健康な歯は削らず大切に残したい
未来を見据えたインプラント治療
米澤歯科醫院
(西宮市/甲陽園駅)
最終更新日:2023/11/10
- 自由診療
失った歯、このままでは他の歯に悪影響を及ぼすレベルの歯を補う目的で活用されるインプラント治療。従来はブリッジ治療が多かったが、隣り合う歯を削る必要があったため、健康な歯に影響を及ぼさないための方法として、インプラント治療が注目されるようになった。しかし、外科的処置があるため治療に対して漠然と不安になる人も多い。そこで実際の治療について詳しく解説をしてもらおうと、インプラント治療を数多く手がける「米澤歯科醫院」を訪ねた。米澤大地院長はインプラント治療を「失われた歯の機能回復を図るための画期的な治療法」と位置づけながらも、必ずしもそれが最善の選択肢とはいえないケースもあるという。そこで、インプラント治療を選択する前に知っておきたいこと、実際の治療の流れなどを米澤院長に聞いてきた。
(取材日2022年7月26日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qインプラント治療とはどのような治療なのでしょうか。
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A
インプラント治療とは、歯を失った部位の顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その人工歯根の上に義歯をかぶせることで、自分の歯のような噛み心地をめざす治療です。主にケガや歯周病、虫歯などで歯を失った方がインプラント治療の検討を行います。しかし、当院では、インプラントを前提として考えるのではなく、今ある歯を残せる方法があれば、そちらを優先すべきだと思っています。インプラントはあくまでも人工物です。ほかのさまざまな方法を検討した上で、ほかの手法が取れないときに選ぶ最終的な手段として、インプラント治療があると思っています。
- Qインプラント治療の痛みや腫れが気になるという声を聞きます。
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A
治療の方法や個人差もあるのですが、一般的な方法であれば痛み止めの薬の服用で済む範囲のものがほとんどです。手術中も局所麻酔を活用しますので、手術中の痛みもそこまで感じることはないと思います。骨造成などが必要なケースであれば、痛みや腫れが起きやすいので、必ず事前にヒアリングと確認を実施します。ご負担のかかることではありますが、骨が少ない方や歯周病の方でも対応可能な方法がありますので、状況に応じてより良い選択肢をご提案しています。術後の痛みや腫れなどで不安な方は、ご相談もいただけると幸いです。
- Qインプラント治療後に気をつけるポイントはありますか?
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A
手術後こそ気をつけていただきたいです。何か口腔内にトラブルがあったから歯を失うことになったのですから、そのトラブルが再度起きてしまっては、せっかくインプラント手術をした意味がありません。「歯が抜けたからすぐにインプラントを」という安易なことをしたくないのが当院の率直な思いです。治療前から実施するヒアリングの情報をもとに、手術後の炎症の有無を確認し、口腔内をきちんと清掃できているかどうかも細かくチェックしていきます。口腔内のメンテナンスは、車の車検のようなものです。問題がないことを確認することに意義があるので、手術後はかならず定期的に通うようにしていただきたいです。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診・カウンセリング
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口腔内の状況や、歯の不具合でどのように生活上困っているのかをヒアリングするだけでなく、患者の希望を含めて打ち合わせを行う。時間がかかっても美しく仕上げたいのか、少しでも体への負担が少ない治療方法を求めているのか、重視していることが何かによって、治療法が変わってくると米澤院長。問診では歯が悪くなった原因、歯を失った原因も追求し、再発リスクとなる歯周病や虫歯の治療を優先した治療計画を立てる。
- 2検査や型採りを行い、具体的に口腔内の状況を診断
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インプラント治療を実施することが決まったら、問診時には見えていなかった箇所を観察するために、歯科用CTや口腔内写真の撮影を行い、エビデンスに基づいた診断を行うための資料を集める。歯周病の検査も行い、リスクが高い人は歯周病治療も早めに実施する。集めた資料をもとに、歯周病学や咬合学の観点も踏まえ、多角的に口腔内のあらゆるリスクを明らかにする。
- 3必要に応じて歯周病治療や骨造成を実施
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歯周病の人はその治療を優先。歯周病が原因で歯を失っていた場合、感染源を除去しなければすぐに再発してしまうからだ。このほか、顎の骨が少ない人は骨造成を事前に行い、インプラントを安定した状態で埋入するための土台を造る必要がある。いずれの治療もインプラントを長持ちさせるためのプロセスといえるだろう。これらの治療を数ヵ月かけて行い、インプラント治療を行うための基礎を整えていく。
- 4インプラント埋入手術
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手術前に口腔内の洗浄を行い、歯周病や虫歯の原因となる細菌を取り除く。そして、計画に沿って顎の骨にインプラントを埋入する。ガイドと呼ばれる装置を使って埋入する方法が一般的だが、熟練の歯科医師であればガイドを用いることなく、手術時に臨機応変に対応しながら埋入することもできるのだとか。埋め込んだインプラントが骨に定着したら、人工歯を装着して自然な仕上がりとなるよう調整する。
- 5メンテナンスのために定期的に通院
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インプラントは入れた後のメンテナンスがとても重要となるため、同院では、手術後の患者へのサポートやアプローチに力を入れている。定期的なメンテナンスでは、炎症の有無や清掃不良がないかを重点的に確認。天然の歯に比べてインプラントと人工歯は内部のトラブルが表面化しづらいため、術後数ヵ月は重点的にチェックする。トラブルや再発に素早く気づけるよう、同じ歯科衛生士が確認する担当制を採用している。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/27万5000円~33万円、骨造成/8万8000円〜22万円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。