寺門 節雄 院長の独自取材記事
医療法人社団松英会 馬込中央診療所
(大田区/馬込駅)
最終更新日:2025/12/18
東京都大田区・馬込の街中にある「馬込中央診療所」。扱うのは内科、小児科、産婦人科、歯科、皮膚科。1958年設立と長い歴史があり、診療室のほかに併設した健診センターでは、人間ドックや大田区民健診のほか、ビジネスパーソンの定期健康診断や雇用入れ時健診などにも応じている。地元に信頼されるかかりつけ医をめざして、強固で柔軟なチームワークを実践。寺門節雄院長をはじめ、すべての医師・歯科医師・スタッフは「地域に根差した医療」という目標のもと、患者の応対にあたっている。地域の人々の健康維持にさらに貢献したいと意気込む寺門院長に、同院の歩みと現在の役割、独自の強みなどについて語ってもらった。
(取材日2015年5月8日/再取材日2025年11月14日)
内科や産婦人科など幅広く診療、健診センターも併設
昭和から長く続いてきた診療所だそうですね。

もともとは「馬込中央病院」の名前で1958年に設立されたのが始まりです。昭和の終わりに病院から診療所に変更されて今の姿になりましたが、設立から数えるともうすぐ70周年を迎えます。病院として誕生したのは、その頃に結核や他の感染症が流行し、結核病棟を持つ必要に迫られたからです。外科や産婦人科は当初からありました。結核の感染者がだんだん減ってきたのに伴って病棟を閉鎖し、診療所になったんです。診療科の変化は一度きりではなく、耳鼻咽喉科の診療を行っていた時期もあったそうです。外科も、近くに大きな医療機関がたくさんできたので閉鎖しました。現在は内科全般、小児科、産婦人科、歯科、皮膚科に対応するほか、人間ドックや法人健診も可能な健診センターを併設する診療所として運営しています。
先生は循環器内科が専門で、こちらで診療されているのは2000年頃からと伺いました。
私は大学病院での勤務が長く、馬込へ来るようになってからも、初めのうちは大学とかけ持ちのアルバイトで診療にあたっていました。完全にこちらへ移ったのは15年前の2010年です。それ以降の変化で大きいのは、平成の初めに立ち上げた介護老人保健施設(老健)を閉鎖した代わりに、健診のためのエリアを広げたことですね。健診センターは診療所の上の階にあります。以前は隣の建物で老健を運営していましたが、閉鎖したことでそのスペースが空いたので、2階や地下でも健診ができるように改装しました。それまで企業健診は巡回で各所に出向いて行っていましたが、新型コロナウイルス感染症の流行を機に実施が難しくなったため、院内での健診のニーズが増えることを見越して改装したのは結果的に良かったです。巡回健診も最近は再び増えています。
設備面で、近年新しくした物はありますか?

患者さんの体調や検査異常への不安を解消するため、近年、院内外の設備を充実させました。AIを搭載したCTやマンモグラフィ、精密な骨密度測定が可能なDEXAを新たに導入しました。また、巡回健診用のレントゲンバスもリニューアルしています。新しいCTは以前より解像度が大幅に向上し、新型コロナウイルス感染症の初期肺炎を見つける際にも大いに役立ちました。さらに、老健閉鎖後のスペースを活用し、診療所横の建物1階に発熱患者専用の外来を設けています。最近は気候が秋らしくなった途端にインフルエンザが流行し、朝から電話での問い合わせが止まらない状態です。外来と診療所の入り口は完全に分けているので、患者さんにも安心してご来院いただけると思います。
高度医療への入り口として、スムーズな医療連携を
それぞれの診療科で専門の先生方が活躍されていますね。

