全国のドクター9,511人の想いを取材
クリニック・病院 160,652件の情報を掲載(2022年12月10日現在)

  1. TOP
  2. 福岡県
  3. 北九州市門司区
  4. 門司駅
  5. なかの歯科クリニック
  6. 中野 稔也 院長、中野 真希 副院長

中野 稔也 院長、中野 真希 副院長の独自取材記事

なかの歯科クリニック

(北九州市門司区/門司駅)

最終更新日:2022/11/07

154437 top

門司駅から徒歩5分の場所にある「なかの歯科クリニック」は、中野稔也院長、中野真希副院長がそれぞれに一般歯科、小児歯科を担当し、中でも予防歯科に注力するクリニックだ。同院には管理栄養士が在籍し患者に食事などのアドバイスを実施。さらに他の内科などと連携し、患者の全身の健康に寄与していくという。このような治療スタイルにたどり着くまでに何があったのか、何をめざすのかについて、稔也院長と真希副院長に詳しく話を聞いた。

(取材日2022年3月18日)

治療だけでは歯を守れない。治療から予防へとシフト

先生方が歯科の医師をめざしたきっかけからお聞かせください。

1

【院長】父はいわゆる転勤族で、私は小学校の間だけでも4回くらいは転校しました。その経験もあって、自分が仕事をするならば一ヵ所に腰を落ち着けたいという思いがあったと記憶しています。と同時に、親からは歯科を含めた医師になるのはどうか、というようなアドバイスももらっていて、そこも進路を考えるにあたってのきっかけになっていたと思います。
【副院長】私は祖父と父、叔父が歯科医師という環境だったので、身近にある職業でした。看護師とも迷ったのですが、看護師は決定権が医師に比べてあまりないと聞き、それならば医師のほうがいいなと考え、この道を選びました。

こちらは予防にかなり力を入れているそうですね。

【副院長】歯科医師の子どもではありましたが、私にとって歯科は「なんで虫歯を作ったの?」と怒られて歯を削られに行く場所、という認識でした。その経験もあって、歯学部で勉強する際にも「歯を削るのは避けたい」という思いがありましたね。ありのままのきれいな歯の状態が続けば私のように怒られる人もいなくなるでしょうし、子どもの頃に健康な歯の基礎ができていれば、「歯科医院は怒られる場所」という認識ではない付き合い方もできると考えたんです。そう考えていたところに予防の考えに出会いました。自分なりの「歯科との付き合い方」が見つかって、歯科に対する未来が広がったように思えました。

開業当初からお二人で予防に注力されていたのでしょうか?

2

【院長】最初はそうではありませんでした。もちろん副院長は小児歯科を担当する歯科医師として予防にも注力していましたが、一般歯科を担当する私は、歯周病や補綴治療などに興味がありましたし、あくまで治療が中心でした。しかし、何年も前にセラミックを入れた歯の根っこが割れて抜歯になるなど、自分が若い頃に行った治療が「壊れる」経験を何度もして、予防も意識するようになったんです。歯は削ると、二度と元には戻らないんです。悪くなったものを良くするための治療をやってきましたが、悪くなったものは不可逆だということに改めて気づきました。治療ももちろん大切ですが、それだけでは患者さんを守れない。ならば、そうならないためにどうするべきか。そうすると、やはり子どもの頃からの予防が大切なのだという考えに至りました。

管理栄養士や他院と連携し、患者の全身の健康に貢献

具体的にどのような治療を行っているのでしょうか?

3

【院長】予防歯科と聞くと、治療を受けてその状態を保つために定期的なメンテナンスを受ける、と考える方も多いと思います。しかし、そもそも治療している時点で、正確には「予防」とは呼べないのだと考えています。基本にあるのは虫歯を作らない、歯を削らないこと。そう考えると成人にあたる方はある程度何らかの治療をしていますから、お子さんにそうならないための知識を得てもらい、学んでほしいと思っています。親御さんやおじいちゃん、おばあちゃんが歯の治療の経験があれば、お子さんやお孫さんにはそうならないように予防の意識を伝えてほしいのです。ご家族で考える予防教育を、当院から発信していきたいと考えています。

