西村 美奈 院長の独自取材記事
むさし歯科医院
(川崎市中原区/武蔵小杉駅)
最終更新日:2026/06/10
真心を込めた診療をモットーとする「むさし歯科医院」の西村美奈院長。「患者さんに寄り添い、何でも話してもらえる歯科医師でありたい」と、地域に根差した歯科医療を大切にし、通院が難しくなった患者への訪問歯科にも取り組んでいる。近年は、小児の口腔機能発達不全症の治療にも注力。院内では歯科医師と歯科衛生士が連携しながら、チーム一丸となって診療にあたっているのが特徴だ。高いモチベーションを持つスタッフが優れたチームワークで動く院内は、居心地が良く安心感がある。患者のニーズに応えるため、国内外の勉強会に継続的に足を運ぶ西村院長の姿勢には、妥協を許さない歯科医師としての信念がうかがえる。「スタッフに、患者さんに支えられている」と笑顔を見せる西村院長に、同院が大切にしている診療への思いを聞いた。
(取材日2025年12月24日)
一人ひとりに合ったケア方法で徹底した予防をめざす
こちらのクリニックでは、検査を重視しているそうですね。

お口全体の状態を総合的に把握するための検査に取り組んでいます。口腔内の写真やエックス線写真、唾液の状態などを通して、虫歯や歯周病のリスクがどの程度あるかを確認します。検査結果は色や数値で可視化されるため、患者さんにもご自身のお口の状態を見ていただきながら、歯周病や虫歯とはどのような病気で、何が原因で起こるのかというところから説明しています。単に「歯を磨いてください」とお伝えするだけでは、なかなか行動にはつながりません。自分のお口の現状を知ることが、予防への第一歩だと考えています。また、虫歯が見つかった場合でも、歯周病が進行した状態で治療を始めても良い結果は得られにくいものです。まず歯石や歯垢を除去し、土台となる歯茎の状態を整えてから治療をスタートしています。
予防歯科では、スウェーデン式プラークコントロールを導入していると伺いました。
スウェーデンは予防歯科の先進国といわれており、80歳の残存歯数が日本人の約2倍というデータもあります。予防に対する意識が高く、普通の歯ブラシの他に、デンタルフロスや歯間ブラシなどを併用しながらケアしている方が多いのも特徴です。当院の予防歯科では、スウェーデン方式の知識を身につけた歯科衛生士が、患者さん一人ひとりのリスク部分である歯垢を除去するための適切な方法を指導しています。最近では、歯ブラシの前にフロスを使用したほうが汚れを落としやすいとされる報告もありますが、用具ごとに役割が異なるため、フロスも歯ブラシもどちらも大切です。患者さんの状態に合わせて使い分けながら、できるだけ汚れを残さないように歯磨き方法をアドバイスしています。
予防診療を徹底させるための診療システムを導入していますね。どのようなシステムですか?

MTM(メディカルトリートメントモデル)は、患者さんの体の状態をきちんと把握し、必要最小限の治療と定期的なメンテナンスで病気を予防していくための治療システムです。虫歯であれば「削って詰める」という従来の外科的な処置のみでは、痛みが取れたとしても再発を繰り返してしまう可能性があります。それを防ぐためには、適切なブラッシング指導や歯科衛生士による定期的なメンテナンスによって、虫歯の根本原因となる細菌をしっかり除去していくことが大切です。また当院では、部分的な矯正もMTMの一つとして捉えています。部分的な矯正とは、一本だけねじれている歯や、噛み合わせが合っていない部分のみを必要に応じて整える方法です。特にインプラント治療を行う際に、MTMで事前に噛み合わせを整えてから歯を入れるケースもあります。
先進機器を導入し、安心・精密な診療提供をめざす
力を入れている診療はありますか?

