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三木 紀人 院長の独自取材記事

三木眼科クリニック

(堺市堺区/堺東駅)

最終更新日:2020/06/23

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堺東駅から徒歩4分。堺市役所のはす向かいにあるビルの6階に「三木眼科クリニック」はある。2017年2月、クリニックが入るビルが新しく建て替えられたのを機に父から院長を受け継いだ三木紀人先生。とても穏やかで優しい印象で、なんでも相談できそうな雰囲気を持つドクターだ。診療では、一般診療や在宅診療、レーザー治療の他、白内障の日帰り手術に力を入れ、所要時間約10分という手術でも、毎回とことん準備をしてから執刀に臨んでいる。手術を不安がる患者には、術前検査時に手術室に案内しどんな場所かを体感してもらい、少しでも不安を和らげるように努力しているという。患者への気配りも忘れない三木院長に、クリニック開業の経緯から、スタッフとの厚い信頼関係など、じっくりと話を聞いた。
(取材日2018年5月24日)

10分程度の手術にもとことん準備をして臨む

お父さまもおじいさまも眼科の医師でいらっしゃるそうですね。

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父は大阪市立大学大学院医学研究科で、眼科の教授をしておりました。祖父も当院のすぐ近くで開業しておりましたので、3代続けて眼科医師ということになりますね。父が退官した後2006年にこの場所で開業したのは、ビルの持ち主である谷和医院の前の院長が、父と同級生だったご縁で、お勧めしてくださったからです。その当時の私は、大阪市立大学医学部附属病院の病院講師でしたので、土曜だけ診察を手伝っておりました。2010年からはクリニックに入り、2017年2月にビルの建て替え工事が完了し、当院も新しく手術室を用意して再スタートしたのを機に、私が院長になりました。

日帰りの白内障手術も行っておられますが、怖がる患者さんはいませんか?

よく「針が目に近づいてくるのですか? 怖くないですか?」と質問を受けますが、眩しい光をパッと照らして手術しますので、眩しすぎて針先が見えるということはありません。前もって手術の流れもご説明し、患者さんの不安をできる限り取り除く努力をしています。麻酔をしますから痛みもほぼありませんし、何となく触られているな、と感じる程度だと思います。当院では術前に、希望される方には手術室に入ってもらって、どんな感じなのかを体感していただいています。当日初めて手術室に入るよりも、行ったことのある場所で知っている先生に手術してもらうほうが緊張も和らぐと思っています。また、当院は通常の手術室に比べクリーン度の高い手術室があり、感染症対策を徹底しています。術後に菌が入って悪化するケースもゼロではないので、少しでもリスクを消すためにと導入しました。見えないところの安全と確実な手術を心がけています。

術前にはどんな検査をするのでしょう?

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血圧や採血などで全身のチェックを行います。健康だとおっしゃる方にも疾患が隠れていることがあり注意が必要です。以前採血で消化管の出血を疑う結果があり内科受診をお勧めしたところ、がんが見つかった方もおられます。白内障手術も始まれば10分程度であっという間に終了する場合もありますが、もしもの状態に陥らないように、毎回徹底した綿密な準備をしています。それでも心配な患者さんは、かかりつけの先生にお手紙で状態をお尋ねすることもあります。より専門性が求められる場合には、必要に応じて紹介を出すなど、地域の先生方との連携を強化しています。同じビル内に、内科・循環器内科を診る谷和医院があるのも心強いですね。院長先生も「いつでも駆けつけるよ」と言ってくださっているので安心です。

患者の喜ぶ顔を見ることができる眼科の医師は天職

子どもの頃から眼科の医師になると決めておられたのですか?

