治療が必要になるのは、患者さんが神経を取る治療をした後、歯の根の先が菌に感染した場合などです。根管治療は歯の根の中を殺菌する治療ですが、細長い歯の根の中は見えないため十分な結果が得られませんでした。そこで登場したのがマイクロスコープで、歯の根の中を直接覗いて治療を行うようになり精度が向上しました。しかし進行した病変は根管治療だけでは治癒しません。その場合は感染した根の先を外科的に切除します。このような総合的な技術を持ち合わせて治療にかかることが重要なのです。

すべての治療においてマイクロスコープが重要なのですね。

木庭茂治院長 椿歯科クリニック4

はい。しかし根管治療に用いるだけではなく、補綴物(ほてつぶつ:歯の欠損部分を補完するための人工物)の作製においても重要なのです。歯を長持ちさせるためには、根管治療だけではなく精度の高い補綴物も同時に必要であるためです。やはりアメリカでは根管治療、補綴、歯周外科、口腔外科等々それぞれに専門医が居て、どの専門医もマイクロスコープを使いこなすことができることからもその重要性がわかります。

マイクロスコープの使用においては、高度な技術はもちろん院内整備も必要なのでは?

そうですね。マイクロスコープを用いた治療ができるには相当期間訓練が必要ですし、精密治療を行うための周辺機器や材料などすべてにおいて歯科医院の環境づくりが必要になりますし、スタッフも訓練が必要となります。マイクロスコープは「現代の歯科治療の必須機器」だと考えています。歯の硬組織の治療は再生治療ではありません、修復治療であるため精密度が予後を大きく左右します。すなわちすべての部位に精密作業を積み重ねることが歯科治療には必要なのです。

患者との信頼関係の上に治療技術が成り立つ

患者さんに対して心がけていることは何でしょう?

木庭茂治院長 椿歯科クリニック5

当院の患者さんには、ほかの医療機関ではなかなか治らずに、困ってここへ来られるような方が多くいらっしゃいます。遠方から時間をかけて来られる方もおられます。治したくて必死で来られた患者さんに、こちらも一生懸命、全力で最善を尽くすことが医療人の基本だと考えています。治療はまず「現状をきちんと伝え」そして「最善と思われる治療方法について丁寧に説明し、治療ゴールを決めてゆきます」ゴールが決まって初めて手段「治療方法」が決まります。ここが一番大切なところです。また、100パーセントの成功率や完璧な治療ができるとは限らないといった医療の特殊性、リスクもきちんとご説明し、最終的には患者さんご本人が人生観やライフスタイルを踏まえて決定できるように専門家として情報提供することが、患者さんに寄り添うということだと私は思っています。

印象的なエピソードを聞かせてください。

80代の患者さんで、車で何十分もかけて来られていた方がいました。その方に「先生と会えた。これは運命です」と言われたことがあります。その患者さんの口の中を診るとたいへんな重症で、よく来てもらえたなと思いましたね。今までの経験から、こういった治療をすれば噛めるようになるだろう、満足してもらえるだろうと、だいたいの道筋の予測はできるんです。けれども、治療は万能ではありません。患者さんの治したいという思いの上に、こちらを全幅で信頼してもらえる人間関係をつくることが必要なんだと思います。このような医療の本質的な考え方も、長年の経験の中から培うことが出来ました。

今後力を入れていきたいことは何ですか。

木庭茂治院長 椿歯科クリニック6

医科の場合は、大きな病院などで、技術がある程度身につくまでの研修制度が充実していますが、歯科の場合は開業までの期間が医科ほど長くないケースが少なくありません。今までに30人ほどの歯科医師が当院から育ってゆきました。今後も、これまで培ってきた経験と技術を次の時代を担う歯科医師に伝えていきたいと考えています。

最後に、理想のクリニック像をお聞かせください。

本当に困っている患者さんがセカンドオピニオンとしても利用するようなクリニックでありたいですね。ただ、セカンドオピニオンに関しては、それまで診ていた歯科医師の診断や治療と違う内容をお伝えする場合もあるので、伝え方が非常に難しいとも感じています。困っている患者さんは先ず、治る見込みがあるものか、そうでないかを聞きに来てほしいと思います。診察して、私ができない領域は、さらに専門の歯科医師を紹介しますので、まずは相談にいらしてください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療(1本)/オペ代:30万円〜、かぶせ:5万円〜、ホワイトニング/オフィスホワイトニング(1回):1万1000円〜、ホームホワイトニング:4万円〜

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