ありがたいことに、10年前に私と横並びでドクターズ・ファイルに登場してくれた産婦人科の中嶋章子先生、歯科の松本めぐみ先生、内科の長手聰先生の3人を含め、皆さんずっと続けてくださっています。長続きの秘訣は、先生方にも聞いてみないとわからないですが……。例えば、中嶋先生と内科の萩原剛先生は私の大学時代の同級生で、私から「一緒に働きませんか?」とお誘いした経緯があります。他の皆さんにもいえますが、お互いに気心が知れた間柄で、当院がめざす「地域に根差した医療」についても共通理解が育っているので、これといって特別な理由は見当たりませんが、普段のチームワークの積み重ねが良い協力関係につながっているのかもしれないですね。
地域というワードが出たところで改めて、こちらの診療所の役割についてお聞かせください。
馬込のこの辺りも昔に比べて医療機関が増え、当院の役割も数十年前とは違ってきているでしょう。それでも、もともと病院からスタートした名残で、住宅密集地のそれほど大きくない建物でありながら、いろんな診療科に対応しているのが自分たちの特色です。患者さんを複合的に診察できるメリットは小さくないと思っています。同じ内科でも循環器内科や呼吸器内科の他に、血液内科や脳神経内科の先生がいて、さらに産婦人科や皮膚科、消化器内科、歯科だってある。これだけバラエティーに富んだ医師・歯科医師とスタッフがいて、ただ個別に患者さんを診るだけでなく、診療科の垣根を越えて連携できるところは強みだと思いますね。
組織がコンパクトな分、大規模病院に比べて診療の進み方も早いのでしょうか?

初期医療のうち、特に検査段階では、診療所ならではの素早いフットワークを発揮できていると思います。私も大学病院にいたので余計に実感しますが、大規模病院では外来を訪れた患者さんに病気の疑いがあっても、いざ検査の予約を入れようとしたら1ヵ月待ちは珍しくないですし、結果が出るのはさらに数週間後だったりします。その点、当院なら当日中に検査を完結できることもありますし、遅くとも1週間後には結果をお伝えできます。とはいえ、もっと高度な医療が必要と判断したときは病診連携が頼みの綱です。区内だと東京都立荏原病院や大森赤十字病院、他にも品川区の昭和医科大学病院やNTT東日本関東病院など、信頼置ける医療機関へ速やかにご紹介します。この場合、私たちは高度医療への「入り口」として機能していることになります。
睡眠や食事など生活習慣改善の大切さをもっと伝えたい
どのような場合に連携がプラスに働くのでしょうか?

産婦人科を受診された患者さんに高血圧や糖尿病が見つかれば、すぐさま私たち内科の医師が呼ばれて治療を始めることができますし、高齢の方に嚥下の問題があると思われたときには歯科の先生に診てもらうこともできます。皮膚科も同様で、例えば皮膚がんが疑われるような場合、すぐ隣に専門の医師がいて、大きい病院に紹介するなどの今後の対応を委ねられるのは大きな安心材料ですね。患者さんにとっても、廊下で長時間お待ちいただく必要がないのは、負担が軽くなり、より快適ではないでしょうか。
今後、診療所として注力したいテーマはありますか?
働く人が仕事で病気にならないように予防し、健康づくりにもっと貢献していきたいと思っています。これまでもそうした活動を続けてきましたが、これからも地域医療を長く守るために、次世代の医師たちと一緒に診療を続けていきたいと考えています。また、新型コロナウイルスの流行をきっかけにオンライン診療が広がりましたので、今後はオンラインを活用して、健診の栄養指導や保健指導も取り入れていければと思っています。
最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

日頃診療を行う中で、比較的健康な人であっても予防として生活習慣を見直し、改善に取り組むことの重要性をひしひしと感じています。特にうつ病などメンタル不調の方と接していると、睡眠や食事の乱れと発症・回復がいかに密接な関係にあるかを痛感します。睡眠サイクルと栄養バランスを整えることでさまざまな症状にアプローチできますし、長く仕事を離れることを余儀なくされていた人が、早期復職に至るケースも多いのです。これらは、すべての人にあてはまる健康維持の基本に他なりません。診察室でのコミュニケーションを通じ、正しい生活習慣の大切さについて、特に食が偏りがちな若い方たちをはじめ、すべての皆さんにお伝えしたいと考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/4万1250円

