西村 美奈 院長の独自取材記事
むさし歯科医院
(川崎市中原区/武蔵小杉駅)
最終更新日:2021/10/12
真心を込めた診療をモットーとする「むさし歯科医院」は、2018年3月、内装をリニューアル。スタッフ全員でアイデアを出し合った院内は、温かみがあり優しい雰囲気だ。今回のリニューアルでは個室オペ室をつくり、滅菌システムはヨーロッパ基準でクラスBのものを導入した。「患者さんに寄り添い、なんでも話してもらえる歯科医師でありたい」と語る西村美奈院長は、患者はもちろん、スタッフからの信頼も厚い。全員が高いモチベーションを持ち、優れたチームワークで動く院内は居心地が良く安心感がある。患者のニーズに応えるため、国内外の勉強会に継続的に足を運ぶ西村院長の姿勢には、妥協を許さない歯科医師としての信念がある。「スタッフに、患者さんに支えられている」と笑顔で語る院長に話を聞いた。
(取材日2018年4月4日)
スタッフ全員でつくり上げた新しい内装
最近リニューアルされたそうですが、すてきな内装ですね。
当院はお子さんからご高齢の方まで幅広い年代の方がいらっしゃいますので、病院の緊張感を感じにくい、優しくやわらかい雰囲気を重視し、オープンさを感じられるようにしたいと建築家の先生にリクエストしました。新しい内装になって、患者さんは皆さん驚いて「広くなったね」とおっしゃいます。内装はもちろんですが、大きな変化は、個室オペ室と消毒器具をレベルアップしたことです。今までインプラントを希望される患者さんには、簡易オペ室で対応していたのですが、しっかりした環境で安心して治療を受けてほしいという思いから個室オペ室を新設しました。また、滅菌システムは、ヨーロッパ基準の滅菌レベルでクラスBを採用。ハイレベルな滅菌システムは、患者さん同士の感染リスクを下げ、スタッフの安全を守るためにも必要なので。個室オペ室では歯科の総合検診で行っているリスク検査も行っています。口臭の測定や、唾液の検査もできるんですよ。
リニューアルにはスタッフの皆さん全員が関わっていると伺いました。
新しい内装はスタッフの意見を取り入れていて、床やカウンターの材質、ガラス戸に入れる柄までみんなで話し合いました。私がこだわったのはユニットの椅子の色だけです(笑)。当院のスタッフはとても積極的で高いモチベーションを持っています。例えば、勉強会があると伝えると「行きたい、勉強したい」と言ってくれますし、患者さんにお見せする資料も、スタッフが自主的に作成しています。私が頼むわけではなく、「こういうのがあると良いですよね」と、いつの間にか作られているんです。どうしたら理想のクリニックに近づけるかというのをみんながそれぞれ考えて、行動している結果ですね。全員が自分の得意分野を生かし、より良いクリニックになるように動いているんですよ。
チーム一丸となって、高い志のもと患者さんに対応しているのですね。
私が開いたクリニックとしてスタートし、今はスタッフみんなのクリニックになっています。良い組織をつくっていくためには、私が成長していくことも必要ですが、みんなが「こうしよう、ああしよう」とボトムアップしてくれるほうが、より良い組織になって動けるのではないかと感じています。そうすると自然と雰囲気も良くなりますね。スタッフが頑張っている姿を見ると、自然と「私も頑張らなくては」と思います。また、当然ながら患者さんのためのクリニックですので、患者さんの喜びの声はパワーの源ですね。周囲の人々から支えられ、エネルギーをたくさんもらっています。
予防の大切さを伝え、先進機器で確実な診療をめざす
歯科用CTがあるとお聞きしましたが、どのような場面で使うのでしょう。
インプラントや歯周病の治療など、さまざまなケースに活用しています。歯科用CTではお口全体の立体画像が撮影できるんです。歯の中や骨の中まで立体的に見えるので、綿密な治療計画を立てられます。顎の骨の厚みや神経までの距離を適切に把握できるため、インプラント治療では、インプラントを立体的にとらえてしっかり埋めるための計算ができます。また、歯周病の診断においても、歯を支える骨の量がどれくらいかを視覚的に把握できるため、状態がわかりやすいのです。歯の根の治療にも役立っていて、精度の高い診療をめざすのに欠かせない機器です。
患者さんはご近所の方々ですか?