こちらは管理栄養士が在籍し、内科などとの連携もあると伺いました。それも予防教育の一貫なのでしょうか。

【副院長】予防のセミナーを行っている先生が、「Oral Physician」、直訳すると「お口の内科医」という言葉を使っておられましたが、当院がハブステーションのような役割をするものだと考えてもらうといいかもしれませんね。お口の定期的なメンテナンスに来てもらうようになると、その方の健康状態をお口を通して見ていくことにもなります。その中で例えば糖尿病の傾向がある、高血圧がわかるなどがあれば他の内科さんや循環器内科さんへ紹介することもあります。外科的な処置をする場合もあるので、当院では必ず血圧を測っていますから。それと同時に食事指導などを行うことで、歯ももちろんですが、全身の健康に寄与していく。そうすればお一人お一人のデンタルIQのみならず、体全体への健康観もアップするのではないか。それらを全世代の人に伝えていく、ある種の教育機関でありたいというのが私たちの夢なんです。

管理栄養士さんは具体的にどのようなことを教えてくださるのでしょうか?

4

【副院長】入れ歯を使うようになれば、ある程度食事の内容も変わりますよね。その時にどういう食事であれば栄養をしっかりと取りつつ、ご自身が食べたいものを食べられるかというアドバイスであったり、虫歯が多いお子さんを持つ親御さんには、虫歯になりにくい食事はどういうものか、ということを、管理栄養士と1対1でしっかりお話しします。他にもお菓子をよく食べるお子さんがいるとしたら、「なぜ食べるのか」をひもとくお手伝いもします。原因を理解し、対処していけば、健康で自律的な生活へとつながっていく。そのサポートを年齢問わず行いたいですし、それをまた周囲の人に、世代を超えて教えていってほしいと思っています。

地域と連携し、子どもの歯の成長を見守る場所に

歯から学ぶ健康教室、というのにも近いように感じます。

5

【院長】そうかもしれませんね。あくまで治療が先にあるのではなく、患者さんがご自身のお口の状態をしっかりと理解し、自分ごとと捉えるのが大事なのだと思います。このような治療スタイルだと患者さんは最初、やはり戸惑われるんですよね。だから説明は丁寧に行います。さらにはっきり申し上げますと、「歯医者に行けば何でも治してくれる」ということはありません。歯を削ればもうそれは元には戻らないからです。入れ歯や虫歯、歯周病はあくまでご自分の責任。歯の状態を維持するためにはクリニックでのプロによるケアと平行して、患者さん自身がご自宅で行うホームケアが必須ですが、大きく影響するのはホームケアです。受け身ではなく、自分ごととして治療内容やお口の状態を理解し、行動に移していただく。患者さんも私たちと一緒に考えていくことが非常に大事なのです。

クリニックには2階もあるそうですが、どのように使い分けておられるのでしょうか?

【院長】予防が大事と言っているのに、メンテナンスに来ている方のお隣で治療の「キーン」という音がしていると説得力がないですよね。なので歯科衛生士によるメンテナンスは1階で、治療が必要な方は2階でと分けています。プライベートな空間も確保したいため、個室も採用しています。カウンセリングルームは1階にあり、説明もそこで行います。治療・予防を進めるにはまず患者さんとのコミュニケーションが必須ですから。そこで検査の内容などを説明し、理解していただくと治療に進むなり、歯科衛生士にバトンタッチするという形になっています。

今後の展望や読者へのメッセージをお聞かせください。

6

【副院長】小児歯科はこれから噛み合わせを崩さない、虫歯を作らないというアプローチができる年齢が対象です。当院が関わることで、一生自分の歯で過ごせる、痛いこと、困ったことが最小限に抑えられる人が育っていくんじゃないかと思うんです。お子さんは親御さんだけで育てていくものではなく、私たちのような医療機関やおじいちゃん、おばあちゃんを含めたご家族で育てていく。一緒にお子さんを健やかに育てていく関係でありたいと思っています。
【院長】ここ北九州門司区の、口腔育成の情報発信地になりたいですね。私たちの代で終わるのではなく、いずれ後進の先生にも伝えていきたいですし、内科など医科の先生方との連携も深めていきたいと考えています。そうしていつかここで育ったお子さんが大人になり、その方のお子さんを連れてきてくれるようなつながりが生まれていくといいですね。そういうきっかけをつくれる場所でありたいと思っています。

Access