苦痛を抑え、不安に配慮
負担の少ない大腸内視鏡検査で早期発見へ
藤戸クリニック
(豊中市/豊中駅)
最終更新日:2025/02/18


- 保険診療
近年、大腸内視鏡検査を行うクリニックの増加を受け、検査の重要性についても広く知られるようになってきた。が、実際に検査を受けることを考えると、苦痛や不安が頭をよぎり、なかなか一歩踏み出せない人も多いようだ。特に過去に大腸内視鏡検査を受けたことがあり、つらい思いをしていればなおさらだろう。しかし日本人の死因上位の大腸がんは早期発見・治療によって死亡リスクの低下にもつながることから、多くの人に受けてもらいたいと「藤戸クリニック」の藤戸努院長は言う。そのために用意しているのが、苦痛や不安を最小限に抑える数々の配慮。同院の内視鏡検査について藤戸院長に話を聞いた。
(取材日2025年1月8日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q大腸内視鏡検査について教えてください。
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A
大腸内視鏡検査は、将来がん化する恐れのある大腸ポリープ、大腸がん、大腸の粘膜に炎症が起こり血便、下痢、腹痛を引き起こす潰瘍性大腸炎やクローン病、大腸の血流が低下することで腹痛、血便、下痢などが起こる虚血性腸炎などを調べる検査です。40歳以上で一度も大腸内視鏡検査を受けたことがない方、血縁者に大腸がん罹患者がいる・いたなど家族歴がある方、便に血が混じっている方や健康診断で便潜血が陽性になった方、便秘・下痢になったなど排便習慣が急に変わったなどある方は、大腸内視鏡検査の受検を検討してください。特に血便や便潜血の場合、「痔だろう」と自己判断せず、きちんと検査を受けましょう。
- Q検査の痛みや不安に対して、どのように配慮されていますか?
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A
検査前説明でもベテランのスタッフが患者さんに寄り添い、不安なく検査を迎えられるようサポートしていますし、何か心配事がある場合は相談いただければ、早期に対応させていただきます。当院の大腸内視鏡検査は、痛みや不安への配慮を徹底するため、眠ったような状態で検査を受けられるよう鎮静剤と、より苦痛の少ない検査を可能とする鎮痛剤を使用しています。またおなかの中に送り込む空気は、体に吸収されやすい二酸化炭素を採用しており、検査後のおなかの張りの軽減につなげています。内視鏡、操作技術などは日々進化しており、「かつて大腸内視鏡検査を受けてつらかったから二度と受けたくない」という方にもぜひ受けてもらいたいですね。
- Q検査にかかる時間や注意点はありますか?
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A
検査前夜に下剤を飲み、当日朝から腸管洗浄液を2~3時間ほどかけて飲んでいただきます。個人差がありますが、おなかが空っぽになるまで3~4時間程度とお考えください。検査自体は早ければ10分、ポリープ切除などがあれば30分くらいかかることもあります。当日は仕事をお休みすることを推奨しておりますが、休みづらいという方のために土曜日にも大腸内視鏡検査を実施しております。また土曜日のうち月2回は内視鏡検査のエキスパートが、当院で検査を行っています。通常の検査で済んだ方は検査したその日、ポリープを切除した場合は検査から3日間は、激しい運動やアルコールの摂取を控えましょう。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診と事前説明
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まずは受診し、大腸内視鏡検査実施の必要性をチェック。健康診断の便潜血で陽性だった場合は、その検査結果も持参。検査が決まったら資料をもとにスタッフから検査前夜・当日の流れの説明を受ける。わからないことがあれば相談し不安を解消。同院が推奨する検査食の案内のほか、当日朝に飲む腸管洗浄剤の飲み方のアドバイスも受けられる。なお、検査日の予約は窓口か電話で可能。電話予約の場合、検査1週間前までに受診が必要だ。
- 2前日から当日の準備
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前日は検査食か自身で用意した食事を取り、夜に下剤を服用。翌朝は腸管洗浄剤を飲み、腸の中を空っぽにする。洗浄剤は冬は常温で、夏は冷やしておくと飲みやすいという。同院の看護師によると「腸管洗浄剤を飲み終えたら検査が半分終わったようなもの」だそうだ。準備ができたらクリニックへ。当日は鎮静剤などを使用するため、車やバイク・自転車の運転は厳禁だ。
- 3来院受付と事前処置
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来院したら、自宅であらかじめサインしておいた書類を提出。慢性疾患の治療などで飲んでいる薬があれば服薬についても確認される。2階の検査室へはエレベーターもあるので、足の不自由な患者もスムーズに移動できる。同院では患者の不安や苦痛の軽減に配慮し、鎮静剤と鎮痛剤を用いた検査を行っている。更衣室で検査着に着替えた後は、鎮静剤を導入するための点滴が準備され、いよいよ検査が行われる。
- 4検査
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鎮静剤でウトウトと眠ったような状態になったら検査を開始。早ければ10分程度、ポリープ切除などがあると30分ほどかかるケースもあるという。おなかの張りなど、検査後の苦痛の軽減するため、鎮静剤と鎮痛剤の使用に加え、送気に二酸化炭素を使用している。検査を終えたらテレビのある広々としたリカバリー室でゆったり体を休める。20~30分ほど安静にして、立ち上がってふらつかなければ、検査結果の報告を受ける。
- 5結果説明
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目が覚めたら診察室で検査結果の報告が行われる。ポリープを切除した場合は、病理検査に出すため、約1週間後に再来院して結果を聞く。もしさらなる検査や治療が必要となった場合は、連携する病院に紹介、経過観察になった場合は医師の指示に従って定期検診を受ける。藤戸院長は「苦痛を最小限に抑えた大腸内視鏡検査で、皆さんに検査を受けていただき、大腸がんでの死亡数を減らしたい」と話している。