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窪田 一之 院長の独自取材記事

くぼた内科クリニック

(鹿児島市/鹿児島駅)

最終更新日:2021/10/12

窪田一之院長 くぼた内科クリニック main

鹿児島市中心部から車で約20分の場所にある吉野町。晴れた日は桜島が見えるこの町の高台に、「くぼた内科クリニック」はある。県内の基幹病院と連携を取りつつ、地域に根差した医療を提供しているクリニックだ。院長の窪田一之先生は循環器内科を専門とし、心臓疾患や高血圧・糖尿病・高脂血症などの生活習慣病を中心に、内科全般の診療を行っている。「この地域では私は新参者なのですが、開業から10年以上がたって、患者さんから隣人のように接していただけるようになったのがうれしいです」と笑みを浮かべる窪田先生。第2の故郷と称する吉野町で、どんな想いを持って日々患者と向き合っているのか。たっぷりと語ってもらった。

(取材日2021年3月30日)

血管や心臓の精密検査ができる地域密着のクリニック

クリニックの概要について教えてください。

窪田一之院長 くぼた内科クリニック1

開院したのは2008年です。当時この辺りには循環器内科が少なかったものですから、専門性の高いクリニックとして地域貢献できるのではと考え、この町での開業を決めました。患者さんの循環器疾患をいち早く見つけて適切に治療し、必要に応じて近隣の基幹病院への橋渡しをするのが当院の役割です。主に鹿児島医療センター、鹿児島大学病院、南風病院、天陽会中央病院などと連携を図っています。その他、ちょっとした風邪など一般内科の症状にも広く対応しています。この地域は先祖代々受け継がれてきた昔ながらの住宅街と、再開発でつくられた新しい街並みが混在する活気あるエリアです。人口も増えているので、なじみの患者さんの他に新しい方々も多く来られますね。

どのような症状を抱えた患者さんが来られますか?

心臓の疾患がある人や高血圧症・高脂血症・糖尿病など生活習慣病の患者さんが多いですね。特に糖尿病の方はかなり増えていて、健診で指摘されて来院される若い方も少なくありません。また近隣の基幹病院に入院されていた患者さんを、退院後に当院で受け入れるということもよくあります。そういう方々をいかに安定した状態で見続けていくか、が肝心です。体調の変化に応じて細かく薬を調整することも大事ですし、悪くなったときにどのタイミングで大きい病院へ送るか、ということにも日々細心の注意を払っています。

設備面の特色を教えてください。

窪田一之院長 くぼた内科クリニック2

心エコーや頸動脈エコー、腹部エコーなどの検査を行う超音波断層装置や、丸一日かけて心電図を記録する検査装置、動脈硬化の有無や血管年齢を調べる脈波検査装置、肺機能検査装置などを備えています。特に心臓専用のエコーや24時間心電図検査はどこのクリニックでも受けられるわけではありませんから、循環器を専門的に診ている当院ならでは、ではないでしょうか。それから肩などの痛みを訴える患者さんのために電気治療の機器も置いています。もう一つ、特徴的なものとしては水流マッサージ装置(ウォーターベッド)があります。これは白衣高血圧といって、病院に来ると緊張して血圧が上がってしまう方のために設置しました。温かい水流によってリラックスしていただくことで、平常時の血圧を計測し正確な判断をするのに役立てています。

何げない会話からも体調の変化を探る

先生はなぜ、医療の道へ進まれたのでしょうか?

窪田一之院長 くぼた内科クリニック3

サラリーマンの家庭で育ったので、初めから医師になりたいという強い気持ちがあったわけではなかったんです。本当は別の学部をめざしていたのですが、試しに受けた医学部にも合格して、親戚から「だったら医師になったら」と勧められまして。そんなきっかけで医療の道に入ったわけですが、実際私の性格上、今のような手に職をつける仕事が向いていたと思いますし、働き始めてからは自分の仕事に対してはっきりと手応えが感じられるところにやりがいを覚えるようになりました。勤務医時代は特に忙しくて夜間や休日も働いていましたが、それも苦にならなかったのは、やはり患者さんの喜ぶ顔が見られたり、頼っていただいたりといった反響がやりがいにつながっていたからだと思います。

今、特に力を入れておられる治療は何ですか?

