白い詰め物やかぶせ物も可能?
保険適用となる審美的な診療とは
ひいらぎ歯科医院
(福岡市南区/竹下駅)
最終更新日:2024/09/05


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「審美歯科=保険が適用されない」と思っている人は、決して少なくないだろう。確かに美容目的の診療は、日本の健康保険適用のルール上、保険は適用されない。しかし、審美歯科診療のすべてが保険適用外ではないと「ひいらぎ歯科医院」の増田純久院長は話す。今、虫歯治療後の詰め物は、金属製以外でも保険適用となるものもある。それは、削る虫歯の範囲を最小限に抑え、そこにコンポジットレジンという白い樹脂材料を詰める治療法や、白いかぶせ物の保険適用範囲が拡大されたCAD/CAM冠だ。保険・自由診療の枠を外せばさらに治療の選択肢は広がるが、すべての治療において重視するのは見た目の美しさだけではなく、健康な歯と歯茎の土台づくりだと力を込める増田院長。そこで今回、同院で受けられる審美歯科診療について詳しく解説してもらった。
(取材日2024年8月19日)
目次
土台となる歯茎が健康であってこそ成り立つ審美歯科。保険適用範囲が拡大された今、口腔内の見直しを
- Q審美歯科について詳しくお聞かせいただけますか?
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A
▲患者の希望を聞きながら治療方法を決めていく
審美歯科は「自然な歯の美しさ」「歯と歯茎の調和のとれた美しさ」をめざす分野だと私は考えます。ただ歯が白ければ良いわけではなく、自然かつ健康的な美しさ。それは「土台となるのは健康な歯茎ときちんと治療された根っこがあって成り立つもの」というのが、私の審美歯科における理念です。建物も土台や骨組みがしっかりしていないと崩壊してしまいますよね。歯も同じです。いくら良い歯を入れてもすぐぐらつき、最終的には抜けてしまいます。そのため、まずは歯周病と虫歯と根っこの状態を確認、歯茎に問題があったり、虫歯があったり根っこに問題がある場合はその治療を優先。土台を整えた上で詰め物やかぶせ物の治療に入ることが大切です。
- Q保険診療で可能な審美面に配慮した治療について教えてください。
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A
▲保険診療、自費診療どちらとも細部までこだわっていく
審美面に配慮した治療で保険適用となるのは大きく分けて2つ。小さな虫歯を削った箇所に白い樹脂を詰めるコンポジットレジン法という治療法。これは見た目だけでなく、歯を削る量を最小限に抑えるようめざせるのもメリットです。それから白い詰め物のCAD/CAMインレーと、近年ほとんどの歯において白いかぶせ物や差し歯が可能となったCAD/CAM冠。これはコンピューターを用いるため、誤差が非常に少ないのがメリットです。素材はレジンとセラミックを混ぜ合わせたもので、ハイブリッドレジンとも呼ばれます。しかし、強度・耐久性の面では、自由診療のセラミックに比べると劣ってしまうのは否めません。
- Qでは、自由診療の審美歯科診療についても教えてください。
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A
▲より審美的で長持ちするものを希望の場合は自由診療が勧められる
近年注目を集めているジルコニアも、自由診療のセラミック治療に使われる素材の一つです。人工ダイヤモンドと呼ばれるほど強度が高いため、歯が欠損している箇所の両隣の歯にかぶせて作製するブリッジに適しています。欠損歯に関しては、健康な歯を削らずに済むインプラントをお勧めすることも。治療する歯の本数が多い場合は各歯の状態によって保険診療ができない歯だけを自由診療にしたり、歯ぎしりが強い方は奥歯だけ強度の強いセラミックにしたりするなど、柔軟に対応することも可能です。
- Q診療では先進的な機器を活用されているそうですね。
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A
▲口腔内スキャナーによって得られるメリットは多い
当院では光学印象を行っており、口腔内スキャナーを活用しています。以前は、歯の型採りを行う際、粘土のようなやわらかい印象材を用いていましたが、光学印象の登場で口腔内をカメラでスキャンした3Dデータをデジタル化できるようになったことから、より精密な補綴物を作製することが可能に。嘔吐反射がある方の負担軽減にもつながりますし、従来より採取にかかる時間を短縮できるようにもなりました。また、スキャンした画像をすぐに確認できるため、患者さんにも見ていただきながら説明できるのもメリット。このように、患者さんにとっても歯科医師にとってもメリットが多いので、今後も可能な限りさまざまな場面で取り入れていきたいです。
- Qホワイトニングのニーズも高まってきているそうですね。
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A
▲第一印象を決める白い歯。最近は男性のニーズの高まってきている
口腔環境が整うと、次は歯の色が気になる。そんな、さらに上をめざされる意識の高い方が増えてきました。職業柄、希望される方もいらっしゃいます。当院では、来院いただくオフィスホワイトニングと、自宅で行えるホームホワイトニングを実施。各患者さんの生活スタイルや環境によって適した方法をお勧めしますが、この場合も基本的には歯茎や口腔環境が整っていることが前提です。歯に汚れが付着していると薬剤を塗布しても効果は望めませんし、歯茎にトラブルがあれば薬剤がしみて悪化する可能性も否定できません。そのようなことからも、審美歯科は健康な口腔環境があってこそ成り立つものであることがおわかりいただけると思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはブリッジ(ジルコニア)/3本24万円~、セラミッククラウン/8万~、インプラント治療/27万円~、オフィスホワイトニング/2万円~、ホームホワイトニング/2万円~