遠方から来られる方もいらっしゃいますが、9割は近隣にお住まいの方々です。幅広い年齢層の方が来院され、特にお子さんが多いですね。患者さんは普段から気軽に来てくださいます。お子さんがただ「お手洗い借ります」と来ることもあるくらい(笑)。当院は訪問診療にも力をいれておりますが、3人の管理栄養士がいるので、訪問診療に同行し、栄養相談に乗ることもあります。また、長年開業医をしてたどり着いたのが、「お口の健康を守る」という信念をもって予防診療を徹底させることです。そのために「メディカルトリートメントモデル」(MTM)と呼ばれる診療システムを導入しています。
MTMについて教えてください。
MTMは患者さんの体の状態をきちんと把握し、必要最小限の治療と定期的なメンテナンスで病気を予防していく治療システムです。虫歯でいうと「削って詰める」という従来の外科的な処置のみでは、痛みはとれても再発を繰り返します。それを防ぐため、正しいブラッシング指導や歯科衛生士による定期的なメンテナンスを繰り返し、虫歯の根本の原因となっている細菌の徹底的な除去に努めます。そうすることで、虫歯ができにくい環境を整えるのです。MTMには患者さんご自身の管理、メンテナンスが重要です。それをするかしないかで、後々まで残る歯の数が変わります。80歳になっても自分の歯を20本以上保てるように、MTMを通して予防の大切さを伝えていきたいと思っています。
インプラント治療にも注力されているそうですね。
2002年に、小宮山彌太郎先生に師事してインプラント治療について学び、当院の診療に導入しました。小宮山先生は、世界的に知られるインプラントシステムを開発した、スウェーデンの先生から直接指導を受けた方です。インプラントにはさまざまな術式、システムがありますが、私が指導を受けたインプラントシステムは、世界的に支持されているシステムです。一度入れたインプラントは、生涯使っていくことになります。多少値段が高くても、品質の優れた確かなものを提供したいと考えています。
勉強会で得た先進の知識と技術を患者へ還元
治療の際に心がけていることは?
事前に細かい診査を行い、患者さんとしっかりコミュニケーションをとることです。行き違いを避け、患者さんが納得できるように時間をかけてお話しします。説明に熱が入ると、患者さんから「今日は治療はなしですか?」と言われることも(笑)。当院がめざすゴールは、より長く自分の歯を健康に保つことです。患者さんに良い治療を提供し、ゴールへ導くためには勉強が欠かせません。そのため、国内国外問わず、必要だと思う勉強会に積極的に参加しています。学んだことを正しく実践し、患者さんに還元するように努めています。
仕事が終わった後や休日の過ごし方について伺います。
旅行が好きなのですが、最近は勉強会が旅行を兼ねています。先日もニューヨークへ行きましたが、勉強会のついででした(笑)。土日も講習会があり、忙しくはあるのですが、とても楽しいです。日常生活の中の楽しみは、仕事の後、おいしいものを食べることです。あとは、子どもが卓球をしているので、家族で卓球場に出かけて卓球をすることもあります。親は“ゆっくりピンポン”なのですが、子どもはちゃんと卓球なので、スピードが全然違うんですよ(笑)。
今後の展望についてお聞かせください。
1台ユニットが増えたので、患者さんを受け入れる体制も以前より整いました。今後スタッフも増員予定です。また、地域の方に知識や情報を還元するため、患者さん向けの講習会を開きたいと考えています。例えば、小さなお子さんがいるお母さんに向けて、虫歯にならないおやつについてのレクチャーや、糖尿病の方のための病状が悪化しない食生活についてなどです。今後も患者さんの健康で豊かな人生のために、スタッフが一丸となり尽力していきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント体/20万円(手術費込み)、オフィスホワイトニング/1万5000円、矯正歯科治療/60万円~、歯科の総合検診/5000円(小児は検査内容により変動)
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。