川谷 温美 副院長の独自取材記事
かわたに歯科医院
(福岡市南区/井尻駅)
最終更新日:2022/07/15
井尻駅から徒歩で約15分のところにある「かわたに歯科医院」。1998年の開業より、地域の身近なかかりつけ医院として、子どもから高齢者まで幅広い世代の口の中の健康を守っている。非常勤を含む歯科医師は、現在計7人。密に連携を図り、それぞれの専門性を発揮しながら、主訴だけにとらわれないトータルな歯科医療の提供に力を尽くしている。「患者さんの年代や希望はさまざま。だからこそ一人ひとりの口の中の状態やライフステージに合わせた治療を心がけ、健康が長持ちするようメンテナンスで適切に管理していくことが私たちの務めです」と話す副院長の川谷温美先生に、クリニックの特徴や診療において大切にしていることなどについて聞いた。
(取材日2021年4月21日)
一人ひとりの希望に寄り添ったオーダーメイド治療を
まずはクリニックの特徴からお尋ねします。
開業時より理念として掲げているのが、患者さんの生涯にわたるお口の中の健康を支え、皆さんが豊かな生活を送る地域社会の実現に貢献していくこと。具体的には、歯科医師7人によるチーム歯科医療で、マイナス1歳から100歳まで幅広い年代の方のお悩みに対応し、それぞれのライフステージに合わせた診療に力を尽くしています。妊婦の方なら生まれてくる赤ちゃんに口腔内細菌が感染するのを防ぐためにお母さんの虫歯や歯周病を改善に導いたり、成長期の子どもたちなら予防歯科や矯正治療で健全な発育をサポートしたり、高齢者なら入れ歯やインプラントといった歯の欠損治療に取り組んだり、各患者さんの状況を見ながら適切な診療が提供できるよう努めています。
診療方針を教えていただけますか?
まずは初診時の問診やカウンセリングでしっかりとお話を聞いて、何を求めて受診されたのか、口の中をどういう状態にしたいのかなどの要望を十分に把握するよう心がけています。その上で診察や先進機器を使った検査で口の中全体の健康状態を見極め、患者さんの希望を踏まえたオーダーメイドの治療プランを熟考し、さらにすり合わせながら練り上げていきます。保険治療だけを求める方、審美歯科やインプラントを目的とする方、メンテナンスの方など、クリニックにはいろんな受診理由を持つ方が来られるので、単に歯科医療の理想を追求するだけの診療をお勧めするのは現実的ではありません。当クリニックでは、患者さんと歯科医師の橋渡し役となるトリートメント・コーディネーターを兼任する歯科衛生士が状況に応じて介入し、複雑な治療が必要な方には丁寧な説明を行ったり、詳しく要望をお伺いしたりしながらこまやかに対応しています。
どういった層の患者さんが多いですか?
0歳の乳幼児から100歳の高齢者まで、幅広い世代の方が満遍なく受診されています。住宅エリアにクリニックがあるため、ファミリー層の患者さんが特に多いかもしれません。開業時から20年以上通われている方や、子どもの時から来ている方もいらっしゃいます。近年は昔と比べて、ひどく歯がガタガタになっている方は少ない印象です。軽微な虫歯やかぶせ物や詰め物の脱離といった主訴で来院される方、メンテナンスや検診希望で来院される方が多く、全体的に健康意識の高い方が増えてきていますね。実際に治療後のメンテナンスをお勧めすると快諾される方がほとんどで、患者さんの5割以上が定期的に通われています。
チーム歯科医療で、口腔内の健康をトータルケア
こちらは「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」だそうですが、これはどういったものですか?
この「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」は2016年にできた制度で、虫歯にさせない、歯を失わないための継続的な検査やメンテナンスが組織的に行える歯科医院であることを意味します。複数の歯科医師と1人以上の歯科衛生士が常勤していることや、医療安全対策や高齢者の口腔機能管理に係る研修を受けた歯科医師が常勤していること、安全面の医療体制が整っていることのほか、さまざまな基準をクリアしていなければなりません。通常は受診できる回数に制限がありますが、1ヵ月に1回のメンテナンスの受診でも保険適用になるという患者さんのメリットもあります。
診療において重要視されていることは何ですか?
