工夫を凝らし不安や苦痛を軽減
インプラント治療で口腔機能回復へ
みやび歯科医院
(刈谷市/刈谷駅)
最終更新日:2023/01/31
- 自由診療
虫歯や歯周病などの病気、けが、歯ぎしりをはじめとした口周りの癖など、歯を失う原因はさまざま。歯を失っても、変わらず食べ物が噛め、食事を楽しめる口元を保つために行われる補綴治療の一つが、インプラント治療だ。見た目が自然で噛む力の再現性が高いなどさまざまな特徴がある一方で費用の負担が大きく、外科的処置を伴うため治療に二の足を踏む患者も少なくない。歯科口腔外科の専門的な診療経験を積んだ後に「みやび歯科医院」を開業し、インプラント治療にも力を入れて取り組む鈴木雅詞院長。今回、鈴木院長にインプラント治療のメリット・デメリットをはじめ、治療に際しての注意点、外科的処置を伴う治療の不安を軽くするために同院で取り入れている工夫などを聞いた。
(取材日2022年12月13日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qインプラント治療とはどんな治療ですか?
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A
インプラント治療とは、歯を失った部分に金属製の人工歯根を埋め込み、人工歯を固定して再び噛めるように試みる治療法です。最大の特徴は、噛む力の再現性が高い点です。入れ歯の場合、やはり天然歯の噛む力よりは劣ってしまいますし、取り外しができるため小さな部分入れ歯だと紛失してしまう可能性もあります。一方でインプラント治療の場合、天然歯と同じくらいの噛む力が期待できますし、天然歯と同じように歯磨きができ、人工歯に固定するので紛失の心配もありません。見た目も自然で、残っている健康な歯への負担が少ないのも特徴です。
- Q誰でも受けられる治療なのでしょうか?
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A
持病がある場合は注意が必要ですが、基本的にはどなたにも選んでいただける治療法といえます。ただ、インプラント治療に限らず歯科診療全般にいえますが、「治療したら万事解決」といったものではありません。治療と同じくらい大切なのが、毎日の正しいセルフケア、クリニックでの定期メンテナンスといった予防のアプローチです。予防のアプローチに前向きに取り組み続けられれば、残っている健康な歯をトラブルから守りやすくなります。裏を返せば、怠ってしまうと新たなトラブルを招いたりインプラントの寿命を短くしたりしてしまう可能性も。ですので当院では治療にあたり、継続的なケアの大切さを十分に説明しています。
- Q治療期間や費用の目安を教えてください。
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A
上顎と下顎でそれぞれ骨の厚みが異なるため、人工歯根の定着に要する期間が異なります。抜歯から人工歯根の埋入、定着、上部構造の装着まで、上顎なら9ヵ月程度、下顎なら6ヵ月程度が目安となります。費用に関しては、人工歯の仕上がりをより天然歯に近い自然なものにしたいという場合など、用いる素材によって異なります。基本費用で用いる人工歯も白い素材で、機能的には遜色ありませんから、目につきにくい場所であれば天然歯との見た目の差も感じにくく、自然な仕上がりが期待できるかと思います。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1カウンセリングとインプラント治療の説明を受ける
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歯科診療時に歯科医師が補綴治療の必要性があると判断した際、インプラント治療を含めた治療の選択肢が提示される。患者は歯科医師から選択肢に挙がった治療のメリットやデメリット、治療後の注意点などの説明を受け、治療を選択する。
- 2本格的な治療に向け精密検査が行われる
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顎の骨の状態を確認するための、歯科用CT検査が行われる。ぐらついている歯を抜いた場合は、検査が行われるのは抜歯から約3ヵ月後。何本も歯を抜いた場合は本格的に治療が開始するまで仮の入れ歯などを用いて生活する。
- 3精密検査の結果を聞き、治療計画が確定
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検査結果をもとに歯科医師が検討した治療計画と、治療全体の流れの説明を受ける。治療について疑問点や不安要素があればその場で相談し、「笑気吸入鎮静法を用いたい」などの希望も併せて伝える。「できるだけ不安を軽くできるよう、術式などの説明は丁寧に行っています」と鈴木院長。最後に手術日を決め、当日に備える。
- 4人工歯根の埋入など段階的に治療が進む
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人工歯根の埋入手術を受ける。人工歯根の埋入にかかる時間は、1本あたり1時間から1時間半程度。埋入後の人工歯根は、上顎であれば6ヵ月程度、下顎であれば3ヵ月程度かけて定着するという。定着期間と並行して、歯型を採取し人工歯の作製が進む。人工歯根が定着したら、人工歯を装着する箇所を露出させるための処置を受け、人工歯の装着に進む。
- 5治療後はセルフケアとメンテナンスでトラブルを予防
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人工歯の装着完了後は、3ヵ月ごとに定期的にクリニックを受診してメンテナンスを受ける。セルフケアでも、一般的な予防歯科と同様に歯ブラシによるブラッシングに加え歯間ブラシやデンタルフロスでのケアも重要になるという。同院ではインプラント治療向けの歯ブラシや歯磨き粉を用いたケアの指導も行うなどして、セルフケアのハードルを下げる工夫を凝らしている。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/40万円または45万円(上部構造の材料によって異なる)