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親類縁者にも医師が多く、なんとなくそういう空気はありましたが、このままでいいのか?と高校時代に悩みました。同じ時期に祖父が亡くなり、命の不思議さと生と死について真剣に向き合う時間ができたことが、医療の道へ進むきっかけだったように思います。それから一生懸命勉強をして大阪医科大学へ行き、手術がしたくて外科系に進もうと決めて全科を回った時に、眼科の他科とはまったく違う手術の雰囲気に惹かれて、眼科の医師になる決心をしました。顕微鏡をのぞくと目の構造が立体的に見えるのですが、その世界がすごくきれいで感動しました。まるでカメラのレンズのようなんです。眼科で学ぶ内容も工学的かつ物理的で身近な世界だっただけに、実際にふれることで「やってみよう」と意欲が湧きました。

それから大阪市立大学附属病院で勤務されたのですね。

たいへん魅力的な教授がいる大阪医科大学とどちらに進むか迷いましたが、父が退官まであと1年でしたので、父と一緒に一年間仕事ができるのは貴重な機会だと考え、大阪市立大学医学部附属病院の眼科に入局しました。ここでは目の血液循環に関する臨床研究に取り組み、附属病院で実際に患者さんを診察しながら、目の血液循環が悪いとどのような病気にかかるかを解析しました。主には加齢黄斑変性症ですが、くしくも大阪市立大学医学部が掲げるテーマの一つでしたので、多角的に研究を進めることができました。今も治療について頭の中でいろいろと考える際に、自身の研究の成果が役に立っています。

仕事をしていて楽しいと感じる瞬間はどんな時ですか?

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手術で患者さんから「人生が変わった」と言われる瞬間です。手術を嫌がっていらした方に言われると、さらにやりがいを感じます。昔は難しいと思っていた小さいお子さんの診察も、今では楽しい時間になりました。お子さんは一度、怖いと思ったらなかなか心を許してくれません。でも想像力が豊かですからそこを刺激してあげるのです。例えば診察のために椅子の高さを調節する際は「今から魔法が使えるか試してみよう」と声をかけて、スイッチを押しながら「椅子よ! 上がれ!」と言うと椅子が上がります。もうそれだけで大喜びして心を開いてくれます。診察で目のレンズに色をつける時も検査器具を「これは魔法のつえだよ!」と言って、想像させると怖がりません。さらに新バージョンも考え中です(笑)。

スタッフと良いチームワークで日々、精進していく

日々のご診察の中で気をつけていることはありますか?

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スタッフとのチームワークです。チームワークが良くないと患者さんに伝わりますし、不安な気持ちにさせてしまいます。それと、私が性格的にのんびりしているためか、診察をじっくり行います。どの患者さんにも時間をかけて説明をしたいのですが、混んでいる日はそうもいきません。そのため、スタッフにも積極的に勉強してもらい、私の代わりに患者さんをサポートしてくれるよう頼んでいます。ためになる勉強会などの情報をスタッフに提供し、出張の際は参加費だけでなく交通費と宿泊費も出しています。うれしいことに、とても勉強熱心なスタッフが集まっていますので、毎日とても助かっています。

これまで出会った患者さんで心に残っている方はいらっしゃいますか?

私が白内障手術をさせていただいた患者さんです。ご年齢は80歳をとっくに過ぎた方でした。手術に向けての問診で、その方のお話を聞きながら私自身のことも語ったようで、私との会話をほぼすべてご記憶なさっていたのです。驚いて、どうしてそんなことを覚えていらっしゃるのか尋ねると「私は人と話をする時に、いい加減に聞かないからです」と言われて、もう大反省でした。私も一生懸命聞いているつもりでしたが、その方にはまったくかなわなかったですね。口に出しては言いませんでしたが、ああこの人は私の人生の師匠だなと心に刻んだ瞬間でした。

最後に読者へのメッセージと、今後の展望を教えてください。

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40歳を過ぎたらぜひ緑内障の検診を受けていただきたいです。当院ではOCTという装置も導入しており、緑内障の早期発見が可能です。その結果、緑内障と診断されるとナーバスになるかもしれませんが、病状についてはきちんとご説明しますし、定期的な検査でデータを蓄積すれば、グラフ化して将来どこまで進行するかが想定でき、不安を減らすこともできます。加齢黄斑変性症は私の専門ですし、全盲ではないけれど見えにくい「ロービジョン」といわれる方のケアにもこれから取り組みたいと思っております。医師と言えどすべての病気を治せるわけではありませんが、治すことができない病気でお困りの患者さんにも一生寄り添える、地域のかかりつけ医でありたいと思っています。「来て良かった」と思っていただけるクリニックをチームワークで続けていきます。

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