予防ケアや検査、外科治療にも対応
先進機器を活用した歯周病治療
米澤歯科醫院
(西宮市/甲陽園駅)
最終更新日:2023/11/01
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歯周病は高齢者に多い口腔疾患というイメージがあるが、20~40代でも罹患しており成人の多くが歯周病にかかっているといわれている。また、歯周病と全身の健康の関係性や、痴呆との関係性までも証明される時代になってきた。「歯周病を治療したり、予防をしたりするには清潔な口腔環境をどれだけ維持できるかが勝負です」と語るのは、歯周病治療に力を入れて取り組む「米澤歯科醫院」の米澤大地院長。歯周病のほか幅広い歯科治療を行っている見地から、口腔全体の健康につながる包括的な歯科治療を得意とし、歯周病治療では状況に応じてマイクロスコープやレーザーを活用することで、精度の高い治療や予防をめざす。先進機器を駆使する同院の歯周病治療の中身や、予防する上での重要なポイントについて詳しく解説してもらった。
(取材日2022年7月26日)
目次
毎日の適切な歯磨きとプロのケアで予防を。進行した歯周病には先進機器を駆使した徹底した治療で挑む
- Q歯周病の特徴的な症状について教えてください。
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A
歯周病は、歯肉と歯の隙間にある歯周ポケットの中で細菌が増殖して起こる炎症性疾患です。初期のうちは歯肉が炎症を起こし、腫れや出血といった症状が見られます。さらに進行すると歯の土台となる骨を溶かして歯がぐらつき、最終的には歯が抜けてしまいます。歯磨き中に血が出る、歯がグラグラするといったご相談は、程度の差はあっても歯周病であることが多いですね。歯磨きが十分にできていないことが大きな原因ではありますが、唾液の量や歯並び、生活習慣、食生活やストレス、糖尿病などさまざまな要因が絡んでいる場合があるので、口腔内はもちろん全身の健康状態を見ながら治療を進めていく必要があります。
- Q歯周病の治療はどのように進めていくのですか?
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A
まずは検査で歯周ポケットの深さや噛み合わせのバランス、細菌の種類などを把握し、歯磨き指導や歯石取りを行って歯肉の炎症の改善を図ります。歯石や細菌の除去にはレーザーを活用し、歯周ポケットの奥にある歯石や細菌を除去し、炎症の治癒を図ることもあります。歯石取りなどをした上でも歯周ポケットが深いままで、歯周病が進行して骨が吸収されたり歯茎が大幅に退縮したりする場合は、骨や歯肉といった歯周組織の再生を促すための歯周組織再生療法、歯肉の移植といった外科的処置を行います。PIという歯磨きの指標に加えて、BOPという歯肉からの出血の指標、PPDという歯周ポケットの指標の改善が目的です。
- Qさまざまな治療法がありますが、年々進化していそうですね。
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A
そうですね。歯周病が全身の疾患とも関わりがあるとわかってきたこともあり、歯周病治療の技術や術式は進歩しています。治療の幅が広がっているので、私も海外などで日々勉強しながら患者さんに還元できるよう取り組んでいます。中でも歯周組織再生療法は世界で注目されるトピック。マイクロスコープを使用した拡大視野の中で先進のレーザーを併用すれば、悪い部分をピンポイントで捉えて治療できます。マイクロスコープで深く狭いところも観察・治療しやすくなったため、歯肉を大きく切り開かずに済み、低侵襲で改善を見込めるようになりました。従来の治療の基本原則を守りながらも、こうした先進の技術や器材も活用していきたいですね。
- Q歯周病治療ではどのようにしてマイクロスコープを使うのですか?
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A
歯周病治療の精度を高めるために、拡大視野を得られるマイクロスコープを使用します。例えば、肉眼で確認することが難しい歯の表面や歯茎との境目にある歯石、歯茎の下の深い歯周ポケットに付着した歯石を清掃する場合。また細菌を取り除く際は肉眼だけでなく手指の感覚も非常に重要で、訓練を要するところですが、このような場面でも活用されますね。さらに最小限の侵襲で手術などを行うためには精密な外科的処置が求められますので、マイクロスコープで拡大視野を得ることで時に歯周病により歯槽骨を失った患部を観察しながら処置することもでき、非常に役立っています。
- Q歯周病を予防するために気をつけてほしいことはありますか?
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A
歯と歯の間の清掃に特に力を入れてほしいですね。日本人は歯間ブラシやデンタルフロスを使い慣れていない印象ですが、歯科医師や歯科衛生士など、プロのアドバイスを受けて歯磨きの際にしっかりと歯間清掃を行い、歯周病予防に努めることが全身の健康に大切です。フロスで歯垢や食べかすを取り除くときは、歯茎がかぶさっている部分まで通すイメージで使用しましょう。歯間ブラシもこつがいりますが、年齢や歯肉の状態に対してブラシのサイズ選びを間違えたり、誤った使い方をしたりすると歯茎を退縮させるなど、弊害も起こり得ます。当院ではお一人お一人に合った丁寧なアドバイスを心がけておりますので、お気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯周組織再生療法/13万2000円以上
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。