外科出身ならではの熟練の技術と
温かな心で寄り添う在宅医療
双泉クリニックいけがみ
(大田区/池上駅)
最終更新日:2025/04/15


- 保険診療
家族のために訪問診療を探していても、さまざまなクリニックがあり迷っている人もいるだろう。そんなとき、医師の専門スキルを手がかりにするのも一つの方法だ。例えば外科出身ならば褥瘡(じょくそう)などにもスピーディーに対応してもらえる。「双泉クリニックいけがみ」の小澤司院長はまさにそんなドクターの一人。心臓血管外科手術に長年携わり、感染管理についても深く学んだ経験を持つ。そんな小澤院長を支える看護師たちも訪問診療のスペシャリストがそろっている。初めて訪問診療を利用する場合でも、地域包括支援の経験が豊富なメディカルソーシャルワーカーや保健師が在籍しており相談できる。2台のドクターカーを備えるアットホームなクリニックで、在宅医療について詳しく話を聞いた。
(取材日2025年3月31日)
目次
地域包括支援の知識も生かして必要としているすべての人に在宅医療を届けたい
- Q在宅医療はどのような人が対象になるのですか?
-
A
▲スタッフ一同連携し、一人ひとりの患者に向き合って診療を進める
在宅医療には大きく分けて、月に2回ほどご自宅に伺う訪問診療、体調が急変したときなどに行う往診の2種類があります。訪問診療を受ける条件は「通院が難しい」ということです。具体的には病気やけがで歩けない、脳梗塞の後遺症で寝たきりである、認知症や呼吸器の装着があり移動が危険といったケースがあります。末期がんや老衰などで自宅での終末期ケアを希望する方も対象です。これまでは当院にもともと通っていたけれど通院が難しくなったという方が大半でしたが、最近では急性期病院からの患者さんの紹介も増えています。その場合は当院で術後の経過観察をしつつ、いざとなったらいつでも急性期病院を頼れるよう、併診を勧めています。
- Q外来と在宅では患者さんの様子は違うのでしょうか。
-
A
▲外来から訪問診療まで切れ目なく患者のニーズに対応
往々にして違いますね。外来の患者さんは素の姿ではありませんし「家での様子を見なければ高血圧や糖尿病を含む生活習慣病の本当の引き金や実態はわからない」とさえ感じています。一方、医療従事者にとっても在宅医療は「真の技量」を試される場です。病院のようなベッドに寝ている患者さんばかりではないからです。暗い、狭い、傾いている……どんな状況でも採血ができる、点滴も入れられるという技術が問われます。また、外来では「お薬飲んでいますか?」「はい」だけで終わってしまいますが、在宅医療なら本当に飲まれているか、怠っているなら生活上の何を改善すべきかを追うこともできます。
- Q実際に訪問診療を開始するまでの流れを教えてください。
-
A
▲気軽に相談してほしいと優しい口調で話す院長
まず、ご本人またはご家族からの相談を受けます。患者さんの具体的な症状、現在までの経過を聞き取り、訪問診療が可能と判断されるようならば訪問診療計画書の作成に着手。一人ひとりの状況に応じて訪問回数や診療内容の詳細を決め、それに沿って訪問診療を継続的に行います。原則的に月に2回となりますが、緊急時には往診での対応も可能です。もし「通院したいけど転倒リスクが怖い」「家族の付き添いが難しくなった」などのお悩みがあるならば、早めに相談してください。一度やってみて「まだ必要ない」ということなら、いつでも通院に戻すこともできるので、気軽に試してみてはいかがでしょうか。
- Qこちらの在宅医療の特色は何ですか?
-
A
▲外科出身で褥瘡(じょくそう)などにもスピーディーに対応
一つは私が外科出身で、手術を得意としている点です。褥瘡や外傷の処置も、感染に十分注意しながら自宅で行っています。適応は限定的ですが、高カロリー輸液を行うために中心静脈ラインを取ることも可能です。すべての治療は素晴らしいスタッフたちによるチームワークのたまものです。うちのクリニックの保健師や看護師たちとメディカルソーシャルワーカーも各自高いモチベーションを持っています。
- Q地域包括支援センターとも連携しているのですね。
-
A
▲患者や家族に常に寄り添う院長
当院の2階には同一法人の地域包括支援センターがあり、地域のご高齢の方々の相談窓口になっているというのも特徴的かもしれません。まだ介護保険サービスを利用していない方は介護認定の相談からサポートしています。地域包括支援センターと密に連携しているため、当院の訪問診療は生活保護受給者などの困難事例にあたる方も少なくありません。患者さんの未来を見据えた総合的な医療、介護、福祉を視野に入れているクリニックともいえます。地域には、必要な医療や介護につながっていない方が多いことを実感しています。今後ともしかるべきサービスをしかるべき方々に届けることができるよう力を入れていきたいです。