高田 浩行 理事長の独自取材記事
たかた歯科医院
(久留米市/御井駅)
最終更新日:2024/11/20

御井駅から徒歩6分の「たかた歯科医院」。高田浩行理事長は、勤務医時代は自費で日本各地の勉強会に参加し、開業後は日本とニューヨークを行き来しながら、ニューヨーク大学でインプラント治療に関して学んだ勉強熱心な先生。約30年のインプラント治療の経験の中で難症例も手がけており、同院には九州一円から患者が訪れるという。その一方で、家族で気軽に通えるクリニックであることも大切にし、子どもから高齢者までさまざまな症状を診療する。院内に歯科技工所を併設し、訪問診療にも力を入れるなど、地域の歯科医療に貢献してきた。その話し方から親しみやすい人柄が感じられる高田理事長に、インプラント治療をはじめ同院で行っているさまざまな治療や、診療の方針などについて聞いた。
(取材日2022年11月16日)
アメリカで学んだインプラント治療のエキスパート
開業されるまでのご経歴を教えてください。

実は、小・中学校は野球、高校時代はラグビーとバンド活動に熱中して、勉強はあまりしていませんでした。でも将来は人助けができる仕事をしたいとずっと思っていて、歯科医師をめざすことにしたのです。福岡歯科大学時代は、友人の誘いでサーフィン部に入り、サーフィン三昧でした。決して勤勉とはいえなかった私が本当に勉強し始めたのは、歯科医師になってからです。一般歯科に対応するクリニックに勤務しながら全国各地に赴き、数えきれないほど勉強会に参加しました。給料の大半を勉強につぎ込んでいましたね。この道で生きていくためには、知識と技術を身につけなければという一心でした。そのクリニックには3年間勤務し、分院長も務めました。そして1995年に実家のあるこの場所で開業しました。
開業後もニューヨークと日本の往来を重ねるなど、勉強を続けたとか。
留守を任せられる先生方を雇用できるようになったという事情もあって、ニューヨーク大学でアメリカの先進の治療方法を学んだのです。2004年~2005年は2ヵ月に1度渡米し、デニス・ターナー教授のもとで、難易度の高いインプラント手術に関する研究に励みました。インプラント治療に取り組んだきっかけは勤務医時代にさかのぼります。入れ歯の患者さんがいたのですが、なかなかぴったりと合わず、ある時その方が「今はねじみたいなので歯を入れる方法があるんでしょう」とおっしゃられて。それから、興味を持ち勉強を始めました。ちょうど、現在のような骨に埋入する術式が広まっていく時期で、一番いいタイミングで始められましたね。開業時からインプラント治療を行っていますので、この地域ではかなり早い時期から導入していることになります。
数多くインプラント治療を手がけてこられたのですね。

個室の手術室を設け、他院だと大学病院を紹介されるような難症例も多く手がけてきました。執刀する歯科医師だけでなく、麻酔担当や治療後のメンテナンスを行う歯科衛生士も専門性を高め、チームで治療にあたり、患者さんには丁寧に検査や説明を行って、ご納得いただいた上で治療を受けていただきます。体内に入れる物ですから、インプラント体の質も重視しています。そして、せっかくのインプラントを長持ちさせるには、メンテナンスなど予防的なケアが不可欠です。インプラントを入れるような状態になったということは、口腔環境にリスクを抱えているということでもありますから。当院では毎月の来院をお勧めし、遠方にお住まいでも、3ヵ月~半年に1回は来ていただき徹底してケアを行っていきます。
矯正や訪問診療も。子どもから高齢者まで幅広く診療
どのような患者さんが多く来院されますか?