当クリニックでは、一般歯科から小児歯科、口腔外科、矯正歯科、インプラント治療、審美歯科まで幅広い要望に対応可能です。私は口腔外科を専門とし、インプラント治療や審美歯科を得意としていますが、特にそれらに限って力を入れているわけではありません。専門性を生かしながら、あくまでも1口腔単位で状態を捉え、口の中全体の健康をトータルにケアする診療の提供をめざしています。主訴だけにとらわれず、できる限り再治療の必要のない健康を末永く保てる治療に注力し、メンテナンスで適切に管理していくのが私たちの診療スタイルです。
複数の歯科医師がいるメリットをお伺いします。
現在、当クリニックの歯科医師は常勤が3人。非常勤が女性の歯科医師2人。そして、月に1回勤務する矯正を専門とする歯科医師が1人です。計6人の診療体制で、患者さんの幅広い主訴や要望に対応しています。例えば、院長は補綴治療、私はインプラント治療、2人の常勤歯科医師は歯周病や根管治療など、それぞれ専門が異なるのでお互いの得意とする分野で力を発揮して、一人の患者さんに対し、クリニックでトータルな診療を提供できるのが強みです。難しい症例や複雑な治療に関しては、検討会を開くなどして意見を出し合い、多面的な視点でより良い方法を見極めるよう心がけています。女性の患者さんは女性の担当者を希望されることが少なくないので、3人の女性歯科医師がいることで柔軟に対応できるのも大きな特徴ではないでしょうか。
治療しなくて済むよう、適切に口腔内を管理していく
子どものメンテナンスにも力を入れているそうですね。
成人後の口の中の健康をより良く維持していくためには、幼少期からのデンタルケアが重要です。そこで院内には子どもたち専用の予防室を設け、日々、乳幼児から大人の歯が生えそろう12歳くらいまでの小学生を受け入れ、歯科衛生士による口腔内チェックや歯磨き指導、フッ素の塗布、親御さんへのホームケアの指導などを行っています。また、2階の専用ルームでは、首が据わる生後4ヵ月から3歳くらいまでのお子さんを対象に保育士資格を持つスタッフによる一時託児サービスを提供。さらに、1階には子どもたちが楽しく遊べるキッズルームもあり、親御さんが安心して治療を受けられる環境を整えています。
歯科医師を志したきっかけや、仕事のやりがいは何ですか?
将来を考えるようになってから人の役に立つ仕事を模索する中で、医療に興味を持つようになりました。手に職をつけて長く活躍できる点にも魅力に感じ、歯科医師になろうと決めたのは高校生の時です。実際に歯科医師となり、多くの方と関わりながらの診療は楽しく、日々喜びを実感しています。例えば、時々歯科セミナーなどを実施すると、患者さんの反応が返ってきて、もっとこうしよう、ああしようと思います。クリニックを運営する立場として、試行錯誤しながらより良い歯科医療サービスの実現に注力できることもやりがいです。結婚や出産、子育てといった自分の人生経験が診療に生かせ、それによって患者さんが気軽に受診できたり、安心して通院できたりと、臨床の現場に役立てられるところも歯科医師という仕事の魅力だと感じています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
コロナ禍となり、世の中の健康意識が高まる中、多くの方が健康維持や免疫力を重要に考えていると感じます。口の中に関しても、予防の意識が大切です。だからこそ、悪くならないよう、治療をしなくて済むように適切に管理しましょう。そのために、いち早く身近なかかりつけ医を見つけ、特に子どもの時からのケアをお勧めします。小さな頃から歯科に来る習慣をつければ、治療に対する恐怖心の軽減にもつながります。口の中の悩みがないほうがより良い人生を送れるのは間違いありません。まずはお気軽に歯科を受診してください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/42万9000円~、審美歯科(セラミック)/6万500円~、小児矯正/8万8000円~