中村 隆人 副院長の独自取材記事
プラーカ中村クリニック
(新潟市中央区/新潟駅)
最終更新日:2023/10/31

新潟駅の南中央口から徒歩約2分。「プラーカ中村クリニック」は、2008年に外科を専門とする中村茂樹院長が開院したクリニックだ。息子である中村隆人先生は、消化器内科を専門とし、勤務医として豊富な経験を重ねた後、2020年より副院長として同院に参画。内視鏡によるがん検診や手術などに長年携わってきた中村茂樹院長とともに、外科、内科の両面からより幅広い医療に対応している。肛門検査、乳がん検診、人間ドック、胃・大腸内視鏡検査、大腸CT、MRI検査と、検査体制を整備。地域の患者がいつでも頼れる医療を提供し続ける理由は「人生を長くサポートし続けるクリニックでありたい」という、強い思いがあるからこそだ。医療への真摯な姿勢が印象的な隆人副院長に、クリニックの特徴や、仕事に対する思いについて話を聞いた。
(取材日2023年6月5日)
外科と内科の両面から幅広い診療・検査に対応
お父さまが15年前に開業されたクリニックと伺いました。開業当時は、どんな思いがあったのでしょうか。

院長は勤務医時代から「痛みの少ない外科治療」をモットーとしていました。内視鏡検査から腹腔鏡手術、麻酔を使った治療の経験が豊富で、早くから経鼻内視鏡の検査の導入に尽力してきました。そうした勤務医時代のさまざまな経験がつながり、人間ドックや検診などを組み合わせた、現在のクリニックを開業しました。
隆人副院長は、2020年からこちらのクリニックに参画されたのですね。
勤務医時代には、病院で手技や高度な医療にも携わりながら経験を重ねました。一段落ついたタイミングで「小回りの利く環境で、自分のベストな医療を探ってみたい」と思い、当院に入りました。現在は、院長の外科、私の消化器内科の専門性を生かしながら、幅広い診療に対応しています。ファーストタッチは院長と私どちらも診ることができ、困難例は専門のほうへ行ってもらうスタンスです。窓口を絞らず、基本的には患者さんのお悩みを限定せず受け入れる体制を整えています。もちろん、高い専門性が求められる場合、当院では限界があることをお伝えしますが、患者さんの安心と利便性のために、できる限り何でも診るようにしています。
このクリニックならではの特徴や強みについてお聞かせください。

当院は専門の異なる複数の医師が在籍しており、外科・内科の両面から幅広く専門的に対応できる体制を整えています。各種検診、訪問診療、対応できるクリニックが少ない乳腺・肛門疾患、高度な画像検査にも対応し「とりあえず、ここに行けば安心できる」と思っていただけるようにしています。肛門検査、超音波での乳がん検診、人間ドック、内視鏡検査、CT、MRIや全身のがんを検査するDWIBS(ドゥイブス)など、目的や要望に合わせて利用できます。特にエコーによる肝硬度測定を備えている点も当院の特徴です。検診の肝機能異常で経過観察という結果でも、放っておくと肝硬変になる可能性もあります。エコーによる肝硬度を測定すれば、現時点で病気のリスクがあるかまで調べることが可能です。
患者のニーズを最優先に考えた医療体制
大腸CTとはどのような機器なのですか?

腸に空気を入れて撮影し、それを3Dで再構成して病変を確認する検査機器です。大腸がん検診は受診率が低く、健康診断で引っかかっても精密検査を受けない方もいらっしゃいます。そうした「大腸内視鏡検査が怖い」という方向けに、大腸CTを用意しました。内視鏡以外の選択肢を用意すると、前向きになってくださる方も多いと思います。「まずは一度受けてみよう」と思う方を増やすだけでも病変の発見につながります。もちろん大腸内視鏡検査も、限りなく負担を少なく実施できるよう鎮静剤も用意していますし、胃についても鎮静剤や経鼻内視鏡を取り入れています。
まさに「痛みの少ない外科治療」をめざしていらっしゃるのですね。
私も、院長である父も猛烈に痛がりなので、検査が怖い方の気持ちはすごくわかるんです。自分が検査を受ける時も、怖いから完全に寝かせてほしいというタイプで(笑)。そういう気持ちがわかるからこそ、早期からニーズに応える体制を整えられたのだと思います。患者さんが来たいと思えるよう、できるだけ間口を広げておかなければ、病気を発見できない人が多くなってしまいます。だからこそ、現在の医療においてスタンダードかどうかに関わらず、患者さんが何を欲しているのかを考えることを重視しています。鎮静剤の使用や、経鼻内視鏡、大腸CTも「新潟で受けたい」という患者さんのために取り入れました。
患者さんとの向き合い方で、大切にされていることはありますか?

