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諸橋 弘子 院長の独自取材記事

ラサ内科皮膚科クリニック

(新潟市中央区/新潟駅)

最終更新日:2022/09/27

諸橋弘子院長 ラサ内科皮膚科クリニック main

新潟駅南口から徒歩約4分。街路樹の美しい街並みを通り、その先のビルの1階にあるのが「ラサ内科皮膚科クリニック」だ。内科・皮膚科を標榜し、漢方を取り入れた診療を行っている。院長の諸橋弘子先生はおおらかで気さくな人柄。院名を「わくわくする楽しいものにしたくて」と、旅で訪れて感動したチベットの都市の名「ラサ」をつけたと話す。医学部在学中に漢方と出会い、西洋医学を学ぶとともに、東洋医学についても見識を深めてきた。本場中国でも学んだ経験を持ち、国内でも漢方のスペシャリストに学ぶ機会を得た。積み重ねてきた知識をもっと生かす場を求めて開業を決意。患者の症状や状態を診て、西洋医学の治療法に漢方をプラスして治療を行う。諸橋院長に漢方との出会いや開業までの道のり、診療について話を聞いた。

(取材日2022年7月13日)

大学で漢方と出会う

2007年に開業なさったとのことで。それまでの経緯を教えてください。

諸橋弘子院長 ラサ内科皮膚科クリニック1

医学部に入って、最初の2年は数学や物理を中心とした基礎勉強をしていました。早く臨床的な勉強をしたいと思い、探していると漢方に出会ったんです。すぐに興味が湧き、勉強しているうちにますます面白いと思うようになったんですよね。卒業後は勤務医として病院の皮膚科や内科で経験を積む傍ら、漢方の勉強を独学で続けました。下越病院に在籍中、中国の黒龍江中医薬大学と成都中医薬大学に合計4ヵ月ほど短期留学し、現地では教授にマンツーマンで教えていただきました。中国から帰ってきてからも、国内で1ヵ月半ほど、京都の専門家の先生のもとで漢方を学ぶ機会を得ることができました。病院では、患者さんを診ながら漢方薬を使ってはどうだろうと思われるケースもあったのですが、勤務医ではなかなか自由に行えず、学んできたことを生かすことができずにいました。そこで、独立開業することにしたんです。

院名にある「ラサ」について、ホームページにご紹介がありますね。

中国に留学していた時に、留学生仲間から一緒にチベットに行かないかと誘われ、その時は想像を絶する地だと思い断ったんです。けれども、もともと旅好きではあるし、そんなところに本当に行けるのかと気になって。知り合いでチベットに行ってきたという人にも会い、じゃあ私も行ってみようかなと思い、中国から帰国していた1999年に1人で行ってきました。すると思っていたとおり想像を超えたところで。標高が高いから1日待たないと体が順応しないし、「五体投地」という体を地面につけて祈る仏教の礼拝も人々の間で普通に行われているし、現実離れした映画の世界の中で生きているようで感動しました。開業は私にとっては大事業で、院名を普通に諸橋にしてもつまらないと思い、わくわくする楽しい名前にしたくて、印象に残っているチベットの地名「ラサ」にしようと。でも、それだけだとなんだかわからないかもと思って(笑)「内科皮膚科」をつけました。

患者さんは、どういった方々ですか?

諸橋弘子院長 ラサ内科皮膚科クリニック2

内科の患者さんが4割くらいで、皮膚科が3割、漢方が3割といったところでしょうか。新潟駅から近いので、患者さんは電車を利用したり、駅に着くバスを利用したりして来院され、新潟市だけでなく遠方からおみえになる方もいます。皮膚科を受診される女性の患者さんには、肌を診てもらうのに抵抗がある方がいらっしゃるようで、女性医師だと安心だということで探して来られる方もいますよね。学生の女の子をはじめ、私と同年代の更年期世代の女性は多いです。漢方を希望される患者さんもいますが、まずは患者さんの状態を見て治療法を決めます。西洋医学のほうが合っていればそちらの方法で、あるいは西洋医学と漢方をミックスした治療を行うことも多いですね。東洋医学と西洋医学、両方のいい部分をうまく取り入れるのが当院の診療方針ですので。

患者の満足を大切にする

漢方には、どういった特徴があるのでしょうか?

諸橋弘子院長 ラサ内科皮膚科クリニック3

漢方薬には、顆粒になったエキス剤と、煮出してお茶にして飲む煎じ薬とがあります。当院ではまず、エキス剤を使用し、軽快に向かわない場合は煎じ薬を考えます。漢方薬はまた、作用が早くに出るものと時間がかかる場合とあり、服用する期間も短い方ですと2週間、長くて2年ぐらい飲み続けるようなケースもあります。薬の味については、飲むのに少々飲みにくさを感じるものもあるかもしれませんが、まったく飲めないものではないと思います。体に合う場合は、すっと体に入るなど飲みやすく感じるので、そこが不思議で面白いところですよね。

患者さんを診るときに心がけていることは何ですか?

来てくださった患者さんに満足して帰ってもらいたい、と思って診療しています。ただ、そうはいっても、診療時間が長いと待ち時間も増えるので、それは避けたいと思っていて、待ち時間は30分以内になるように心がけています。

たくさんの患者さんを診られてきた中で、特に印象深い方はいらっしゃいますか?

諸橋弘子院長 ラサ内科皮膚科クリニック4

開業する前のことなんですけれども。アトピー性皮膚炎を患う高校生の患者さんだったんですが、ちょっとナイーブな子で、そんなにひどくないんですけれど肌が赤くなったりしていて、それが理由で不登校になってしまったということでした。症状が改善すれば、この子は学校に行けるんだと思い、懸命に治療しましたね。医師という仕事は社会的な意味もあるんだな、と感じた例でした。

漢方の可能性をもっと広げて、診療に役立てたい

そもそも、諸橋院長が医師をめざしたきっかけを教えてください。

諸橋弘子院長 ラサ内科皮膚科クリニック5

高校の進路についての面談で、親は私を就職させるつもりだと言ったのです。すると、担任の先生は、本人は大学に行きたがっているのに親が芽を摘むのはいけないと諭してくれました。当時の私は、自立した女性になりたいという思いを強く持っていたので、医師になることを自立の道として目標にしたのです。……もう、ずいぶん前の話ですけどね(笑)。

そうして医師の道に進まれて以来、お忙しい毎日かと思いますが、リフレッシュには何をされていますか?

今は家の中の片づけですね。必要な物と不要な物を分け、要らない物はどんどん処分しています。ホテルのようにすっきりとした家にしたいと思っていますけど、最初はなかなか捨てられないんです。それで、また見て、また見てと、3回、4回繰り返して、やっと捨てられるような感じです。この1月から半年ほどトライしてきたんですが、まだ減っていなくて、もう半年かかるかなあと思っているところです。物が管理できていないと、同じ洋服を買ってしまったりして、また増えてしまいますよね。持ち物を把握して、きちんと管理できたらいいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

諸橋弘子院長 ラサ内科皮膚科クリニック6

すべてが漢方で解決するわけではないのですけれども、漢方の可能性はすごく大きいので、それに自分自身、期待していきたいなと思っています。漢方は以前は西洋医学の補助的な部分という感じで考えられていましたが、最近はさまざまな疾患の患者さんに積極的に漢方を試みている先生もいます。そういう先進的な方々の存在があって、漢方の可能性が広がってきたと実感していますし、私自身もその技術をもっと上げていきたいなと思っています。あとは、これまでの経験や知識を生かして、これから漢方を志す若い先生方の指導にも力を入れていきたいと思っていますね。

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