当院は家族で気軽に通えるかかりつけ医であることを大切にしています。そのため、インプラント治療だけでなく、一般的な保険診療をはじめ、審美歯科、歯列矯正など幅広く診療しており、若い方から高齢の方まで多世代の患者さんが来られます。インプラント治療に関しては、九州一円から患者さんがお越しになりますね。また、お子さんから大人の方まで幅広い年代の方の歯列矯正に対応できるのも当院の特徴です。今は子どもの患者さんの割合は少なめですが、小児矯正にもさらに力を入れていくつもりですので、ぜひご相談いただければ。不正咬合をなくしていくことも、当院にできる地域貢献だと考えています。
先ほどお話に出た、メンテナンスや予防について詳しくお聞かせください。
良い口腔環境を維持するにはプロのサポートが欠かせません。メンテナンスでは単に歯をクリーニングするだけでなく、不具合の兆候を見つけたり、自己流になりがちなセルフケアの指導をしたりとできることは多岐にわたります。当院のメンテナンスは担当歯科衛生士制を採用し、担当者を中心にチームで1人の方をフォローします。10年以上のキャリアを持つ歯科衛生士がそろう上、毎回同じ者が対応にあたるので、ライフスタイルや健康状態も踏まえたきめ細かいケアができるんです。患者さんにとっても、担当者がつくことでコミュニケーションが取りやすくなる面もあると思います。この人だから安心して口を開けられる、何でも話せると思っていただける関係性が患者さんと担当者の間に生まれたらうれしいですね。メンテナンスルームは治療スペースと別に設けていますので、落ち着いた雰囲気の中でリラックスしながら、口腔ケアを受けていただけるでしょう。
訪問診療にも力を入れているとお聞きしました。

はい。通院が難しい高齢の方や障害のある方への訪問診療にも、今後、相当力を入れていこうと考えています。現在、外来と訪問の比率は約8:2のところ、5:5くらいにできるようにできれば、と。今後の日本社会を考えると、訪問診療のニーズはますます高まるでしょう。そうした重点課題に少しでも貢献できるように、今以上にスタッフを充実させていく予定です。 食べること、話すこと、笑うこと、呼吸すること、お口にはたくさんの機能があり、その衰えは、老化の始まりのサインともいわれています。お口の健康維持を通して、地域の皆さんが長く生き生きと生活できるお手伝いをしていきたいと考えています。
歯科技工所を併設し、短期間で専門性の高い治療を
院内に歯科技工所があることも特徴の一つですね。

2階に従来型の技工所を、3階にデジタル技工所を置いています。なぜかというと、今後ますます、歯科技工士と歯科技工所が少なくなっていくと考えているからです。将来も、きちんと当院で対応できる体制を整えるために、今、投資をしているのです。院内にあることで歯科医師と歯科技工士の連携が綿密になりますし、歯科技工士が患者さんの状態や要望を直接把握でき、よりその方に合った技工物の製作が可能となります。外注に比べ製作期間が短く、破損などの急なトラブルにもすぐに対応できるのもメリット。インプラントに万が一トラブルが生じた際のリカバリーも、院内技工所があることでスムーズになります。他院でインプラント治療を受けた方のリカバリーも受け入れておりますので、インプラントに関する困り事の相談先がわからないという方は一度ご相談ください。しっかり噛めるインプラントで生涯おいしく食事ができるよう、サポートいたします。
診療で心がけていることはどのようなことですか?
患者さんが早く噛めるようになるよう、なるべく治療期間を短く、また、治療に伴う痛みにも配慮しながら、治療計画を立てています。当院では、インプラント治療や矯正など費用がかかる自費診療も行うものの、患者さんの負担をなるべく軽減するよう心がけています。一方で、専門性の高い治療を継続していくには、当院を支えてくれるスタッフの待遇や、業者さんと適正価格で取引することも大事です。患者さんもスタッフも業者さんも、当院に関わるすべての人と良い関係を築ける着地点を見出せるよう、努力の日々ですね。開業して30年近く、ひたすら技術を研鑽してきたのですが、もっと経営も学ばなくてはと考えているところです。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

いい治療をするには、私たち歯科医師が一生懸命になることはもちろん、患者さんのご協力も必要です。悪くなってからクリニックに駆け込むのではなく、定期的にメンテナンスにお越しくださいね。全身の健康はお口を健康に保つことから始まりますので、ぜひご自分の歯に対する意識を高めてほしいです。また最近、歯科医師への道は狭き門だといわれていますが、歯科医師は感謝の言葉を直接もらった時のやりがいをすごく感じる職業です。この記事を見てくださった方が歯科医師になってくれたらうれしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは・インプラント治療(1本)/37万円~
・表側矯正/88万円程度
・裏側矯正/132万円程度
・マウスピース型装置を用いた矯正/33万円~
・小児矯正/15万円~
・セラミックを用いた補綴治療/5万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。