米澤 大地 院長の独自取材記事
米澤歯科醫院
(西宮市/甲陽園駅)
最終更新日:2024/10/25

西宮市新甲陽町の閑静な住宅街にある「米澤歯科醫院」は、適切な検査・診断・治療をモットーとする歯科医院だ。米澤大地院長は、長崎大学歯学部の口腔インプラント学分野で臨床准教授を務め、歯科矯正学分野でも非常勤講師を兼任するなど、学問の分野でも活動する歯科医師である。忙しい診療の日々をこなしながら、数多くの講演や書籍の執筆にも取り組んでいる。「私自身は学ぶことが好きなだけ。発表させてもらうことで気づきを得て、また考える。もはやライフワークなんですよ」と笑って話す姿は柔和で気さくな雰囲気だ。しかし、歯科診療の話題になると一気に引き締まる表情から、米澤院長が歯科にかける情熱を感じずにはいられない。今回はそんな米澤院長に、歯科医療への思いを聞かせてもらった。
(取材日2022年6月22日/情報更新日2024年10月18日)
患者とじっくり向き合うために生まれたクリニック
落ち着いた雰囲気ですてきなクリニックですね。

ありがとうございます。自分が歯科医院を開業するなら、バタバタした中で数をこなすことが目的のようなものではなく、落ち着いた雰囲気で気持ち良く時間を過ごしていただきたいと考えていました。ですから、派手すぎず落ち着いた院内をめざして、デザイナーさんに協力していただいたのです。特にエントランス脇の曲線のある白い壁は私のこだわりで、歯科医師になった当初から思い描いていたんですよ。他にも、受付の色合いや素材など、一つ一つ自分で選ばせてもらったくらい思い入れが詰まっています。診察室も個室にして治療に集中できる環境を整え、広めの手術室も設けました。またさまざまな感染症の流行を踏まえて、換気効率を上げるなど、感染症対策も強化していますので、安心して治療を受けていただけたらと思います。
まずは開業に至った経緯を聞かせてください。
私は独立思考が強く「一人で仕事をし、身を立てていくためにはどんな仕事が良いか?」と考えて歯科医師という職を選びましたので、開業は歯科医師になる前から決めていました。しかし、一人でやるからには、まずはしっかりとした技術を身につけなくてはいけません。ですから、長崎大学歯学部を卒業後に、神戸市にある歯科医院で勤務させていただいたのです。設備が整い、多くの患者さんが来院される歯科医院でしたので、豊富な臨床経験を積ませていただきました。しかし、人が流動する地域にあるため、「患者さんとじっくりとお付き合いする」というスタイルの診療の実現は難しかったのです。そこで、落ち着いた雰囲気のある土地で、そこに住まう人々の診療に自分の人生を捧げようと、米澤歯科醫院を開業したのです。おかげさまで気がつけば20年以上たちました。
「患者さんとじっくりお付き合いをする」というスタイルに至ったのはなぜですか?

「歯を大切にしたい」と思っているものの、うまくいかないという患者さんと数多く出会ったからだと思います。うまくいかない理由は環境や相性などさまざまだと思いますが、一番は歯科医師との相互理解がうまくいかないことだと感じました。患者さんの「歯を大切にしたい」という気持ちと、歯科医師の「患者さんの歯を守りたい」という思いが同じ方向を向いていなければ不満が生まれ、長いお付き合いは難しくなってしまうでしょう。そこで、まずは私自身が一つの場所にしっかりと根づき、そこで生きていく覚悟を持って診療を行い、足を運んでくださる患者さんたちにとことんお付き合いしようと考えたのです。セカンドオピニオンを求めて来院される方をはじめ、多くの方にとって当院が最後の歯科医院であることをめざし努めていきます。
すべてに精通したプロフェッショナルをめざして
診療にあたって、大切にされていることはありますか?