小児の口腔機能発達不全症の治療です。最近は、いわゆる「お口ポカン」といって、常に口が開いてしまっているお子さんが多く見受けられます。そうしたお子さんは、お口の周りの筋力が十分に発達しておらず、舌や唇、頬の筋肉がうまく使えていないケースが少なくありません。例えば、水を飲み込むときに口周りの筋肉を大きく動かす、食べ物をよく噛めずに丸飲みする、逆にいつまでも噛み続けているといった場合は、口腔機能が未発達な可能性があります。当院では、そうしたお子さんに対し、弱っている筋力を強化するためのトレーニングを自由診療で行っています。対象は5歳から8歳頃のお子さんです。通院時には、ノートにシールやスタンプを押すなど、習い事のような感覚で通っていただいています。小児歯科や矯正を専門とする医師もおりますので、お子さんのお口で気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
歯科用CTがあると伺いましたが、どのような場面で使うのでしょうか?
インプラント治療や歯周病の治療など、さまざまなケースに活用しています。歯科用CTではお口全体の立体画像が撮影できるんです。歯の中や骨の中まで立体的に見えるので、綿密な治療計画を立てられます。顎の骨の厚みや神経までの距離を適切に把握できるため、インプラント治療では、インプラントを立体的に捉えてしっかり埋めるための計算ができます。また、歯周病の診断においても、歯を支える骨の量がどれくらいかを視覚的に把握できるため、状態がわかりやすいのです。歯の根の治療にも役立っていて、精度の高い診療をめざすのに欠かせない機器です。
インプラント治療の特徴について教えてください。

当院では、インプラントシステムの開発を手がけ、日本のインプラント医療界を引っ張って来られた小宮山彌太郎先生から学んだ手法を取り入れています。一度入れたインプラントは長く使っていくものですから、多少値段が高くても品質の良いものを提供したいと考えています。さらに当院では、インプラント治療の安全性と精度を高めるために、3Dのシミュレーションシステムを導入しています。事前に綿密なプランニングを行い、手元の位置が3D画像でリアルタイムに確認できるため、画面を見ながら精密に手術を進めることが可能です。
スタッフとともに、より良いクリニックづくりを進める
治療の際に心がけていることはありますか?

事前に細かい診査を行い、患者さんとしっかりコミュニケーションを取ることです。行き違いを避け、患者さんが納得できるように時間をかけてお話しします。当院がめざすゴールは、より長く自分の歯を健康に保つことです。また、患者さんに良い治療を提供し、ゴールへ導くためには勉強が欠かせません。そのため、国内国外問わず必要だと思う勉強会に積極的に参加しています。学んだことを正しく実践し、患者さんに還元するように努めています。
今後の展望を教えてください。
今後は、これまで以上にスタッフと一緒に良いクリニックづくりを進めていきたいと考えています。スタッフ一人ひとりが「どうしたら理想のクリニックに近づけるか」を考え、行動してくれているのが、当院の大きな強みです。全員がそれぞれの得意分野を生かしながら、より良いクリニックにしようと動いてくれています。小児の口腔機能発達不全症への取り組みも、そうしたスタッフの意欲から広がってきたものです。また、女性スタッフが多い職場でもあるため、妊娠・出産・育児と仕事を無理なく両立できる環境づくりも引き続き大切にしていきたいですね。スタッフ同士が連携し、安心して長く働ける環境があってこそ、その姿勢が自然と患者さんにも伝わり、より良い診療につながると感じています。
読者へのメッセージをお願いします。

当院では、患者さんがスマートフォンから治療後の注意点やご自宅でのケアのポイントを確認できるようにするなど、院内のデジタル化を進めてきました。また、会計時の負担を減らすために自動精算機を導入し、患者さんの利便性を大切にしたクリニックづくりを心がけています。ただ、それ以上に大切にしているのは、患者さん一人ひとりのお話をしっかりと聞き、ご希望や考えを共有した上で治療を進めることです。お口の状態によっては、ご要望にすべてお応えできない場合もありますが、なぜ難しいのか、他にどのような選択肢があるのかを、納得いただけるまで丁寧に説明しています。今後も患者さんの健康で豊かな人生のために、スタッフが一丸となり尽力していきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/44万7700円~、ホワイトニング/1万5000円~、ワイヤー矯正/77万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/49万5000円~、部分矯正/27万5000円~、小児矯正(口腔筋機能療法含む)/50万6000円~、ジルコニアインレー/4万9500円~、ジルコニアクラウン/6万6000円~