診療や検査においては、メリットとデメリットを包み隠さず確認してもらった上で、納得して決めてもらうことです。迷われる方に対しては「自分の家族だったら」と考えた上で、意見をお伝えします。それから「笑顔であいさつする」といった基本的なことも、クリニック全体で大切にしています。人って気持ちが沈んでいるときでも、笑顔をつくると気分が上がるんですよ。私も最初は戸惑いましたが、実践してみると雰囲気が明るくなるし、患者さんにも自然に明るく接することができるようになりました。患者さんは当然、具合が悪くて来院しているので、少しでもいい気分になっていただけるよう、笑顔で接することも欠かせないと思っています。
スタッフさんについてもお聞かせください。
クリニックは小さい規模の医療施設なのでスタッフ一人ひとりのクオリティーが患者さんに影響しやすい環境だと思いますが、スタッフにはとても恵まれていると日々感じます。当院のスタッフは個々の能力が高いだけでなく、建設的に動けるチームです。そうした雰囲気ができたのは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた際、みんなで立ち向かえた経験も大きいと思っています。当時、発熱者専用の外来が周りになかった頃から一番乗りで、発熱症状の外来を作るのに協力してくれました。スタッフのおかげでさまざまな困難を乗り越え、実現できたと感謝しています。
安定した医療を長く提供し続けるクリニックをめざして
クリニックに来られて3年ほどたちますが、今のお気持ちは?

幅広い領域を扱うクリニックですので、患者さんも当然いろんな主訴の方がいらっしゃいます。その中で患者さんにとって頼れる医師となるために、専門分野以外も十分対応できる、幅広い診療能力が求められていると感じるようになりました。一つの専門分野を突き詰めるやり方もありますが「この範囲は専門外だから」と伝えただけでは、患者さんは安心できません。患者さんが「何かあってもここに行けば安心できる」と思えるような医療を提供し続けるクリニックでありたいと考えています。
この仕事のやりがいはどんな時に感じますか?
やはり、患者さんに頼りにされる瞬間ですね。人の人生に深く入っていく分、医師は感謝されたり、頼りにされたりする機会が多い仕事だと思います。だからこそ、高い倫理性を持っていないといけませんし、それが自戒にもなる。仕事について自問自答することも多いのですが、それは命を扱う仕事ならではだと思います。
ところで、お休みの日はどのように過ごされていますか?

基本的にはスポーツをしていることが多いです。父はもうすぐ70歳になりますが、剣道が好きなだけでなく、朝も犬の散歩をしながらジョギングしているんです。そんな姿を見ていると、それくらい運動しないと60代後半まで第一線で働けないなと思うようになり、私はテニス、山登り、釣り、スキーなどで、週3〜4回は体を動かすようにしています。長く働きたいという思いがあるので、そのためにも健康や体力を維持したいですね。
最後に、今後の展望についてお聞かせください。
当院は幅広い世代の患者さんにご利用いただいているので、10年、20年と質の高い医療を安定して長く提供し続けることが重要だと考えています。患者さんの期待にコミットし続けるクリニックであるために、自分のほかにも同じクオリティーで診療できる医師を育て定着させるなど、地域を支えるインフラとしての安定感を持たせるのが今後の展望です。訪問診療も、通院ができなくなった患者さんにも安心できる医療を届け続けるために行っています。目の前の患者さんを助けたいという思いはもちろんですが、それだけでなく、患者さんの人生を長くサポートし続けるクリニックであるために、今後も尽力したいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/4万5000円~、全身がん検査(DWIBS)単体/5万円~、大腸内視鏡検査/2万740円、脳ドック/3万7950円~