高血圧症、糖尿病といった生活習慣病の治療ですね。こういった病気は自覚症状がほとんどないため、放置していてもいいと思っている方が少なくありません。しかしそれが原因で、ある日突然脳卒中など重篤な症状を引き起こしてしまうこともあるのです。こういった合併症を引き起こす前に、適切な治療を行うことが大切です。世間にはまだ誤解があって、「血圧の薬は一度始めるとやめられなくなるから飲まない」などと、まるで中毒のように捉えている人もいます。そのため、飲み続ける理由があるから出しているのだということを、根気強く説得する必要があると思っています。糖尿病に関しても、患者さんの数が増えていると感じています。生活習慣病について、情報があふれている割に理解が進んでいないと感じているので、しっかり周知していかなければと考えています。

診療の際に心がけていることはありますか?

窪田一之院長 くぼた内科クリニック4

限られた時間内ですが、要点を絞ってわかりやすく説明するように心がけています。上から目線で話すことは決してしませんし、患者さんに「先生に怒られるから病院に行きたくない」なんて思われないように、話し方にも気をつけています。人は何かするのを「義務だ」と感じるとつらくなりますが、成果が出るとなるとやる気が湧くものです。生活改善に関しても、行うメリットを具体的にお伝えします。その上で「ことさら運動しなくても、家事を一生懸命汗をかいてやれば十分ですよ」などとアドバイスして、できる範囲でモチベーションを上げて取り組んでもらえるように工夫しています。そして何より大切なのは、診察の際に患者さんのちょっとした症状を見逃さない、何げない会話を聞き逃さないこと。些細な変化に思わぬ大病のサインが潜んでいる可能性もあります。あやしいと思ったら徹底して検査し、いち早く治療につなげることが私の役目だと考えています。

校医や在宅診療も担い地域に貢献

訪問診療を行ったり、小学校の校医を務めたりと、地域貢献にも取り組まれていると伺いました。

窪田一之院長 くぼた内科クリニック5

主に通院が困難になられたなじみの患者さんに対して、訪問診療を行っています。頻繁に往診を利用する方には在宅専門のクリニックをお勧めしますが、やはり長年通ってくださった患者さんには思い入れがありますし、最後まで診てあげたいという気持ちが強いものですから。お世話をするご家族も大変だと思いますが、それでも家に最後までいさせてあげたいという思いで頑張っておられるので、私にできることは少しでもお手伝いさせていただきたいと考えています。在宅診療に関しても、近隣の病院と連携して緊急時には速やかに取り次げる体制をつくっていますからご安心ください。私はこの地域に後から入ってきた新参者ですから、少しでも受け入れてもらえるようにと努めてきましたが、最近では昔から住んでいたのではと錯覚するくらい、周りの方々に親しく接していただけるようになりうれしい限りですね。

休日の過ごし方や健康法を教えてください。

若い頃は山岳部だったので山登りが好きで、以前は休みになると霧島に行くこともありました。どちらかというとアウトドア派なので、子どもが小さい時は一緒にキャンプを楽しんだりもしていましたね。仕事に余裕ができたらまたやりたいことです。健康法はというと、私自身も体重を気にしていまして、以前はジムに通っていたのですが、忙しくてやめてしまったんですよ。でも工夫すれば運動はできます。夜に散歩に出て季節の花を眺めながら歩くのを日課にしています。いかにするか、が大事。患者さんに対しても、ご自身に合った方法を見つけるようにアドバイスしています。

今後の展望についてお聞かせください。

窪田一之院長 くぼた内科クリニック6

医師になりたての頃は自分の知識や技能にばかり目を向けがちでしたが、年齢を重ねるにつれて患者さんの気持ちにより共感できるようになってきたように思います。実際、数年前に私も腰の手術をして患者の立場を経験し、思った以上に大変だと痛感しました。これまでに得た人生経験をもとに、年齢を重ねた今だからこそできる温かみのある医療を提供していきたいですね。「ここに来て良かった」と思っていただけるように、皆さんの気持ちがくみ取れる医師、相談に乗って差し上げられる医師でありたいと願っています。地域の皆さんの健康維持に少しでも貢献できるように務めていきたいです。

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