患者さんの同意のもと、適切な検査・診断・治療を提供することを大切にしています。また、治療は科学的根拠に基づく、グローバルスタンダードなものでなければならないと考えています。ですが、治療には時間も費用もかかるため、どれを選べばいいか悩まれる方は少なくありません。そこで当院では、一つ一つの治療法について理解、そして納得できるまで、丁寧に説明することを心がけています。保険診療だから、自費診療だからと選ばず、患者さんが自分自身に適した治療法を選べるようになったらうれしいですね。
インプラント治療、審美、歯周病治療、矯正治療、予防歯科など、幅広く対応されていますね。
歯科医院を「ここは〇〇の専門だから」と意識して選ぶ方はあまり多くはないでしょう。ですから、当院の得意分野を明確にした上で、すべてに精通したプロフェッショナルをめざしたのです。良い口元をつくるためには、インプラント治療、審美、歯周病治療、矯正治療、予防歯科など、多様な分野がすべて噛み合う必要がありますからね。例えば、口元の機能改善のために歯並びだけをきれいにそろえても、噛み合わせが良くなければ台無しです。また、歯周病治療をするうちに、見た目も美しくしたいと思う患者さんは多くいらっしゃいます。これらの要望に応え、患者さんの笑顔を守るために、あらゆる分野の知識や技術のアップデート、そして患者さんの気持ちに寄り添うことに努めていこうと思います。
すべてを一人で行うのは大変なのではないですか?

そうですね。ですから、治療内容によっては最善を考え信頼できる先生を紹介させていただくこともあります。患者さんにとって大切なのは「良い結果」であって、「誰が診たか」ではないですからね。また、当院には私以外の歯科医師、メンテナンスの際に対応する歯科衛生士、患者さんの接遇を含めて担当する受付のスタッフや助手が、プロとしてどこの歯科医院のスタッフにも負けないレベルをめざしています。そんなプロ意識を持ったみんながいるおかげで、スムーズな診療が実現できています。また同時に、いつも患者さんに寄り添ったこまやかな対応をしててくれているスタッフは、当院最大の自慢なんですよ。私自身は「治療にこだわりたい職人」みたいなタイプなので、本当に助けられていると心から思います。また、私にとってスタッフは家族みたいな存在ですから、結婚や出産を機にお休みに入る時などはちょっと寂しいくらいです。
自分の人生のすべてをかけて、患者と向き合いたい
講演活動、書籍の執筆なども精力的に行っていらっしゃいますが、原動力は何ですか?

常に歯に関することを考えているのが当たり前であるくらい、歯科が好きなんだと思います。毎週のように講演や講義があるため、仕事を終えてから準備することになり、それこそ「寝る暇もない」なんてことになることもあります。でも嫌だと思ったことはないですし、やっぱり楽しいんですよね。私は人生を賭ける仕事として歯科医師を選んだのだから、とことん突き詰めていきたいと考えています。例えば家を建てるなら、経営のことやゴルフの話ばかりする人じゃなくて、家づくりに全身全霊をかけて取り組んでくれる人に頼みたいですよね。歯だってそれと同じこと。自分に治療を任せてくれた患者さんの思いには100%で応えたいので、これからも学び続けていきたいです。また年齢的にも、そのように志す後輩を育てていかなければいけない歳になってきたと感じています。
米澤院長の情熱のたまものなんですね。
近年、歯科医師も歯科医院も増えてきたため、治療よりも経営に興味があるのかな?と思うような話も多く耳にします。しかし私は、歯科医師に必要なのは情熱であり、どこまで本気で歯科治療に取り組めるか、向き合うことができるかが大事だと考えています。そのような志は師から学んだのかもしれません。そして、経営のことを考えるよりも、自分自身が良いと思うことを突き詰めてそれで勝負していきたいのです。気難しい人だなと思う方もいるかもしれません。しかし、人生を賭けるってそういうことかなと思うんですよね。これからも美しいものを見たり、良い音楽で心が震えたりした経験を、良い治療へのヒントとして生かしていこうと思います。
それでは最後に、地域の皆さんにメッセージをお願いします。

私たちはこの場所で「患者さんの最後の歯科医院」になるべく、患者さんにとって最高の治療を追求することをお約束します。インプラントや、矯正治療など、必要に応じて自費治療の提案をすることもあります。ただし、強要することはありません。保険診療でも誠心誠意行っておりますので安心ください。まずは気軽に足を運んでいただければと思います。皆さんのご来院を心からお待ちしています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/1本25万円(埋入手術代・アバットメント代含)、オールセラミックのかぶせ物/13万円~、矯正治療/15万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。