CAD/CAMシステムを活用した
負担の少ないセラミック治療
山内歯科
(四日市市/阿倉川駅)
最終更新日:2021/10/12
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虫歯などの治療において、歯の修復に用いられる人工的な詰め物やかぶせ物。かつては金属製がほとんどだったが、現在ではセラミックを中心に、より機能性と審美性を重視した素材を選択することも可能となっている。しかしその一方で、修復物の製作には、型採りの煩わしさに加え、完成までの期間に仮歯での生活を余儀なくされるという課題が残ってきた。こうした課題を解消するためのシステムとして、近年普及が進んでいるのがCAD/CAMシステムだ。同システムは、コンピューターを使って修復物を設計し、削り出すシステム。型採り不要で、最短1日での完成が可能となる。今回は、「山内歯科」の山内貴司院長に、CAD/CAMシステムを用いたセラミックによる治療の詳細や患者にもたらすメリットについて聞いた。
(取材日2020年1月9日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- QCAD/CAMシステムを用いるメリットを教えてください。
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A
費用面や仕上がりの美しさ・安定性などさまざまなメリットが期待できますが、やはり一番は治療の開始から終了までの期間が短いということです。歯科技工士に詰め物やかぶせ物の製作を依頼すると、どうしても完成までに時間がかかるため、歯を削ったその日に治療を終えることは困難です。この点、CAD/CAMシステムを用いれば、設計から修復物の完成まで20分程度で済みますので、最短即日に治療を完了することもできるのです。結果、通院回数も少なく済みますし、歯を削ってから48時間以内に治療を終えることができれば、その後に虫歯になるリスクが低くなるともいわれています。
- Qセラミック素材の良さは何ですか。
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A
金属素材と比較した場合、見た目が白く美しいことはもちろん、安全性という面でもメリットがあると考えます。金属製の詰め物やかぶせ物は、まれに金属アレルギーを引き起こすことがあり、その結果、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)などの疾患につながる可能性が指摘されています。こういったリスクの回避が期待できることはセラミックの良さだと思います。また、CAD/CAMシステムを用いた治療の素材として、セラミックとプラスチックを混合したハイブリッドセラミックが一部保険適用になりましたが、プラスチックが入っている分、強度や透明感が劣るため、耐久性と審美性を求める方には通常のセラミックをお勧めしています。
- Qこの治療を受ける患者層について教えてください。
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A
基本的に、歯を削り、詰め物やかぶせ物が必要な方はすべてセラミックによる治療の対象になります。そして、前歯の治療で修復物に微妙なグラデーションが必要となるような場合を除き、そのほとんどがCAD/CAMシステムを用いて治療を行うことが可能です。セラミックによる治療を希望される層としては、特に、口の健康や審美面に対する意識が高い20代から50代の女性が多い印象です。ただし、男性や高齢の方であっても、治療のメリットをきちんと説明させていただくと、納得してセラミックによる治療を選択される方もたくさんいらっしゃいます。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 13D光学カメラを使い口腔内を撮影
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患部をCAD/CAMシステムに適した形で削り、その後、3D光学カメラを用いて口腔内を撮影する。撮影は患部だけではなく、歯列全体をスキャンするイメージ。撮影された情報はただちにコンピューターに送られ、モニター上にはカラーの立体的な歯列が再現される。所要時間は1〜2分程度と短く、従来のようなシリコンを使った型採りも不要であるため、患者側の不快感や負担は少ない。
- 2専用のソフトを使い、詰め物やかぶせ物を設計
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撮影データに基づき、専用ソフトに搭載されたAIが、それぞれの状態に合わせた修復物を自動で設計する。歯科医師はその設計をベースとしながら、削った歯の範囲や噛み合わせ、形などを考慮して、理想的な修復物となるようにモニター上で微調整を行う。一連の作業はすべてチェアサイドで行われ、患者側にも口腔内の状態や修復物について随時情報共有がなされるという。
- 3設計データをもとにミリングマシンで修復物を作製
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設計が完了すると、多様な色バリエーションの中から、患者に適した色のセラミックブロックを選び、ミリングマシンという切削加工用の機械に装着。設計データに基づき、自動的に修復物が削り出される。削り出しに要する時間は10分程度で、その間診察台を離れることも可能だが、多くの患者は興味深く自分の修復物ができあがっていく様子を見ているとのこと。
- 4削り出された詰め物やかぶせ物を口腔内にセット
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完成したセラミックの修復物を口腔内にセット。咬合紙を用いた噛み合わせのチェックや装着感、色味の確認を患者とともに行い、最終調整をする。この段階で色味に問題がある場合には、セラミックブロックの色を変え、改めて修復物を作り直すこともある。そして最終調整が完了した段階で、接着剤を用いて修復物を患部に装着。その後、メンテナンス指導を行って治療は終了する。
- 5アフターメンテナンスで継続的に患者をフォロー
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修復物の装着後は、約3ヵ月に1回のペースでアフターメンテナンスを実施。修復物が割れていないか、しっかり噛めているか、痛みはないかなどを確認し、その都度調整や指導を行う。同院ではアフターメンテナンスに力を入れており、5年間の保証期間を設けている。修復物に割れなどが見つかったとしても、再治療や修理を受けることが可能だ。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックインレー/4万円〜、セラミッククラウン/6万円〜